更新日: 2024.10.10 働き方
3月に退職する人の「送別会代」として、給料から「5000円」が天引きされていました。これって「違法」ではありませんか? そもそも強制参加だし残業代を出してほしいです…
本記事では、送別会代として給料から会費が天引きされていることの違法性や、そもそも強制参加の飲み会が労働時間に当たるのかどうかについて解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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給料から送別会代の天引きは原則できない
会社が歓送迎会費用や親睦会費などの名目で給料の一部を天引きしているケースはしばしば見受けられます。しかし、会社は原則として給料を全額従業員に支払わなければならず、一部を送別会代などといって差し引いて支給することはできません。そのため、給料から「送別会代」などと勝手に5000円が引かれていることは、本来適切な処理とはいえません。
ただし、別途就業規則などで送別会代を給料から差し引くように規定されており、労使協定も締結されているような場合には、給料からの天引きもできます。
そのため、給料から送別会代が引かれていた場合、まずは自分の会社の就業規則や労使協定締結の有無を確認する必要があるでしょう。
強制参加の送別会に給料が発生する場合もある
職場が独自に行っている送別会に自主的に参加している場合、原則として給料(残業代)は発生しません。しかし、送別会が労働時間に該当するとみなされる場合、送別会に参加している時間にも給料が発生します。
それでは、「労働時間」とはどういった時間を指すのでしょうか。
一般的に、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」のことです。そのため、送別会についても労働者が使用者の指揮命令に基づいて参加したと評価された場合、送別会に参加している時間も労働時間として給料が発生します。
送別会が労働時間だと評価されるかどうかの違い
それでは具体的に、送別会が労働時間として評価され、送別会に参加している時間に給料が支払われるというのはどういう場合なのでしょうか。
例えば、会社が送別会に参加するように指示している場合、送別会の時間は会社の指揮命令下にあると判断できます。
また、明確な指示がないとしても、実質的に参加が強制であり、拒否できないような場合も労働時間に該当する可能性があります。送別会に参加しないと昇格や昇給に不利になるといった、人事考査においてマイナス点が付けられるような場合などは、実質的に参加が強制されているといえるでしょう。
反対に、参加が完全に任意で、不参加でも特に不利益が生じない場合、送別会に参加している時間は労働時間とは評価されません。
まとめ
就業規則に記載があり、労使協定も締結されていれば「親睦会費」などの名目で給料から費用が天引きされることは許されます。しかし、そうでない場合は法律違反です。
また、業務時間外に行われる送別会に参加し、実質的に会社からの指示による強制参加と認められる場合、労働時間に該当する可能性があります。
給料から送別会代が天引きされている場合は、まずは就業規則などを確認しつつ、送別会が強制かどうかを判断していきましょう。万一、就業規則に定めがないにもかかわらず強制参加で送別会代が給与から天引きされている場合、法律違反の可能性があります。会社の人事部門や、場合によっては弁護士などへの相談を検討しましょう。
出典
e-Gov法令検索 労働基準法
厚生労働省 労働時間の考え方
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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