気になる物件のガスは「プロパンガス」でした。「都市ガス」と比べて1ヶ月のガス代はどれくらい変わりますか?
配信日: 2024.03.15 更新日: 2024.10.10
風呂や調理などでガスを頻繁に利用しようと考えている場合は、契約前にプロパンガスの料金相場を把握しておきたいところです。そこで、本記事では、プロパンガスと都市ガスの違いについて触れたうえで、両者の1ヶ月間の料金の目安を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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プロパンガスと都市ガスの違い
一般家庭で使用されているガスは、プロパンガス(LPガス)と都市ガスの2種類があります。両者の違いは、以下のとおりです。
・プロパンガスとは
プロパンガスとは、プロパンとブタンを主成分とする液化石油ガスのことです。空気よりも重くて、発熱量が大きいという特徴があります。プロパンガスは、ガスボンベに詰め込まれた状態で、販売会社から契約者のもとへ運ぶ形で供給されています。地下にガス導管を整備する必要がないため、全国どこでも利用可能です。
・都市ガスとは
都市ガスとは、メタンを主成分とする液化天然ガスのことです。空気よりも軽くて、発熱量が小さいという特徴があります。都市ガスは、地下のガス導管を通して各家庭へ供給される仕組みです。利用できるエリアが人口が多い都市部以外に限られています。
プロパンガスと都市ガスの料金比較
プロパンガスが高いといわれている理由は、供給コストが高いからです。プロパンガスは人の手でガスを運ぶため、人件費や運搬費などのコストが発生します。
それらのコストが料金に反映されるため、都市ガスよりも料金が高くなってしまうのです。昔から自由料金となっており、販売会社の言い値で料金が決まりやすいこともプロパンガスが高い理由です。では、プロパンガスと都市ガスは、どのくらいの料金差があるのでしょうか。
・都市ガスの月平均使用量と月額料金の目安
1ヶ月間の都市ガス料金は、基本料金と従量料金(1立方メートルあたりの単位料金×ガス使用量)を足すことで求められます。ガスの使用量は各家庭で異なりますが、人数が多い世帯ではガスの使用量も増えることでしょう。
大手都市ガスの東京ガスでは、標準家庭のガス使用量が1ヶ月あたり30立方メートルとなっています。同社が公表している一般契約料金(東京地区等)をみると、20~80立方メートルまでの基本料金は1056円、基準単位料金は130.46円でした。
この金額をもとにして計算すると、月のガス使用量が30立方メートルだった場合の料金は、約4970円となります。
・都市ガスよりもプロパンガスのほうが発生する熱量が大きい!
プロパンガスと都市ガスの料金を比較する際には、発生する熱量の差を考慮しなくてはなりません。1立方メートルあたりの熱量は、プロパンガスが2万4000kcal、都市ガスが1万1000kcalです。
両者には約2.18倍の熱量の差があるため、都市ガスの30立方メートルの熱量は、プロパンガスの約14立方メートルに相当します。
・プロパンガスの月額料金の目安
プロパンガスの料金は、販売会社によって価格が異なります。東京ガス山梨の標準的なプロパンガス料金は、基本料金が1870円、8.1~24立方メートルまでの従量料金が694.10円です。
この金額をもとにして、月にプロパンガスを約14立方メートル(都市ガスの30立方メートルに相当)を使用した場合の料金を算出すると、約1万1587円となります。
・都市ガスとプロパンガスの価格差は約2倍
月のガス使用量が30立方メートルとした場合の都市ガスの月額料金は、約4970円です。プロパンガスは、約1万1587円が目安です。両者の差額は約6617円です。年間では、約7万9404円の価格差が生じてしまいます。
プロパンガスは割高だがメリットもある!
プロパンガスは、自由競争なうえに人件費や運送費などの供給コストがかかるため、料金が高くなりがちです。
ガスの使用量、販売会社、地域によって料金が異なりますが、平均的な使用量であれば月に約1万1587円が目安となるでしょう。
プロパンガスは都市ガスよりも割高ですが、災害に強いことや、二酸化炭素排出量が少ない点がメリットです。その点もよく考えてプロパンガスの物件を契約するかを判断するとよいでしょう。
出典
一般社団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター 最新価格情報
ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)一般契約料金B表
東京ガス山梨 ガス料金のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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