更新日: 2024.03.06 働き方

【これは残業?】社内のシステムが変わるからと、「終業後に」マニュアル動画を見るよう言われました。30分もあるのですが「残業代」は出ないのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【これは残業?】社内のシステムが変わるからと、「終業後に」マニュアル動画を見るよう言われました。30分もあるのですが「残業代」は出ないのでしょうか?
会社勤めをしていると「これは業務に含まれるのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。
 
例えば、社内のシステムが変更になるにあたって、終業後にマニュアル動画を見るように上司から言われた場合、残業代は出ないのか気になる方も多いと思います。
 
本記事では、労働時間の定義や、マニュアル動画を視聴する時間が労働時間とみなされた場合に支払われる残業代についてご紹介します。
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「労働時間」の定義とは?

厚生労働省によると、法定労働時間は「1日8時間」「1日40時間」と定められており、使用者は原則としてこの時間を超えて労働者を働かせてはならないとしています。この時間を超えて労働させる場合は、労使間で36協定を締結する必要があります。
 
「どこまでが労働時間に当たるのか」という問題については「使用者の指示によって作業を行っているかどうか」がポイントです。
 
就業規則などに明記されている場合はもちろんのこと、はっきりとした指示がなくても、会社から義務づけられた行為であると客観的に判断できる場合は「労働時間」に含まれる可能性が高くなります。
 
例えば、以下のような時間は「労働時間」に該当すると考えられます。
 

・業務に必要な準備をしている時間
・指示があった場合はすぐ業務に従事できる状態での待ち時間
・参加が義務づけられている研修や業務に必要な学習などを行っている時間

 
※出典:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
 

終業後にマニュアル動画を見る時間は「労働時間」?

先述の通り、社内のシステム変更により始業後にマニュアル動画を見るよう会社から「指示」があった時点で、その時間は「労働時間」とみなされます。
 
また、明確な指示がない場合であっても、システム変更の内容は従業員が把握する必要があるものであり、会社の責任において実施しなければなりません。
 
そのため、本来は所定労働時間内に行う必要があると考えられますが、それが実施できない状況である場合は、終業後に「残業」という形で行うこともやむを得ないでしょう。その場合は、所定の割増賃金が支払われなければいけないといえるでしょう。
 

30分の時間外労働に対する残業代の計算方法は?

労働基準法第三十七条によると、法定労働時間を超えて残業した場合は2割5分以上5割以下の割増賃金が支払われなければならないとされています。
 
つまり、30分間の時間外労働をした場合は「1時間当たりの賃金×1.25×0.5(30分)」で算出した金額が残業代として支払われます。
 
会社ごとに定められた所定労働時間を超えていても、法定労働時間内であれば賃金は割り増しされないため「1時間当たりの賃金×1.00×0.5(30分)」という計算になります。
 

会社の指示であれば残業代が発生する可能性がある

終業後の作業が会社からの指示によるものであれば、その時間は「労働時間」となり、残業代が支払われなければなりません。
 
明確な指示がない場合であっても、業務に必要な作業であり、業務外に実施するしかない状況であれば残業代が支払われる可能性があります。法定労働時間を超えて残業する場合は割増賃金が発生するため、計算方法も確認しておくといいでしょう。
 

出典

厚生労働省
 労働基準 労働時間・休日
 都道府県労働局・労働基準監督署 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
デジタル庁e-GOV法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十七条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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