更新日: 2024.03.22 働き方

退職時に、使わなかった「有給休暇」の買い取りをお願いしたら拒否されました。買い取ってもらえるものではないのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

退職時に、使わなかった「有給休暇」の買い取りをお願いしたら拒否されました。買い取ってもらえるものではないのでしょうか?
「働き方改革」が進み有給休暇を取得しやすい環境づくりが進められている一方で、業務が忙しく有給休暇を使い切れないという方もいるでしょう。このような方の中には、退職する際「買い取り」という形で処理すればよいとお考えの方もいるはずです。
 
そこでこの記事では、退職時までに使えなかった有給休暇の買い取りを依頼した際、会社が拒否することは法律的に問題ないのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

有給休暇の趣旨とは?

そもそも有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対し、心身をリフレッシュさせつつ、ゆとりある生活を保障するための制度です。
 
仮に、心身が疲れ果てて休みたいと考えても、休んだ分給料が減ってしまう状況では、多くの人が休まないという判断をしてしまう可能性が高いでしょう。
 
そこで収入を減らさずにストレスや疲労を改善し、よいパフォーマンスを維持するため、有給休暇という制度があるのです。ちなみに、有給休暇が付与される日数と勤続期間は表1の通りです。
 
表1

雇入れの日から起算した勤続期間 付与される休暇の日数
6か月 10労働日
1年6か月 11労働日
2年6か月 12労働日
3年6か月 14労働日
4年6か月 16労働日
5年6か月 18労働日
6年6か月以上 20労働日

※厚生労働省「FAQ(よくある質問)― 労働基準行政全般に関するQ&A」より引用
 

退職時に使用しなかった分の有給休暇は必ず買い取ってもらえる?

退職の際、有給休暇を買い取ってもらい残日数に応じて金銭を受け取ることは、必ずしも労働基準法に違反することではありません。なぜなら、有給休暇の買い取りについて規定する法律は定められていないためです。
 
一方で労働基準法では、退職などに伴い使用しなかった有給休暇を買い取る義務についても定めていません。
 
つまり、退職時に使わず残った有給休暇を買い取るかどうかは、企業に委ねられているといえるでしょう。そのため、使わなかった分の有給休暇の買い取りを拒否され納得できない場合は、まず、就業規則を確認してみてください。
 
就業規則に買い取りについて記載があれば話し合いの余地がありますが、ない場合はそれ以上の交渉は難しいかもしれません。
 

退職時に有給休暇の買い取りを拒否されても会社に違法性はない

有給休暇の買い取りは義務ではなく、あくまで会社での取り決めとなるため、買い取りを拒否される場合もあります。
 
ただし、就業規則などに買い取りについて認める旨の記載があれば交渉の余地があるため、一度確認してみるとよいかもしれません。自分勝手な解釈は禁物です。
 
まずは、有給休暇の取り扱いについて改めて確認しましょう。今までお世話になってきた職場です。不要なトラブルを避けて円満に退職できるようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 FAQ(よくある質問)― 労働基準行政全般に関するQ&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集