更新日: 2024.02.01 働き方

「残業するのが普通」という会社に勤めていますが、転職を考えたほうがいいですか?

執筆者 : 柘植輝

「残業するのが普通」という会社に勤めていますが、転職を考えたほうがいいですか?
現代社会では、仕事と生活をうまく調和させて、両方を充実させるワークライフバランスの重要性が高まっています。毎日のように残業があったり、休日の出社が当たり前となっている職場では、それが大きな負担となって、安定して働き続けることが難しくなるケースもあります。
 
そこで今回は、勤務先で残業や休日勤務が常態化している場合、転職を検討するべきか考えてみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

残業があること自体は珍しくはない

厚生労働省の毎月勤労統計調査によれば、令和5年10月の一般労働者(事業所規模5人以上、調査産業計)の残業時間(所定外労働時間)の平均は14.2時間となっています。
 
あくまでも調査対象となった業種かつ企業での結果になりますが、統計を基に考えると、残業があること自体は珍しくはないようです。1日の法定労働時間である8時間を超えた残業に対しては、25%(22時以降の深夜労働、および月60時間を超えた部分は50%)の割増賃金が支給されます。
 
例えば、賃金が時給換算で2000円の方が、25%の割増賃金で1時間の残業をした場合に支給される金額は2500円です。統計の平均に近い月14時間の残業では3万5000円となり、収入面を考慮すれば多少の残業があっても悪くはないといえるでしょう。
 
ただし、原則として残業時間は月45時間までと労働基準法で上限が定められています。また、原則の月45時間を超えることができる月数は年6回までです。それを超える残業が勤務先で常態化しているというのであれば、法律が守られていないため、転職を考えた方がいいかもしれません。
 

休日出勤が続くと労働基準法違反の可能性がある

出社のたびに残業があっても月45時間以内であり、割増賃金がちゃんと支払われているのであれば、問題となりません。しかし、休日出勤が毎週のように続いているという場合、労働基準法違反となる可能性があります。
 
なぜなら、厚生労働省「労働時間・休日」によると、労働基準法により使用者は労働者に少なくとも週1日、または4週間を通じて4日以上の休日(法定休日)を与えなければならないとされているためです。休日出勤を含めて1ヶ月程度、休みなく出社して働くことが普通にあるという場合、それは労働基準法に違反しています。
 
厚生労働省の毎月勤労統計調査による令和5年10月の出勤日数は、一般労働者の平均で19.9日です。残業に加えて、休日出勤なども常態化しているとすると、労働環境としていいものとはいえず、転職を考えるべきかもしれません。
 
なお、滋賀労働局「労働基準法の労働時間規制の解説」によると、休日出勤でも労働時間が週40時間を超える場合、残業扱いで賃金は25%以上の割り増しになります。また、法定休日(週1日以上、または4週を通じて4日以上)に労働した場合の賃金の割増率は35%以上のようです。
 

残業や休日出勤の多さを理由とする転職での注意点

残業や休日出勤が当たり前の職場で働いている場合、転職先の業務の状況や給与形態などによっては、収入が下がる可能性が高くなる点に注意してください。
 
先述したように、法定労働時間を超える残業や休日出勤では割増賃金を受け取れるため、残業などがほとんどない会社に転職した場合、収入が減少するケースがあります。
 
そのため、転職によって残業分や休日出勤分を含めた給与が下がっても問題がないか、現在の生活費や貯金など、必要なお金をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
 

まとめ

毎日の残業や休日の出勤が常態化している場合、たとえ割増賃金が支払われていても、法律で定められた残業時間の上限を超えていたり、休日が適切に与えられていない場合は労働基準法違反となります。
 
そういった職場では転職を考えるべきですが、人によっては収入が大きく減少する可能性もあるなど、すぐに転職するのが難しいと思うこともあるかもしれません。転職については収入と希望する働き方など、さまざまな面をふまえて慎重に検討するといいでしょう。
 

出典

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年10月分結果確報
厚生労働省 時間外労働の上限規制
厚生労働省 労働時間・休日
滋賀労働局 雇用環境・均等室 労働基準法の労働時間規制の解説
 
執筆者:柘植輝
行政書士