更新日: 2024.10.10 働き方
新入社員ですが「歓迎会」や「お花見」など、4月に飲み会が3回もあります。正直行きたくないのですが、自分だけ断ったら会社で浮いてしまうでしょうか…?
しかし、入社したばかりの新人にとっては、上司や先輩社員からの飲み会の誘いは断りづらいものではないでしょうか。今、飲み会に対する考え方に、世代間のギャップが生まれつつあります。本記事で、詳しく解説します。
執筆者:渡邉志帆(わたなべ しほ)
FP2級
職場の飲みニケーションは古い?
最近の若手社員の間では、飲み会の参加に消極的な人が増えつつあるようです。
JASPA(全国ソフトウェア協同組合連合会)が実施した世代間ギャップ調査によると、「新人が入ったら歓迎会をするべきか」という質問に対し、世代間で回答に違いが見られました。
新人や若手世代より、ベテランや大御所世代の方が「するべき」と回答した割合が高くなっています。さらに、「仕事終わりの飲み会は必要か」という質問に対しても、新入社員や若手社員の間で「必要ではない」と答えた割合が高くなっています。
なぜ若手社員が飲み会に行きたがらないのか。その理由を探ってみましょう。
若手世代が飲み会に行きたくない理由
まず、時間的な負担が大きな要因となっています。平日の夜遅くまで飲み会に参加し、次の日の業務に影響が出るのを避けたいと感じているのかもしれません。
仕事とプライベートを分けたいと感じている人も多く、仕事が終わったらプライベートな時間を早く過ごしたいと考えている可能性もあります。
また、経済的な負担も理由の1つと考えられます。飲み会の参加費用は1人当たり5000円前後が一般的ですが、月に3回参加すれば、1万5000円の出費となり、新入社員の初任給では大きな負担になるでしょう。
若い世代で特に、お酒を飲まない人(飲めるけれどあえて飲まない選択をする人=ソバーキュリアス)も増えており、飲まないのに飲み会に行く意義を見いだせないといった事情も考えられます。
中高年世代は飲み会を強制したいわけではない
中高年の世代は、職場の飲み会への参加が強制されていた時代を経験しているでしょう。しかし、時代の変化を無視しているわけではありません。若手世代の考え方の変化を理解している人も多いのです。
前記の調査の歓迎会についての意見には、「親睦を深めるためにした方が良いですが、べきとは思いません」「必要はないので強制参加は×。新人の意思確認が大切」「どちらでも。当の新人が職場環境に馴染(なじ)める手段を取れば良いと思う」といった新入社員の意志を尊重する意見もあるのです。
中高年世代は、一方的に飲み会を押し付けるつもりはなく、お互いの意見や立場を理解し合うことが大切だと感じているといえます。また、会社によっては単に毎年開催されているからという理由だけで歓迎会が実施されているケースも考えられます。
飲み会に替わる方法やコミュニケーションをとろう
新入社員が敬遠する飲み会に替わる、より良いコミュニケーションの機会を設けることで親睦を深めることが大切です。例えば以下のような代替案があるでしょう。
・朝食やランチ会
・オンライン飲み会
・スポーツイベント
強制するのではなく、自由に参加できるスタイルとするのがよいかもしれません。新しい働き方を受け入れる柔軟な姿勢が、これからの職場には求められるはずです。
職場におけるコミュニケーションの在り方は、時代とともに変化しています。新入社員の声に耳を傾け、お互いの立場を理解し合うことが何より大切です。
まとめ
新入社員の中には、飲み会への参加を苦手と感じる人もいます。お酒が苦手、金銭的な負担を感じる、プライベートな時間を重視したい、など理由はさまざまです。新人や若手世代が中高年世代と親睦を深め、職場に早く馴染むための手段として、飲み会以外の機会を設けることが効果的ではないでしょうか。
世代間の考え方の違いをお互いに理解し、時代に沿った柔軟な考え方を持つことが大切です。
出典
JASPA(全国ソフトウェア協同組合連合会) 世代間ギャップアンケート結果報告 働き方編
執筆者:渡邉志帆
FP2級