更新日: 2024.10.10 働き方

年収が「約2倍」になるので、妻にはパートから「正社員」になってほしいです。妻は「育児が大変」と拒んでいますが、もう3歳なので大丈夫ですよね? そんなに難しいのでしょうか?

年収が「約2倍」になるので、妻にはパートから「正社員」になってほしいです。妻は「育児が大変」と拒んでいますが、もう3歳なので大丈夫ですよね? そんなに難しいのでしょうか?
正社員とほぼ同じ時間勤務する「フルタイムパート」という働き方ですが、正社員に比べて年収面では低くなることが多いにもかかわらず、あえて選択する人もいます。
 
ただし、もし自分の配偶者がそのような選択をしていると、「収入が増えるのになぜ」と感じる人もいるかもしれません。本記事では、妻がフルタイムパートを続けている理由が理解できない夫を取り上げたいと思います。妻がどのような思いでフルタイムパートを続けているのかについて考えてみましょう。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

フルタイムパートって何?

まずは「フルタイムパート」という働き方について確認しておきましょう。フルタイムパートとは、正社員と同様にフルタイムで働きますが、雇用形態は非正規雇用であるパートのことをいいます。
 
正社員とフルタイムパートはフルタイムで働いている点では同様ですが、正社員は固定給(ボーナスがある場合も)である一方、パートは時給制が基本です。年収で比較すると、フルタイムパートのほうが低い場合がほとんどでしょう。
 
例えば、月の所定労働時間が160時間の会社の場合で、月収25万円、ボーナス4ヶ月分の正社員の年収は400万円ですが、時給1200円で働くフルタイムパートであれば年収230万円程です。2倍近い差となります。
 

あえてフルタイムパートを選ぶ理由

年収がここまで違うにもかかわらず、なぜフルタイムパートを続ける人がいるのでしょうか。次に、フルタイムパートのメリットとデメリットを確認していきましょう。
 

フルタイムパートのメリット

フルタイムパートのメリットは主に以下のとおりです。

●正社員に比べて責任が少ない場合が多い
●休みを取りやすい
●通常のパートよりも待遇がよい

責任のある業務は基本的に社員が受け持つことが多いでしょう。フルタイムパートのほうが残業時間も少ない傾向があります。また、時間給で働いていることから、休みの融通が利きやすく、ワークライフバランスが取りやすいでしょう。休んでも給与が出ていないのであれば、周りからの圧力も小さくなりやすいのではないでしょうか。
 
また、短時間で働くパートの人よりもフルタイムパートのほうが有給休暇は多く設けられます。厚生年金保険料の金額も多くなるので、将来の年金受給額が多くなります。
 

フルタイムパートのデメリット

反対にデメリットは以下が考えられます。

●正社員に比べて年収が低い
●短時間のパートよりも忙しく、時間のやりくりや体力が必要

やはり最も大きなデメリットは年収でしょう。勤務時間は正社員と同じにもかかわらず、年収は正社員よりかなり低くなるケースが多いです。また、「パート」ではありますが、フルタイムで働くため勤務時間が長く、家事・育児・介護などと両立するとなると、時間のやりくりや相応の体力も求められるでしょう。
 

まとめ

正社員とフルタイムパートでは、確かに年収に開きがある場合が多いです。ただ、正社員にならずにフルタイムパートでいれば「ライフワークバランス」が取りやすいので、家事や育児、介護などと両立させるために、あえてフルタイムパートを選択している人もいるでしょう。
 
「正社員になってほしい。もう子どもが3歳だから大丈夫」と思うのであれば、まずは家庭の家事・育児の現状や自身と配偶者の分担割合などを振り返りながら、配偶者と相談してみるのはいかがでしょうか。
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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