更新日: 2024.10.10 働き方
「まかない付き」の飲食店で働いています。これってもしかして賃金の「現物支給」になるのでしょうか?
しかし、まかないにかかる費用をどのように扱っているかが重要なポイントになることもあるため、事前に確認しておく必要があります。本記事では、まかないにかかる税金や、福利厚生費として扱うための条件などをご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
まかないは賃金の現物支給になるのか?
「まかないは従業員に対して無料で提供されるもの」というイメージがあると思いますが、実際には「現物支給される給与」として取り扱う必要があり、課税対象となる可能性があります。
所得税法第三十六条によると「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又はその他経済的な利益の価額」とするようです。
つまり、まかないの支給により経済的利益を受けたと認められる場合には、課税対象になる可能性があるということです。課税対象になるということは、その分の源泉徴収を行う必要があります。
まかないが福利厚生として処理されている場合もある
まかないを福利厚生として処理し、課税対象にならないようにする方法もあります。ただし、国税庁によると、次の2つの要件を満たしていることが必要のようです。
・役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること
・食事の価額から役員や使用人が負担している金額を差し引いた金額が、1ヶ月あたり3500円以下(消費税および地方消費税の額を除く)であること
「食事の価額」とは、弁当などを購入して支給する場合はその購入代金、会社が作った食事を支給する場合は材料費や調味料などの費用の合計をいいます。
例えば、食事の価額が1ヶ月あたり5000円で、役員や使用人が2000円負担している場合「半分以上」の要件を満たしていないため、その差額である3000円が給与として課税される仕組みです。
まかないの取り扱いについて事前に説明を受けている必要がある
募集要項に「まかない付き」とあると、無料で食事を提供してもらえるイメージを持つ人が多いでしょう。
しかし、福利厚生として取り扱える要件を満たしていない場合、まかないを用意するためにかかる費用は課税対象となります。給与明細に食事代が控除されている旨が記載されていることで、驚いてしまう従業員もいるかもしれません。
そのようなことにならないよう、まかないの取り扱いについては事前に説明を受けている必要があると考えられます。
まかないは賃金の現物支給として課税対象になる可能性がある
飲食店などで働いている従業員に提供されるまかないは、現物支給の給与として課税対象になっている可能性があります。ただし、一定の要件を満たしている場合は福利厚生として処理され、課税対象になっていないこともあるでしょう。
提供されているまかないがどのような取り扱いになっているのか、従業員としても知っておく必要があるため、前もって説明を受けていない場合は上司などに確認しておくことをおすすめします。
出典
デジタル庁 e-GOV法令検索 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第三十六条
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.2594 食事を支給したとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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