40代独身、貯蓄2000万円を達成。今から早期退職したら、老後資金は尽きるでしょうか?
配信日: 2024.06.10 更新日: 2024.10.10
そこで本記事では、早期退職のメリットとデメリット、また2000万円の貯蓄が老後にどれだけ持続可能なのかや必要な生活費と可能な生活水準について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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早期退職のメリット
早期退職とは、定年前に自分の意思で退職を選択することです。会社の業績悪化による事業縮小で急きょ募集される希望退職と異なり、早期退職は優遇措置が手厚いことなどから「早期退職優遇制度」とも呼ばれています。時間に余裕が生まれるため、趣味やこれまでの経験や知識を生かした新たなキャリアにチャレンジすることが可能です。
また退職時に支給される退職金が多くもらえたり、特別手当が支給されたりするなど金銭的なメリットと転職支援が会社から受けられる場合もあります。そのほかにも、若手従業員が活躍する機会を与えて、キャリア形成を促せるなど企業側にも大きなメリットがあります。
早期退職のデメリット
早期退職を選択するということは、毎月の月収を得ていた時のような定期的な収入がなくなることを意味します。新しい職場を探す場合にも、再就職先がすぐに決まるとは限らないため、退職金と貯金を取り崩して生活することになります。
また無職で厚生年金に加入していない期間が増えると、年金の受給額も減少する恐れがあります。金融庁の発表している「家計の金融行動に関する世論調査2022年」(単身世帯調査)によると、老後の生活費における収入源の約64%が公的年金です。つまり、老後の生活資金の大半を占める年金は老後の大きな収入源なので、なるべく加入期間を増やしておきましょう。
必要な生活費とは
次に、2000万円の貯蓄で老後に必要な生活費が賄えるかを見てみましょう。2019年6月に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループが発表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」によると、進行する高齢化を背景に老後30年間で約2000万円が不足するという試算結果が話題となりました。
しかし、自身の生活背景や望む生活水準によって必要な生活費は変わります。総務省統計局の家計調査によると、単身世帯の消費支出は月額約16万円です。つまり、年間で192万円が必要な計算となるため、2000万円を取り崩しながら生活すると考えると「2000万円÷197万円=10.4年」で約10年間の生活資金となります。
40代の10年後はまだ年金の給付まで時間があるため、2000万円の貯蓄でそれまでの期間を過ごすやりくりについて考えておくことが必要です。
貯蓄2000万円の生活水準はどのくらいか
2000万円の貯蓄があっても、支出の額によっては老後資金には足りないことが分かりました。
そのため40代で早期退職を選ぶ場合には、転職や起業なども視野に入れて自分に合った方法で収入を得る方法も考えておくとよいでしょう。支出を抑えるために、固定費の見直しや無駄な出費の削減など家計管理をしっかりと行うことも重要です。貯蓄とそのほかに得られる収入を合わせると、最低限必要な日常生活が送れる生活水準を確保できる可能性があります。
早期退職後の資金計画をしっかりと立てましょう
早期退職した場合、年金がもらえる年齢になるまでかなりの年数があるため、貯蓄2000万円だけでは老後資金としては尽きてしまう可能性があります。その間をどのように過ごすのか考えておくことが重要です。ストレスなく老後を送るためにも、早期退職のメリットを生かしつつ、収入を確保して資産を増やしながら老後を迎える計画を立てておきましょう。
出典
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査2022年」 (単身世帯調査)
金融庁金融審議会 「市場ワーキング・グループ」報告書の公表について
e-Stat政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 単身世帯 2022年<用途分類>1
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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