更新日: 2024.10.10 働き方

「サービス残業」は自分の意思でもNG?サービス残業の問題点とは?

「サービス残業」は自分の意思でもNG?サービス残業の問題点とは?
タイムカードを先に切って、それから残りの仕事を片づけようと思ったことがある方もいるかもしれません。しかし、それは「サービス残業」にあたり、問題になる可能性があります。
 
本記事では、そのようなサービス残業の問題点について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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サービス残業とは

サービス残業とは、時間外労働を行ったにもかかわらず、労働者に賃金が払われない労働のことです。労働者が所定労働時間外に行った業務を企業が認めなかったり、労働者の意思で時間外労働の申告を行わなかったりして発生します。
 
そのため、例えば上司から「タイムカードを先に切ってきて。それから残りの仕事を片付けよう」と言われ実行した場合、サービス残業にあたります。本来の残業は、残業時間を計算し、賃金もしくは割増賃金を支払わなければなりません。
 

サービス残業はNGなのか?

サービス残業は、労働基準法に違反するためNGです。企業から労働者に対してサービス残業をさせることも、労働者が自分からサービス残業を行うことも違反の対象です。
 
労働基準法第37条では、企業は労働者に対して労働時間を延長して労働させた場合、その労働時間に対する賃金(割増賃金)を支払わなければならないと定めています。そのため、サービス残業は労働基準法違反となり、同法第119条により6ヶ月以下の懲役または30万円以上の罰金が科される可能性があります。
 

サービス残業の問題点

サービス残業は、労働基準法に違反しているだけでなく、ほかにもさまざまな問題点があります。ここでは2つの問題点について紹介します。
 

残業代の請求ができない可能性がある

給料を計算する際に、労働時間を証明するものがタイムカードです。しかし、残業をする前にタイムカードを切ってしまうと、タイムカードを切ってからの残業時間の証明が難しくなってしまいます。
 
企業や機関に、サービス残業分の賃金の請求を訴えたとしても、残業時間の証明ができないため、支払われない可能性も大いに考えられます。
 

労災認定がおりない可能性がある

通常、労働時間外のけがや事故に対しては労災認定がおりません。そのため、タイムカードを切った後にけがや事故が発生してしまうと労災がおりない可能性があります。
 
通勤時間や労働時間に対して労災は適用されますが、サービス残業については証拠がないため、企業としても判断が難しくなるでしょう。
 
とくにサービス残業は長時間労働になる傾向にあるため、疲労がたまりけがや事故に発展する可能性が高いと考えられます。そのため、リスクの高いサービス残業は回避しましょう。
 

サービス残業しないための対策

自らサービス残業をしたとしても、リスクが大きいため、回避しなければ後に大きな問題に発展する可能性があります。ここではサービス残業しないための対策について紹介します。
 

もし上司から言われても断る

上司からサービス残業を求められても、きちんと断ることが大切です。上司から言われたからといって、1回でもサービス残業を行うと、その後サービス残業を断るのがより難しくなるでしょう。
 
毅然(きぜん)とした態度で断ると、相手もサービス残業を求めることは減っていくはずです。そのためサービス残業を求められた際はしっかりと断りましょう。
 

人事部や労務部に相談

サービス残業せざるを得ない場合は、人事部や労務部などに相談するのもひとつの方法です。自分の部署だけが行っている習慣だった場合は、他の部署に相談することで改善される可能性は大きいでしょう。
 

労働基準監督署に相談

会社全体でサービス残業があたり前になっている場合は、外部機関へ相談しましょう。例えば、労働基準監督署にサービス残業について相談することで、第三者の目線から確認し改善を目指すことが可能となるかもしれません。
 
しかし、労働基準監督署へ相談した場合、改善方法は企業全体への取り組みになるでしょう。そのため、状況によっては働きにくくなってしまう可能性があります。
 

弁護士に相談

断ってもサービス残業を求められる場合は、弁護士に相談するのも有効な方法です。サービス残業は違法であり、労働者は労働時間に対する賃金を受け取る権利があります。法律違反を強要される場合は、その道のプロに助けを求めることも大切です。
 

サービス残業は労働基準法に違反する

サービス残業は労働基準法違反です。労働者は労働時間に対する賃金を受け取る権利があるため、サービス残業を求められた際も、まずは断るよう心がけましょう。
 
断ることが難しい場合は、人事部や労務部へ相談することを検討しましょう。社内での相談が難しい場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することをおすすめします。
 

出典

e-Govポータル 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇 第三十七条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)、第十三章 罰則 第百十九条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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