更新日: 2024.02.09 働き方

派遣社員として働いていますが、「有休は1年経ったら期限切れで消える」と言われました。こんな話は聞いたことがないのですが、ルールなら仕方ないのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

派遣社員として働いていますが、「有休は1年経ったら期限切れで消える」と言われました。こんな話は聞いたことがないのですが、ルールなら仕方ないのでしょうか?
働いている人がもらえる「有給休暇」は、正社員・派遣社員・パートやアルバイトなどの勤務形態にかかわらず取得できる休日の制度です。
 
本記事では、有給休暇の期限や、もらえるお金はいくらになりそうかなどを、試算をまじえて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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有給休暇には期限があるの?

有給休暇を使える期限は、付与されてから「2年」です。ですから、「1年たったら消える」など、会社独自の取得ルールを決めることはできません(できる限り労働者の希望に沿って、取得時期をずらすことは認められています)。「6ヶ月間の継続勤務」と「全ての労働日の8割以上出勤」の労働実績条件を満たすと、有給休暇を付与されます。
 

派遣社員は有給休暇をどのくらい取得している?

東京都産業労働局の「令和4年度 派遣労働に関する実態調査」によると、年次有給休暇があると回答した人で有給休暇が付与された日数は「15日以上」が51.6%で最も高く、次いで「10日~14日」が39.4%でした。
 
実際の有給休暇取得率は「40%~60%未満」が30.1%で最も高く、次いで「80%以上」が22.7%です。取得した日数は「5日~9日」が37.0%で最も高く、次いで「10日~14日」が25.1%でした。
 
派遣先事業所への要望としては「契約の不当な打ち切り、中途解除はやめてほしい」が22.0%で、「年次有給休暇を取りやすくしてほしい」は9.8%と有給休暇を望む人が多い傾向がうかがえます。
 

有給休暇は派遣会社・派遣先の会社どちらが与えているの?

派遣社員へ有給休暇を与えるのは、派遣先ではなく派遣会社です。派遣社員にも労働基準法や育児・介護休業法などが全面的に適用されますが、派遣会社と派遣先で責務が分担されています。
 
派遣会社が責任を持つ主なことは「賃金の支払い」「年次有給休暇や産休などの付与」「一般健康診断」などで、派遣先が責任を持つ主なことは「労働時間管理」「危険防止・健康障害防止措置」などです。
 
派遣会社と派遣先の両方で責任を持つ主なことは「役所への申告を理由とする不利益取扱の禁止」や「ハラスメント対策」などです。
 
有給休暇を取得するときには、派遣会社へ申請すると同時に派遣先へ伝えて、業務調整などを相談すると良いでしょう。
 

有給休暇を5日取得した場合、いくらもらえる?

年間で有給休暇を取得しなければならない日数は5日で、前記の派遣労働実態調査の結果で最も多い取得日数でもあります。一般的に、有給休暇中も通常勤務と同じ賃金が支払われます。有給休暇を取得した時には、いくらもらえる見込みか試算します。

<試算>

時給1500円で週5日、9時から18時まで8時間労働(1時間の休憩時間は含まない)の派遣社員Aさんの場合
 
時給1500円×8時間=1日の給与1万2000円(月20日勤務で月収24万円、各種手当は含まず)
1日の給与1万2000円×有給休暇5日=有給休暇でもらえる見込み額6万円

試算例では時給で計算しましたが、派遣会社によって計算方法が異なりますので、労働契約書などで有給休暇の規定を確認しましょう。
 

まとめ

有給休暇は、勤務条件を満たせば「年間で最低5日間」取得することができ、使える期限は2年です(会社独自の取得ルールを決めることはできません)。期限内に使わないと消滅するので、派遣会社と派遣先へ相談しながら少しずつ取得して使い切ることが望ましいでしょう。
 

出典

厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説
東京都産業労働局 令和4年度 派遣労働に関する実態調査
厚生労働省 派遣労働者の皆様へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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