更新日: 2024.10.10 働き方
6月は「祝日」がないので、有休を使って「3連休」にしたいです。繁忙期ではないので、プライベートを楽しむために有休をとっても大丈夫ですよね?
しかし、自分が休んでも業務に支障がなさそうだったとしても、「休みを増やしたい」という理由で有給休暇を取得することに後ろめたさを感じる人もいるのではないでしょうか。本記事では、有給休暇の基本的な考え方や取り方のポイントなどについて解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
そもそも有給休暇とは
有給休暇は法律で定められている、労働者が給料を受け取りながら休める制度です。取得できる休暇の日数は勤務期間などによって異なります。一定の条件を満たした場合、6ヶ月間勤務していれば10日、1年6ヶ月勤務していれば11日の有給休暇が与えられます。
有給休暇を適切に取得することで、心と体の健康を保ち、仕事のモチベーションを高めることにつながります。
繁忙期には有休が断られることも
有給休暇を取得するかどうかは労働者が自由に決められます。労働者から有給休暇取得の申請があった場合、会社は原則としてそれを拒否できません。
しかし、会社の繁忙期や業務の状況によっては、労働者が指定した日に有給休暇の取得が難しい場合もあります。労働基準法第39条5項において、「時季変更権」が認められているためです。これは労働者が希望した有給休暇の取得日を、会社が変更する権利のことです。
例えば、繁忙期に長期の休暇をとる、同部署内で複数人の休みが重なるといったときは、上司から有給休暇の取得日の変更を求められる可能性があります。
業種によって繁忙期や閑散期は異なりますが、年度末を終えた6月には比較的業務が落ち着いている企業も多いことが予想されます。
また、6月は祝日がなく休日が少ないため、疲れがたまってしまう人もいるかもしれません。この時期に有給休暇を取得することで、会社の業務に大きな影響を与えることなく、プライベートな時間を楽しんでリフレッシュできるのではないでしょうか。
有給休暇の取り方のポイント
リフレッシュ目的で有給休暇を取得することには、法律上何の問題もありません。しかし「今月は祝日がないから」という理由で休むことに気まずさを感じる人もいるでしょう。誰かが休むと人手が減る分、他の人に業務のしわ寄せがいき、迷惑をかける可能性もあります。
そのため、有給休暇を取得したいと思ったら、まずは早めに上司や同僚にその旨を伝えることが大切です。休む日が早めに分かっていれば、業務の調整などがしやすくなるからです。
また、チームや同じ部署の人と休み希望の日がかぶってしまうことも考えられます。同時に何人も休んでしまうと、普段の業務が回らなくなる事態も想定できます。自分の有給休暇の目的があくまでもリフレッシュであり、別日にずらせるようなら、他の人に譲るのが良いでしょう。
適切に有給休暇を取得してリフレッシュしよう
有給休暇は法律で労働者に与えられている権利です。いつ取得するのかは、原則として労働者本人が自由に決めて構いません。祝日がない6月は、有給休暇を活用してプライベートを楽しむのも1つの方法でしょう。
しかし、会社が繁忙期ではなかったとしても、早めに有給休暇の取得日について相談する、他の人と希望日が重なったら譲り合うなど、周囲への配慮を欠かさないようにしましょう。
同僚や上司としっかりコミュニケーションを取りながら、有給休暇を上手に活用してリフレッシュしてくださいね。
出典
e-Gov法令検索 労働基準法
執筆者:山田麻耶
FP2級