31歳アルバイト、月収10万円で「生活保護」は受けられますか? 病気の治療中でフルタイムでは働けないので、生活が苦しいです…
配信日: 2024.05.29 更新日: 2024.10.10
本記事では生活保護の内容、生活保護で受給できる金額、収入があっても生活保護は受給できるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生活保護の内容
生活保護として生活に必要な各種費用が扶助として支給されます。
・生活扶助(日常生活に必要な費用)
・住宅扶助(アパートなどの家賃)
・教育扶助(義務教育を受けるために必要な学用品)
・医療扶助(医療サービスの費用)
・介護扶助(介護サービスの費用)
・出産扶助(出産費用)
・生業扶助(就労に必要な技能の修得にかかる費用)
・葬祭扶助(葬祭費用)
生活扶助には基準額があり、住宅・出産・生業・葬祭扶助は定められた範囲で実費が支給されます。医療や介護扶助の費用については、本人負担はありません。
生活保護を受給できる人はどんな人?
生活保護は世帯単位で行われます。そのため世帯全員が利用できる資産や能力などのあらゆるものを最低限度の生活の維持のために活用することが前提であり、扶養義務者(3親等以内の親族)が援助できる場合は生活保護よりも扶養が優先されます。
受給できる生活保護費は「最低生活費」から「年金、児童扶養手当などの収入」を差し引いた金額です。また親族などからの援助や会社からの給与、各種手当、年金などの収入があっても最低生活費に満たない場合は生活保護を受給できます。
生活保護費はどの程度支給されるのか?
東京都在住の31歳独身者(月収10万円、病気療養中)の場合はどうでしょうか?
生活扶助基準額は7万6420円、住宅扶助は5万3700円を上限として実費相当が支給されます。生活扶助基準額と住宅扶助との合計13万120円に診療などにかかった医療費の平均月額を加えた金額が最低生活費認定額となります。
したがって最低生活費認定額(13万円)-収入(10万円)=支給される保護費(3万円)となり、今回のケースで支給される生活保護費は3万円+医療費平均月額です。
ちなみに生活扶助基準額は、東京都在住の3人世帯(33歳、29歳、4歳)であれば16万4860円、高齢者夫婦世帯(68歳、65歳)だと12万2460円、母子世帯(30歳、4歳、2歳)は19万6220円です。
この金額に住宅・教育・医療・介護扶助が加算された額が最低生活費認定額となり、最低生活費認定額から収入を差し引いた額が生活保護費として支給されます。
また、病気療養中の病気が障害等級1級から3級に該当する場合は最低生活費認定額に加算がつきます。障害年金を受給できる場合は障害年金の受給が優先され、差額分が生活保護費として支給されます。
まとめ
親族の援助がない、あるいは親族の援助があっても世帯全員の収入が最低生活費認定額に満たない場合は、働いていても生活保護を受給できます。受給できる金額は住所地や年齢・家族構成で変わり、算出された最低生活費認定額から収入を差し引いた金額となります。
ただし病気などが治癒しフルタイムで働けるようになれば、フルタイムで働くことが必要となり、収入が最低生活費認定額を超えれば生活保護費は支給されなくなります。また病気療養中に傷病手当金を受給できる場合は傷病手当金が優先され、傷病手当金が最低生活費認定額に満たない場合は差額が支給されます。
出典
厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー