同年代の家庭はどのくらいの金融資産を保有しているの? 世論調査に見る平均像とは?
配信日: 2024.04.30 更新日: 2024.10.10
果たして同年代の世帯にはどのくらいの金融資産や借入金があるのか、など「他人の家庭のお財布事情」が気になるという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、世論調査の令和5年度の公表データをもとに、年代別・地方別の平均像を見てみたいと思います。
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
目次
金融資産保有額の平均は1758万円(二人以上の世帯)
世帯主の年齢別に、金融資産保有額をまとめたものが、図表1です。金融資産を保有している世帯の保有額の平均は、「二人以上の世帯」で1758万円、「単身世帯」で1492万円となっています。
金融資産を保有していない世帯のデータはこの統計に含みませんが、全国で「二人以上の世帯」であれば24.7%(約4分の1)、「単身世帯」で36.0%(約3分の1)程度が、金融資産を保有していないと分かります。
出典:金融広報中央委員会 知るぽると「令和5年(2003年) 家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作成
保有している金融資産の内訳(二人以上の世帯)
金融資産を保有している「二人以上の世帯」について、保有金融商品別に内訳をまとめたものが、図表2となります。
分類は、「預貯金」(定期性預金、金融信託を含む)、「生命保険等」(生命保険、損害保険、個人年金保険)、「株式等」(株式、債券、投資信託)、「その他」(財形貯蓄、その他金融商品)の4つとしています。
出典:金融広報中央委員会 知るぽると「令和5年(2003年) 家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作成
地方別に保有額が高いのは「四国地方」(二人以上の世帯)
地方別の金融資産保有額をまとめたものが、図表3です。圧倒的に保有額が高いのは四国地方となっており、商品別に見ても、預貯金や株式等の金額が、全国で最も高くなっています。
さらに、県民性や気風などが大いに影響していると思われますが、以前より特に香川県と徳島県の貯蓄額が高いといわれています。
出典:金融広報中央委員会 知るぽると「令和5年(2003年) 家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作成
なお、少々興味深い結果ですが、「単身世帯」の場合には、四国地方が最も低い保有額となっています。
借入金の平均は1496万円(二人以上の世帯)
借入金がある世帯について、世帯主の年齢別にまとめたものが、図表4です。借入金がある世帯の平均は、「二人以上の世帯」で1496万円、「単身世帯」で346万円と、両者に大きな差があります。
また、借入金がない世帯は統計に含みませんが、その割合は「二人以上の世帯」で80.6%(約8割)、「単身世帯」で87.4%(約9割)となっており、借入金がある世帯は明らかに少数派となっています。
出典:金融広報中央委員会 知るぽると「令和5年(2003年) 家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作成
まとめ
ひとつの事例として、退職が想定される60歳代(二人以上の世帯)の平均像は、2588万円の金融資産を保有し、1099万円の借入金がある世帯となります。
この金額はあくまでも平均額ですので、参考程度にとどめておくことを推奨します。世の中には平均額の数倍、数十倍、それ以上の金融資産を保有している人も多数ありますので、平均額を上回るなどの影響が生じる傾向があります。
それぞれの家族構成や将来的なライフイベントを考慮したうえで、あまり背伸びすることのない計画を考えてみましょう。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 令和5年(2023年) 家計の金融行動に関する世論調査
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー