更新日: 2024.07.16 家計の見直し

食費を少しでも節約したいです。主食を米の代わりにじゃが芋にしたら、節約になるでしょうか?

食費を少しでも節約したいです。主食を米の代わりにじゃが芋にしたら、節約になるでしょうか?
総務省統計局によれば、2023年は原材料価格の上昇や円安の影響により、「生鮮食品を除く食料」などの物価が上昇したとされています。物価が上昇している中、食費を節約したいと考える人が増えるのは自然なことかもしれません。
 
節約したいと思いつつ、主食に毎回米袋を購入していませんか。
 
時々主食を別の穀物に変更してみることが、節約につながる場合があります。この記事では、主食を「じゃが芋」に変更した場合の節約効果を検討します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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節約と聞いて真っ先に思い付くのは「食費の節約」かもしれない

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、新規学卒者の賃金は高校で約18万6000円です。出費の中では食費が比較的高い割合を占めていることが分かっています。総務省統計局の2024年4月分「家計調査報告」によれば、エンゲル係数は約26.7%(二人以上の世帯)でした。
 
食費は固定費ではなく、自分の意思で支払う変動費に分類されます。生活費の節約を考えた人で、まず「食費の節約」を思い付く人は多いのではないでしょうか。
 

食費を節約したい人は多い

食費を節約したいと考えている人は、おおむね高い割合で推移しています。
 
統計局の令和5年版「家計調査報告」によれば、単身世帯の消費支出は1カ月平均16万7620円です。名目では3.6%の増加となっていますが、実質では3年ぶりに0.2%の減少となりました。
 
減少となったのは、出費を抑えようとする人が増えたからかもしれません。ホットペッパーグルメ外食総研の調査によれば、「最近の物価高で節約志向が高まった人」の割合は計46.1%とのことです。とりわけ節約を意識している出費は「自炊の食材等の費用」で45.0%に上り、1位でした。
 

米を減らした、やめた人は一定数存在

農林水産省が令和2年に実施した「米の消費動向に関する調査の結果概要」によると、自身の健康を気にして米の消費量を減らした人もいたようです。また米の価格を「高い」と回答した人も30%いました。米の小売価格を「高い」と回答した人は、2キロ袋と10キロ袋購入者に多いという特徴がありました。
 
つまり米のイメージ変化や健康志向に伴い、米の消費量は減ることがあります。かといって手軽な量の少ない2キロ袋を購入しようとすると、割高に感じられるようです。
 
「米の消費動向に関する調査の結果概要」では「ふるさと納税」で米を購入する人が調査時の令和2年とその5年前とで比較して3.5%増加しています。主な理由として「(小売店などの)米が高いから」が挙げられていることからも、米を高い商品であると考える人がいるのが分かります。
 

米の代わりにじゃが芋を主食にしたら節約になるか?

米の代わりにじゃが芋を主食とすることは、節約になる場合があります。
 
農林水産省の「食品価格動向調査(野菜)」によると、6月17日の週においてばれいしょ(じゃが芋)は、1キログラム当たり消費税込みで576円となっています。
 
米袋の価格との比較は単純にはできません。ただ、ここ数年の物価高騰前の令和2年2月時点で米2キロ袋の平均価格が1069円であったことを踏まえると、米の代わりにじゃが芋を購入することで、1回あたりの出費は少なくなる可能性はありそうです。
 
また外国では、主食としてじゃが芋を食べる国もあります。フィンランドでは全土的に、ペルーでは山岳地帯でじゃが芋は主食として食べられています。
 
2023年版「日本食品標準成分表」によれば、じゃが芋(皮なし・生の状態)には100グラム当たり14.7グラムのデンプンが含まれているのです。デンプンとは、ブドウ糖が集まってできたものであり、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源となっています。
 
一方、米(精白米)には100グラム当たり34.5グラムのデンプンが含まれています。デンプン含有量でやや劣るとはいえ、じゃが芋は米の代わりにもなるといえるでしょう。
 

節約の観点からじゃが芋を捉えると

工夫次第では、じゃが芋を食べることは節約になりそうです。緊急に家計の出費を抑える必要がある場合などに、主食を米の代わりにじゃが芋にすることも一つの方法といえるでしょう。
 

出典

総務省統計局 消費者物価指数(CPI)2024年5月分
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況
総務省統計局 家計調査報告 2024年(令和6年)4月分
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要
農林水産省 食品価格動向調査(野菜) 価格推移グラフのバックデータ
農林水産省 令和2年3月 米の消費動向に関する調査の結果概要
食品詳細 いも及びでん粉類
農林水産省 食品価格動向調査
株式会社第一生命経済研究所 エンゲル係数が過去43年間で最高域
ホットペッパーグルメ外食総研 物価高で高まる節約志向の実態と外食での節約行動を調査
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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