コツコツ貯めた「タンス預金」が200万円になりました。「車の買い替え」に使いたいのですが、税務署に指摘されることはありますか…?

配信日: 2024.02.03 更新日: 2024.10.10

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コツコツ貯めた「タンス預金」が200万円になりました。「車の買い替え」に使いたいのですが、税務署に指摘されることはありますか…?
「タンス預金」はお金を貯めるのに手軽な方法です。また、相続などでタンス預金の話題を見聞きする機会も少なくないでしょう。一方、タンス預金には脱税につながるとのイメージを持ち、タンス預金自体を快く思わない人もいます。今回の相談では、タンス預金を車の買い替え資金に活用したいと望みながら、税務署から指摘されることを懸念しています。
 
そこで、このようなケースに問題がないかどうかも含めて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

タンス預金そのものには問題はない

お金を自宅に保管する「タンス預金」が問題視されることがあるのは、特に相続に関してです。相続税の減額を目的にタンス預金を利用し、税務署から脱税を指摘されるケースがあるからです。もちろん、タンス預金を相続した際に申告すれば何の問題はありません。
 
タンス預金の相続税逃れがバレるのは「国税総合管理(KSK)システム」の存在が大きいです。こちらで国税債権などを一元管理しており、所有財産と税額に開きがあった場合、税務調査の対象になる可能性がでてきます。
 
申告した税額が少なかった場合、加算税や滞納税が発生します。申告期限内に修正や更正を行ったときに科せられるのは「過少申告加算税」(10~15%)だけです。しかし、意図的な所得隠しといった悪質なケースでは「重加算税」(35~40%)が適用されることがあります。
 

タンス預金を車の買い替え資金にしても大丈夫

給与所得者の税申告は勤務先での年末調整、個人事業主は自らの確定申告が基本です。人によっては、年末調整に加えて確定申告が必要なときもあるでしょう。しかし、どのようなケースであれ、きちんと納税さえしていれば問題はありません。
 
タンス預金を車の買い替え資金にした場合に、税務署から脱税を疑われたとしてもきちんと説明すればいいのです。給与の使い道は個人の自由なので、口座振込の給与を自宅に保管していても差し支えないのです。
 
贈与や一時的に金品を得た場合、原則として1年に110万円を超える贈与を受けたときは「贈与税」、生命保険の一時金などを受けたときは特別控除額(最高50万円)を差し引いた分を「一時所得」として、それぞれ申告が必要です。しかし、相談のタンス預金200万円は高額ですが、コツコツと貯めたお金なのですから、車の買い替え資金にしても大丈夫です。
 

タンス預金のメリットやデメリットを把握しておこう

タンス預金のメリットとして、手元にお金を置いておけることが挙げられます。そのため、まとまったお金が必要になっても、ATMなどの営業時間を気にしなくても済みます。ATMを利用しないので、当然、手数料も発生しません。また、金融機関が破綻したときに影響を受けないこともメリットの1つといえるでしょう。
 
一方、お金を自宅に保管することは、少なからずデメリットも存在します。火災や自然災害によってお金を失う可能性があることは大きなリスクです。また、自宅の現金が盗難に遭う可能性もリスクの1つでしょう。火災保険に特約があれば盗難について補償されることもありますが、被害額の証明が難しいだけでなく、上限額の設定により全額補償が受けられるわけでありません。
 
このように、タンス預金にはメリットとデメリットの両方があります。自分でお金を管理するのがよいか、金融機関にお金を預けるのがよいのかは個人の判断にもよるでしょう。しかし、お金を失うリスクの大きさを考えれば、タンス預金は控えたほうが賢明かもしれません。
 

タンス預金自体には問題はない! ただしお金を失うリスクも考えよう

脱税の手段として悪用するとのイメージもあり、タンス預金を快く思わない人も少なくありません。しかし、収入に応じた正しい税申告をしていれば、タンス預金をすることも、それを車の買い替え資金に使うことも問題はありません。ただし、自宅にお金を置いておくと災害時の補償が期待できないなど、さまざまなリスクが生じます。地道にコツコツと貯めたお金だからこそ、安全な保管手段を選ぶことが大切です。
 

出典

財務省 納税環境整備に関する基本的な資料 加算税の概要
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.1490 一時所得
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

監修:高橋庸夫
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