500円玉貯金「500万円」を銀行に預け入れた際の不都合。いろいろ聞かれたうえに「約1万4000円」払わされたのはなぜ? 理由を解説
配信日: 2024.02.06 更新日: 2024.10.10
本記事では、羨ましいことに500万円も貯めた人を取り上げたいと思います。さすがに500万円となると自宅に置いておくのは不安なので銀行に預け入れようとしたら、いろいろ聞かれたうえに約1万4000円支払わされたそうです。どういうことなのでしょうか。解説します。
執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
いろいろ聞かれたのは「取引時確認」のため
金融機関では「犯罪による収益の移転防止に関する法律」にもとづき、大きなお金を動かそうとしている客に対して「取引時確認」を行うことが徹底されています。例えば、みずほ銀行が取引確認の必要な取引として定めている中には、「200万円を超える大口の現金によるお取引時」があります。500万円の硬貨を銀行窓口で入金しようとした場合、この要件に該当することから、行員から声を掛けられたのでしょう。
聞かれる内容
取引時確認で聞かれるのは以下の内容です。
●氏名
●住所
●生年月日
●職業
●取引の目的
氏名、住所、生年月日については免許証などの本人確認書類(原本)の提示、職業と取引目的については口頭で確認が行われます。これは、みずほ銀行で公表されている内容ですが、他の銀行でも基本的には同じような流れでしょう。
大量硬貨取扱手数料がかかる
近年では硬貨の預け入れ枚数に応じて手数料が発生します。取引時確認は手間のみですが、こちらはお金がかかるのでより問題でしょう。
みずほ銀行では、2020年4月1日より「大量硬貨取扱手数料」を新設しており、図表1の料金体系となっています。
図表1
株式会社みずほ銀行 大量硬貨取扱手数料の新設について
500万円ともなると500円玉が1万枚にもなるので、みずほ銀行の窓口で預け入れた場合には、1980円+(1万枚-1000枚)÷500枚×660円=1万3860円の手数料を徴収される計算になります。ただ単に口座に入金するだけで1万円も取られたら、「冗談じゃない! 」と思う人も多いのではないでしょうか。
大量硬貨取扱手数料を発生させない方法
大量硬貨取扱手数料は、大量の硬貨を銀行窓口で預け入れようとするときにかかる費用です。よって、「大量」と「銀行窓口」に該当しない方法なら手数料はかかりません。具体的には以下の方法が考えられます。
●無料範囲の硬貨持込枚数にする
●ATMで預け入れる
まず、みずほ銀行の大量硬貨取扱手数料は図表1のとおり100枚までは無料となっています。他の銀行についても無料範囲が設けられている場合が多いので、確認してみてください。ただ1万枚となると100日かかる計算になるので、銀行をはしごするなどの工夫が必要でしょう。
次にATMから預け入れる方法です。例えばみずほ銀行では、ATMからの入金に1日あたりの限度額は設けられていないので、硬貨の預け入れ限度枚数となっている100枚で繰り返し入金します。1日で終えようとすると100回繰り返さなければならないので、日を分けるなどするとよいでしょう。
まとめ
銀行窓口で200万円を超える現金を預け入れようとすると、取引時確認が行われます。氏名、住所、生年月日が証明できるように身分証明書を持参しましょう。また大量の硬貨を預け入れる場合には手数料が発生します。金額は銀行によって異なりますが、硬貨1万枚ともなると1万円程度の手数料がかかることを知っておきましょう。
出典
株式会社みずほ銀行 取引時確認について(個人のお客さま)
株式会社ゆうちょ銀行 取引時確認等に関するお願い
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士