更新日: 2024.10.10 その他家計

引っ越し先が「プロパンガス」で、ガス料金が都市ガスの「2倍」近くに!? これって普通なの? 実は2024年7月から、料金を確認してから“契約”できるように! 知っておくべきポイントを解説

引っ越し先が「プロパンガス」で、ガス料金が都市ガスの「2倍」近くに!? これって普通なの? 実は2024年7月から、料金を確認してから“契約”できるように! 知っておくべきポイントを解説
家計管理において、光熱費の節約は重要な課題です。特にガス料金は毎月の支出に大きく影響することがあります。プロパンガスと都市ガスを比較すると、一般的にプロパンガスのほうが高いです。こうした価格差の背景には、プロパンガス業界の慣習による不透明な料金設定が影響していると言われています。
 
これらの問題を受けて、国は2024年7月2日から改正液化石油ガス法(以下、法律といいます)が2024年7月2日に施行され改正し、プロパンガス事業者に対する規制が強化されています。
 
本記事では、法律の改正で何が変わったのか、また、プロパンガスを安く契約するために知っておきたいポイントについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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法律の改正で変わった点

法律の改正により、賃貸契約前にガス料金を確認できるようになり、入居者への設備負担の転嫁が禁止され、ガス料金の詳細な内訳記載が義務化されました。詳細を見ていきましょう。
 

1.プロパンガス料金に関する情報の提供

賃貸契約をする前に、管理会社やオーナー、仲介業者に対してプロパンガス料金の提示を求めることが可能になりました。入居希望者からの要請があった場合、業者は情報を提供する義務があります。契約前に料金を確認することで、不当な高い料金での契約を避けられるようになりました。
 
もし入居希望者が料金の提示を求めたにもかかわらず、業者が応じない場合は、図表1のように消費者ホットライン(188番)に相談できます。
 
図表1

図表1

消費者庁 LPガス料金を契約前に確認しましょう
 

2.過大な営業行為の禁止

プロパンガス業者による過大な営業行為が禁止されました。賃貸物件では大家分の設備負担を入居者に転嫁するケースが多く見られます。例えば、プロパンガス業者が給湯器やコンロなどの設備を大家に無償提供することで、その見返りとして自社を指定してもらう仕組みです。
 
経済産業省が実施した「令和5年度石油ガス流通販売経営実態調査」によると、図表2のとおり「賃貸型集合住宅における設備等の費用を負担したことがある」事業者の割合は56.2%という結果でした。
 
図表2

図表2

経済産業省 令和5年度燃料安定供給対策に関する調査事業 石油ガス流通・販売経営実態調査 報告書
 

3.三部料金制の徹底

2025年4月2日からは、ガス料金の明細に「基本料金」「従量料金」「設備料金」の3つの内訳を記載する「三部料金制の徹底」が義務化されます。それにより、それぞれの項目にどのくらいの料金がかかっているのかが明確に把握できるようになります。
 

契約後の変更はできないの?

持ち家の場合、ガス業者を変更できます。プロパンガス料金が適正価格より高いと感じる場合は、他のガス業者への切り替えを検討してみましょう。
 
一方、賃貸住宅の場合、図表1に「賃貸集合住宅ではガス業者の選択・変更はできません」と明記されているとおり、大家とガス業者の間に契約が存在するため、入居者は自由にガス業者を変更できません。
 
ただし、ガス業者と契約を結んでいる大家の同意を得れば、変更が可能です。また、入居者がガス業者に直接交渉することで、価格を下げてもらえることもあるようです。
 

ガス料金の適正価格を調べる

プロパンガス料金消費者協会が提供する「ガス料金自動診断」を利用することで、自宅のプロパンガス料金が適正価格に比べて高いか安いかを簡単に確認できます。「ガス使用量」と「請求金額」を入力するだけで診断結果が表示されます。
 

まとめ

プロパンガスは都市ガスと比べて料金が高く、この高額な料金の背景には、業界慣習による不当な値上げや不透明な料金設定、さらには大家との協力によって入居者に一方的に負担を強いるケースが少なくないことが影響していました。しかし、法律の改正により状況は改善されつつあります。
 
賃貸物件の契約前に求めがあればプロパンガスの料金を提示し、契約後も料金を分かりやすく明示することが義務付けられました。プロパンガスを利用する際は、これらの仕組みを理解し、納得のいく契約をすることが大切です。
 

出典

経済産業省 令和5年度燃料安定供給対策に関する調査事業 石油ガス流通・販売経営実態調査 報告書
消費者庁 LPガス料金を契約前に確認しましょう
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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