更新日: 2024.10.10 働き方

個人経営の場合、どこまで経費として計上できますか?プライベートとの境目はどこ?

個人経営の場合、どこまで経費として計上できますか?プライベートとの境目はどこ?
税金を抑える方法の1つに、経費をなるべく多く計上し、所得を低く抑える方法があります。
 
個人経営の場合も、必要経費を少しでも多く計上するために、生活費のうち経費にできる分を分ける「家事按分(かじあんぶん)」が有効です。しかし、プライベートとの境界をどうするかなど、分かりにくいと感じている人もいるでしょう。
 
そこでこの記事では、個人経営の必要経費の考え方と、実際に自宅を店舗として使った場合の経費の計算方法についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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事業上どこまで必要経費にできるのか

国税庁によると、事業所得や雑所得を計算するうえで経費にできるのは、次の2種類です。

(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

※国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識

簡単にいえば、収入を得るために支払った費用が、必要経費となります。具体的には、水道光熱費・旅費交通費・通信費・接待交際費・修繕費・消耗品費・減価償却費・地代家賃などです。
 
反対に経費計上できないものとしては、家事上の経費・所得税・市区町村税・罰金などが挙げられます。
 
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プライベートと必要経費の線引きに決まりはあるのか

個人経営の場合、プライベートの費用と経費の線引き(家事按分)に悩む場合もあります。自宅の一部を店舗にしていたり、商品の運搬を自家用車で行ったりしているようなケースです。
 
このような場合は、業務や経費の内容、家族・使用人の構成、家屋などの利用状況を総合的に見て判断する必要があります。
 
国税庁のホームページでは、事業で使用する額が50%を超えるかどうかが判断基準となるものの、明確に事業用とプライベート用で区分できる場合は、事業用に使用した額を必要経費にできるとしています。
 

自宅兼店舗の必要経費を計算する方法

自宅の一部を店舗として活用している場合、家賃の一部を家事按分して必要経費として落とすことが可能です。ただし、生計を共にする配偶者や親族に対し家賃を支払う場合は、一切必要経費とならないため注意が必要です。
 
家賃の家事按分は、作業スペースの面積や作業時間などを基に計算します。
 

面積で計算する場合

まずは店舗の面積を基に、経費を算出してみます。
 
例えば家賃20万円で100平方メートルの建物を借りているとしましょう。そのうち50%の50平方メートルを店舗として利用している場合、家賃20万円×50%で10万円が必要経費です。
 
なお一度割合を決定したら、基本的にはその割合を変更することはありません。
 

時間で計算する場合

同様に、家賃20万円で100平方メートルの建物を使用時間で家事按分する場合で考えてみましょう。
 
週に5日、1日8時間仕事で使っているとすると、5日×8時間で週に40時間となります。1週間は168時間(24時間×7日)のため、仕事時間の割合は40時間÷168時間×100でおよそ23.8%です。時間で計算した場合の経費は家賃20万円×23.8%で4万7600円となります。
 

必要経費とプライベートの割合は個別に判断が必要

必要経費とプライベートの費用は、明確な決まりがあるわけではなく、それぞれ個別に判断しなければなりません。
 
実際に、家事按分や経費計上が適正かどうかの判断は、税務署が行います。適切でないと判断された場合は、所得税にプラスして追徴課税を支払う可能性もあります。
 
税務署に指摘されないためにも、悩んだ場合は、税理士など専門家に相談しましょう。
 

出典

国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識概要
国税庁 令和5年分確定申告書等作成コーナーよくある質問必要経費
国税庁〔家事関連費(第1号関係)〕(主たる部分等の判定等)・(業務の遂行上必要な部分)
e-Gov所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第四十五条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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