更新日: 2024.10.10 働き方
私たちパートは時給1000円なのに派遣さんは1500円だそうです。どうしてそんなに差があるのでしょうか?
派遣労働者とパートタイム労働者はどちらも正社員ではないという点で同じなのに、なぜこれほどまでに時給が違うのか気になるところです。そこで本記事では、派遣労働者とパートタイム労働者の時給の違いはどこから来るのか、さまざまな観点から紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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派遣労働者の平均時給
厚生労働省の「令和4年派遣労働者実態調査の概況」によれば、派遣労働者の時給として最も多いのは1250~1500円未満で27.8%、2番目が1000~1250円未満で27.1%、3番目が1500~1750円未満で22%となっています。
また、派遣労働者の平均時給は1510円です。派遣の種類別では登録型の平均時給が1364円であるのに対し、登録型以外の平均時給は1650円です。
登録型派遣は労働者があらかじめ派遣会社に登録をしておき、派遣先が決まったら派遣元と有期雇用契約を結び、派遣期間が終わると雇用契約も終了します。一般的に派遣社員と呼ぶときは、大多数が登録型派遣です。
派遣労働者とパートタイム労働者の違い
本項では、派遣労働者とパートタイム労働者の違いを紹介します。
・雇用形態
派遣労働者とは、労働者派遣法に基づいて派遣会社から派遣される労働者です。派遣労働者は派遣会社に雇用され、派遣先である別の会社で就業します。給料や福利厚生は、派遣会社のルールに従うことが特徴です。一方、パートタイム労働者は、就業先の会社に直接雇用されます。
・雇用期間
派遣労働者は、原則として有期契約です。労働者派遣法では、派遣労働者が同じ勤務先で働ける年数は原則として最長3年までと決められています。派遣労働者の契約期間は3~6ヶ月が多く、それより長く働く場合は契約を更新することが一般的です。
一方、パートタイム労働者は、更新に上限はありません。5年以上同じ会社に勤めると、無期雇用への転換を申し出ることができます。
・勤務時間と収入
派遣労働者の法定労働時間は1日8時間以内、週40時間以内と定められています。派遣労働者は短時間勤務の場合もありますが、多くはフルタイムで働く傾向です。そのため、扶養を超えて働くケースが少なくありません。
同じ勤務先で同じ仕事をしていても、派遣会社によって時給が異なることがあるため注意が必要です。パートタイム労働者は1日の勤務時間が一般の労働者よりも短い人、1日の勤務時間は一般の労働者と同じでも、1週間当たりの勤務日数が少ない人などが該当します。
パートタイム労働者は、働く時間や日数の融通が利くケースが多いため、家事や育児との両立しやすく、複数の仕事を掛け持ちで働くこともできるでしょう。また、扶養の範囲で働くこともできます。
・求められるスキル
派遣労働者は業務範囲が事前に決められており、必要なスキルを持ち合わせていることが就業の条件です。パートタイム労働者は派遣労働者ほどスキルを求められていない場合が多く、未経験でも可能な求人も多く見受けられます。
派遣労働者のほうが高いスキルを求められるため、パートタイム労働者よりも時給が高い傾向となっているのです。
派遣労働者とパートタイム労働者では求められるスキルが違うため給料に差が出る
派遣労働者は雇用契約を締結するにあたって、必要なスキルを持ち合わせていることが条件となります。それに対して、パートタイム労働者はスキルがなくても働くことができるケースも多く、未経験可の求人も少なくありません。
また、パートタイム労働者は時間や働く日数を調整することができるので、自分の都合に合わせて働くことができる点が魅力です。時間的なゆとりが欲しい場合はパートタイム、より収入を増やしたいのであれば、何かスキルを身に付けて派遣を目指すとよいかもしれません。
出典
厚生労働省 令和4年派遣労働者実態調査の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー