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更新日: 2024.10.10 働き方

【チャット返信もハラスメントポイント?】社内のメールやチャットの返信が「威圧的」でおなじみの50代上司…パワハラで訴えたら勝ち目はないのでしょうか?

【チャット返信もハラスメントポイント?】社内のメールやチャットの返信が「威圧的」でおなじみの50代上司…パワハラで訴えたら勝ち目はないのでしょうか?
メールやチャットを使ったやり取りで、上司が威圧的な態度や言動であった場合に、精神的なストレスを感じる方もいらっしゃるでしょう。上記の状態は、パワーハラスメント(以下:パワハラ)になる可能性があります。
 
そこで今回は、メールでの威圧的な発言はパワハラになるのかについてと、社内でパワハラが起こってしまう原因や対処法について、ご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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メールやチャットの発言はパワハラになる?

多くの会社で、従業員同士でのやり取りにメールやチャットツールが用いられていますが、これらのツールにおける発言も、パワハラにつながる場合があります。厚生労働省では、パワハラの定義を以下のように提示しています。

1.優越的な関係に基づいた行為である
2.業務の適正な範囲を超えた行為である
3.身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害する行為である

上記3つの要素を全て満たす場合は、「パワーハラスメント」に該当する可能性があるでしょう。
 
上司は職務上の地位が高いことから、「優越的な関係」という部分に該当します。さらにメールでの高圧的な態度は、業務上必要のない範囲での態度や、相手が精神的な苦痛を感じたという条件に合致するため、パワハラと判断される可能性が高くなります。
 
メールの内容に、「人格を否定するような言葉」や「能力を否定して罵倒するような内容」などが記載されている場合には、精神的な攻撃として認められるでしょう。
 

実際にメールの内容が不法行為であるとされた事例

実際にパワハラに関する裁判で、損害賠償が認められた事例もあります。これは、上司からのメールの内容が不法行為にあたるとして、損害賠償を求めた事案です。今回の判決では、上司のメールの内容および表現が許容限度を超えており、著しく相当性を欠くものと判断されて、不法行為に対して5万円の損害賠償が認められました。
 
パワハラで訴えられた場合に、メールでのやり取りの履歴や過去のデータなどは、ひとつの証拠として扱われる可能性があります。そのため、上司によるパワハラを受けた場合には、証拠となるデータや音声を残しておくことが大切です。
 

パワハラを防ぐための対処法

パワハラが起こった場合に、内容によっては、損害賠償を問われるケースもあることが分かりました。しかし、パワハラが起こらないに越したことはありません。
 
パワハラを予防するために、職場の対処法としては、以下の方法があります。

●どういう行為がパワハラになるのかを全社に周知させる
●相談しやすいように窓口をつくる
●実際に起こったパワハラに対しては迅速に対応する

パワハラの処分や規律などを従業員で共有して、会社の方針を明確にすることが対処法のひとつです。研修や講習などを行う場合は、管理職層を中心として、職階別に分けて実施することが効果的でしょう。
 
そのほかにも、相談窓口をつくり、対応する担当者を決めておくなど、パワハラを防ぐための仕組みづくりが大切です。
 

パワハラで訴えられたら損害賠償を問われる可能性がある

メールや会話での威圧的な態度や言動などによって、精神的苦痛を生じた場合には、パワハラとして認められることがあります。万が一訴えられた場合は、内容によっては、不法行為として損害賠償を問われるケースもありますので、注意が必要です。
 
メールの履歴は、裁判においても重要な証拠として扱われるため、日々の連絡は丁寧に行うことが大切です。
 

出典

厚生労働省
 雇用環境・均等局 資料4 パワーハラスメントの定義について 職場のパワーハラスメント の概念について(1ページ)

 都道府県労働局雇用環境・均等部(室) 職場における・パワーハラスメント対策・セクシュアルハラスメント対策・妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です! I 職場におけるパワーハラスメント 2.職場におけるパワーハラスメントの内容(3-4ページ)、V 職場におけるパワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント防止のために事業主が雇用管理上講ずべき措置等 指針に定められている事業主が講ずべき措置のポイント(20-21ページ)
 あかるい職場応援団 「ハラスメント基本情報」 【第56回】「上司が送ったメールの内容が侮辱的言辞として、損害賠償請求が認められた事案」 ―A保険会社上司(損害賠償)事件
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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