更新日: 2024.10.10 貯金

銀行から連絡が来るのはどんな時? 「1000万円」の貯金が連絡の基準になるのでしょうか?

銀行から連絡が来るのはどんな時? 「1000万円」の貯金が連絡の基準になるのでしょうか?
マイホームの購入や、老後の生活費、万が一のための資金づくりなどを目的に、銀行口座にコツコツと貯金している人は少なくないでしょう。
 
できるだけ多くの金額を用意しておきたいものですが、実は銀行への預金額が1000万円を超えると銀行から連絡がくるといわれていることをご存じでしょうか?
 
今回は、なぜ預金額が「1000万円」を超えると銀行から連絡がくるのか、ということに加え、1000万円を超える預金が及ぼす影響を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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貯金1000万円を超えると銀行から連絡が来る理由とは

預金が1000万円を超えたからといって、銀行から利用者へ通知する義務はありません。実は銀行から連絡が来るケースで多いのは、「営業」を目的としたものだといわれています。
 
一般的に1000万円以上の貯金があると「余裕資産がある」と見込まれ、預金や融資など金融商品を紹介する営業活動のために連絡がくるようです。
 
金融広報中央委員会による「(参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」では、金融資産を保有している世帯のうち、1000万円以上の金融資産を保有している、と答えたのは全体の39.2%、金融資産がない世帯も含めた場合、全体で28.0%でした。
 
ただし「預貯金」としての平均額は725万円であるため、貯金1000万円を超えている世帯はあまり多くないといえるでしょう。「1000万円」という金額が目安として挙げられている背景には、「ペイオフ」という預金保険制度があります。
 

ペイオフ(預金保険制度)とは

ペイオフとは「金融機関が破綻した場合、保険金を預金保険機構が直接預金者に支払うこと」と「金融機関が破綻した場合、預金等の一定額しか預金保険による保護の対象にならないこと(預金保険制度)」の2つの意味を持つ言葉です。
 
「預金保険制度」とは、普通預金など「元本1000万円までと破綻日までの利息等」が保護される制度です。対象の金融機関は、本店が日本国内の金融機関であり、海外支店や外国の銀行の在日支店は対象外となります。
 
万が一、預金口座の残高が1000万円以上ある銀行が破綻したら、1000万円を超える部分は保護対象外となる可能性があるため、残高が1000万円を超えると通知を送る銀行もあるようです。
 
以上の理由から「1000万円を超えると銀行から連絡が来る」といわれるようになったとされています。
 

ペイオフ対策が必要となるケース

預金が1000万円超える場合には、ペイオフ対策をとったほうがよいでしょう。
 
その場合に多くの方が実施するのが「金融機関を分ける」という方法です。1000万円を超える貯金は別の金融機関に預けることで、預金保険制度がそれぞれ適用されるとされています。
 
ただ、それぞれの金融機関で1000万円以下の貯金をしていても、合併によって1000万円を超えてしまう場合もあります。1年間の特例措置期間を終えたら1000万円しか保護されないため、金融機関が合併した場合には注意が必要です。
 
なお、農林中央金庫、漁協、水産加工協等の系統金融機関は、農水産業協同組合貯金保険制度に加入しており、預金保険機構の預金保険制度とは別管轄になります。
 

ペイオフ対象外の預金に注意

利息がつく普通預金や定期預金、定期積金、金銭信託(元本補てん契約のある貸付信託を含む)などは元本1000万円と破綻日までの利息が保護されるといわれています。
 
しかし、外貨預金や譲渡性預金、無記名預金、架空名義の預金、他人名義の預金(借名預金)、金融債(募集債・保護預り契約が終了したもの)は、保護対象外です。
 
また、1口座ごとではなく1預金者あたり1金融機関ごとに合算されるため、同じ金融機関で複数口座を所持している場合には合算されます。合算後、1000万円までしか保護されないため注意しましょう。
 
一方、当座預金や利息のつかない普通預金など決済用預金は、残高にかかわらず全額保護されるとされています。
 

1000万円を超える貯金は分散しよう

1000万円を超えると銀行から連絡が来るのは営業目的であるケースが多いため、「貯金が多い層に仲間入りしたのだ」と達成感を得られる可能性もあるでしょう。
 
しかし、1000万円を超える分の貯金はペイオフの保護対象外となるため、銀行を分散して貯金し、万が一のときに備えた対策をとっておきましょう。
 

出典

知るぽると 金融広報中央委員会 (参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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