更新日: 2024.04.17 働き方

突然勤め先の業績が悪化し「倒産」の可能性が。考えたくないですが、現実になった場合どのようなセーフティーネットがあるのでしょうか?

突然勤め先の業績が悪化し「倒産」の可能性が。考えたくないですが、現実になった場合どのようなセーフティーネットがあるのでしょうか?
資本主義の枠組みにおける企業は、常に倒産の危機にさらされており、従業員も常に安泰ではありません。勤務先企業の業績が悪化して倒産した場合、従業員はどのような経済的サポートが得られるのでしょうか。
 
この記事では、倒産の際に利用できる、労働者健康安全機構による未払い賃金の立て替え払い制度と失業保険の特定受給資格者という2つのセーフティーネットを紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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未払い賃金の立て替え払い制度を利用する

企業が経済的に立ち行かなくなり、事業の継続が不可能と判断された際に、従業員への賃金の未払いが発生することがあります。
 
そんなときに、賃金収入を確保する一つの手段が、労働者健康安全機構が提供する未払い賃金の立て替えです。これは、企業が破産等の法的手続きに入ったり、または事業を再開する見通しが立たなかったりする場合に、労働者が受け取れなかった給与を一部建て替えて支払う制度です。
 
ただし、この制度を利用するためには以下のようないくつかの条件があります。
 

・勤務期間

労災保険の適用を受ける企業に1年以上勤め、破産等の申し立てがあった日からさかのぼって6ヶ月以内に退職した従業員であること。
 

・未払い賃金額

退職時に2万円以上の未払い賃金があることが必要です。しかし、退職手当や定期賃金以外の未払い賃金、例えば賞与などは、この支援の対象外となります。
 

・立て替え金額

未払い賃金総額の80%に限られており、年齢によって上限額が異なります。具体的には、45歳以上の労働者の場合、最大で296万円まで、30歳から45歳未満では176万円、30歳未満では88万円が上限とされています。
 
この制度を利用する流れは、まず会社の破産等の状況に応じた証明書を取得し、その後労働者健康安全機構に必要書類を提出します。審査を通過すれば、指定された口座に前払い金が入金されます。
 
例えば、50歳の労働者が所属していた企業が破産し、未払い賃金として400万円を請求していた場合、この制度を通じて最大で296万円の立て替えを受けることが可能です。この制度を利用すれば、新たな職を探す間の経済的な不安を軽減できるでしょう。
 

失業保険の特定受給資格者になる

企業の倒産が起こると、そこで働いていた人は失業状態となります。この時、失職した労働者は雇用保険の特定の枠組みに基づいて、基本手当の受給資格を得ることが可能です。
 
通称「失業保険」と呼ばれるこの制度は、新たな職を見つけるまでの期間、生計を支える役割を果たします。勤務先の倒産などによる失業は「特定受給資格者」枠で受給することになり、受給開始日が早まったり、受給期間が長くなったりします。
 
なお、受給資格を得るには、離職前の保険加入期間や年齢などの条件を満たす必要があります。
 
例えば、45歳のAさんが勤めていた会社が倒産・失業したとします。Aさんは過去5年間、途切れることなく同社で働いていたため「特定受給資格者」として認定されます。
 
この場合、Aさんは最大270日間の基本手当を受給することが可能です。手続きについては、ハローワークに必要書類を提出し、説明会に参加した後、待機期間を経て基本手当の受給が開始されます。
 

倒産の際には公的セーフティーネットの活用を

会社の倒産は、従業員にとって大きな経済的不安をもたらします。倒産すれば直接の保障は期待できないかもしれませんが、未払い賃金の立て替え払いや失業保険といった制度が、経済的なセーフティーネットとなります。
 
これらの制度を適切に利用することで、離職後の生活を一定期間、安定させることが可能です。常日頃から制度の詳細を理解し、必要な時に迅速に行動できるようにしておきましょう。
 

出典

厚生労働省 東京労働局 会社が倒産した場合の労働債権確保
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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