更新日: 2024.10.10 その他家計
離婚した元夫が病気で働けなくなり生活保護を受給しているようです。この場合、毎月支払ってもらっている養育費はどうなるのでしょうか?
本記事では、支払い側が生活保護を受給している場合の支払い義務がどうなるのか、そもそも養育費とはどのようなものかなどを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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養育費を支払う側が生活保護を受給していると?
ここでは、養育費を支払う側が生活保護を受給している場合の支払い義務がどうなるのかについて紹介します。
養育費の支払い義務は残る
生活保護を受けていても、養育費の支払い義務はなくなりません。しかし、義務があっても支払い能力がなければ、これまで通り養育費を支払い続けるのは難しくなる可能性があります。生活保護受給者には、収入の有無に関係なく健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な分の金額しか支払われません。
そのため、基本的に生活保護費は養育費の支払いよりも、受給者の生活に利用することが優先されると考えられます。
養育費の支払い義務がある方は、どうしても支払えない場合にそのまま放置するのではなく、権利者と話し合うか家庭裁判所に対して調停を申し立てるなどの行動を起こす必要があります。法的に養育費の減額が認められるよう行動するため、受け取る側はこれまで通り受け取れるとは限りません。
養育費とは
養育費とは子どもを育てるために支払う費用を指し、離婚後に子どもと同居していない側の親が同居している側の親に支払うものです。子どもの生活費や学費などが養育費に該当します。離婚をしても親は子どもを扶養する義務があります。
しかし、子どもと同居しない側の親は生活を共にしないため、日常生活の中で直接子どものために費用を支払う機会がありません。そのため、同居する側の親に対して養育費を支払うことで、子どもに対する扶養義務を果たす目的があるといわれています。
離婚後でも金額の変更ができる
養育費の支払いについて、互いが合意した時点と比較して、夫婦双方の経済状況や家庭環境などに大きな変化が見られた場合、養育費の増額や減額の請求が認められる場合があります。
基本的には親同士が話し合い、養育費の増額や減額を決めますが、場合によっては家庭裁判所の家事調停を利用することも可能だとされています。支払う側の収入が減った場合や受け取る側の収入が増えたことを知った場合などは、養育費の支払い金額の変更を求めましょう。
一括で受け取る方法もある
養育費の支払いは一般的に月払いが多い傾向にあります。しかし、親同士が合意すれば一括で前払いすることも可能です。しかし、一括前払いで養育費を支払う場合、贈与税の課税対象となるケースがあります。
国税庁によると、贈与税の非課税枠は年間110万円までです。そのため、一括払いにより110万円を超えてしまうと、贈与税が発生すると考えられます。課税によって養育費が減ることを避けたい場合には、月払いで受け取るのがよいでしょう。
支払い側が生活保護を受けている場合は実質的に支払いが難しい
養育費は支払い側が生活保護を受けている場合、実質的に支払いを継続するのは難しい可能性があります。
支払い義務自体はなくなりませんが、生活保護費は受給者の生活を成り立たせるために支払われるからです。状況は人によってことなるため、弁護士等の専門家に相談することも検討するとよいかもしれません。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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