更新日: 2024.02.01 働き方

「離席が多くないですか?」と上司に言われたけど、一日に30分程度しか離席していません。給与から引かれることはありますか?

執筆者 : 柘植輝

「離席が多くないですか?」と上司に言われたけど、一日に30分程度しか離席していません。給与から引かれることはありますか?
お手洗いや仕事に行き詰まったときの気分転換など、さまざまな理由で勤務時間中に席を立つことがあります。それが目に付くと実際の時間の大小に関わらず、上司から「離席が多い」と注意を受けることもあるようです。
 
そこで気になるのが「給与から離席時間の分が引かれてしまうのか」という点です。今回は、離席中に相当する部分が給与から控除されるかどうかについて考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

ノーワークノーペイの原則

給与の支払いについての考え方に「ノーワークノーペイの原則」というものがあります。ノーワークノーペイとは、働いた時間分は給与を支払い、働いていない時間は給与を支払わないというものです。
 
その原則に従えば、離席している時間は給与が発生せず、その分は給与から引かれてしまう(いわゆる休憩時間として扱われる)ように思われます。例えば1時間当たりの給与が1500円という方の場合、1時間働かなければその分の1500円は支払われない、という具合です。
 
しかし、全ての離席にそれを適用するのは妥当ではないでしょう。休憩時間とは、基本的に労働からの解放が保障されていなければなりません。上司から声がかけられる状態で、かつすぐに業務に戻れる状態であれば、それは休憩時間ではなく「待機時間」として仕事をしているともとらえられます。
 
厚生労働省によると、パソコンなど情報機器を使って作業を行う職種の場合に、労働者の心身の負担を軽くし、支障なく働けるようにするため、作業途中に小休憩(10~15分)を挟んで一連続作業時間が1時間を超えないようにすることなどを推奨されているようです。
 
※出典:厚生労働省「『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』を策定しました」
 
そのため、お手洗いや気分転換といったような内容で、1日に何度か、合計30分程度の離席であれば、給与から「働いていない」と引かれることは考えづらいでしょう。もちろん実際にはケース・バイ・ケースで、個別の事情での判断が必要になりますので、その点には注意してください。
 

とはいえ例外もあり、収入が減る可能性もある

ただし、1日30分程度の離席が「30分間業務外のことをしていて、全く席に戻ってこない」状態や「私用で買い物をしたり中抜けで社外に出ていたりして、呼ばれてもすぐに仕事へ戻れない」状態などであれば、労働から解放されている休憩時間として、給与離席していた30分程度の時間分、給与が引かれる可能性があります。
 
また、「離席が多くないですか?」と上司から言われるのであれば、それだけその離席が目立っているということです。もしかすると、すぐに給与が引かれることはなくとも、人事考査などに影響してしまう可能性もあります。
 
そうすることで上司から「仕事に積極的ではない」「仕事に専念していない」などという理由で賞与が減額されたり、昇進や昇給に響いたりする可能性もあるでしょう。例えば、基本の賞与が24万円だったところ、査定が低くなった結果22万円になる、というようなことも起こりうるのです。
 

誤解があれば解いておくべき

もし、上司から離席について指摘を受けているのであれば、当面の間、離席は控えるようにするべきでしょう。自分では「大したことはない」と思っていても、実は30分よりも長く離席していたり、自分だけが目立ったりしてしまっている可能性もあります。
 
また、控えることが難しければ上司と話をし、離席に対して理解を求めておくことも必要でしょう。いずれにせよ、上司と話をしたり、不必要な離席は控えたりするなど、何らかの形で行動すべきといえます。
 

まとめ

1日30分程度の離席は基本的に問題ないと思われますが、それが私用であったり、完全に業務から離れたりしていて、仕事をしているとはいえないような場合、その分を給与から引かれる可能性があります。
 
もし、上司から離席について注意を受けたのであれば、一度上司と自分の離席について、話をしておくことをおすすめします。
 

出典

厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を策定しました
 
執筆者:柘植輝
行政書士