更新日: 2024.10.10 家計の見直し
「年収1000万円」なのに毎月2~3万円ほど足りなくなります。趣味のアウトドア費を減らせば「赤字解消」できますか?
執筆者:植田周司(うえだ しゅうじ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、円満相続遺言支援士(R)
外資系IT企業を経て、FPとして「PCとFPオフィス植田」を起業。独立系のFPとして常に相談者の利益と希望を最優先に考え、ライフプランをご提案します。
お客様に「相談して良かった」と言っていただけるよう、日々努力しています。
お金が貯まらない人の傾向
収入が十分あるのにお金が貯まらない人は、以下のような特徴が見られます。
・住宅ローンや車のローンが過度に重い
・飲食費や交際費が多い
・無駄遣いが多い(節約の意識が低い)
・収入に見合わない生活水準をしている(見えを張りがち)
・衝動買いが多い
・家計管理ができていない(何にお金を使ったのかわからない)
・ギャンブル依存症がある
・儲け話にだまされやすく、詐欺に遭いやすい
・お金を貯める気がない、あるいはお金がなくてもまったく気にしない
・借金に対して抵抗感がない
特に問題なのは、お金がないことに不安を感じない人や、なければすぐに誰かに借りる人です。こうした人は、ほしいものを借金してでも手に入れようとする傾向があります。
お金にルーズな人は、親族や友人に迷惑をかけるリスクを意識していないことがあるようです。これはギャンブル依存症と同様、依存症という一種の病気と考えられます。このような場合、家族の助言も「余計なお世話」と受け取られることがあり、専門家のカウンセリングが必要になるケースもあります。依存症と思われる場合は、家計管理の前にその治療が必要です(※1、※2)。
現状分析から始める
今回の相談者はお金が貯まらないことに悩んでいますので、依存症ではないと考えられます。趣味のアウトドアレジャーが本当に問題なのか、他に無駄遣いはないのかを確認した上で、効果的な対策を考えましょう。アウトドアレジャーが大切なリフレッシュ手段であれば、無理に削減せず、他の支出を見直すほうが良いかもしれません。
まず、お金の使い方を現状分析することが重要です。お金の貯まらない人は、何にお金を使っているのか把握していないことが多いでしょう。現状分析のためには3ヶ月程度家計簿をつけることが必要なのですが、家計簿をつけるのが苦手な人には難しいかもしれません。
その場合、キャッシュレス決済の活用をおすすめします。現金での支払いを避け、クレジットカードやスマホ決済を利用すると、利用明細や利用履歴から、何にどれくらいお金を使っているかが明確になります。
(注意)この方法は借金が増える危険がありますので、依存症の人にはおすすめしません。
生活設計の見直し
現状分析の結果、どのようにお金を使っているかがわかれば、次に無駄な支出がないかを確認します。特に毎月の固定費は長期間にわたって大きな負担となるため、効果的に削減できれば大きな節約になります。
固定費の見直しの例として、以下のような項目があります。
■生命保険の見直し
生命保険の受取人や、保険金が必要かどうかを検討しましょう。保険の目的と必要額を見直し、不要な保険は解約するのも1つの方法です。
■携帯料金の見直し
高額なスマホ代を払っている場合、より安いプランに切り替えることで長期的な節約になります。
■車関連費用の見直し
車を手放してレンタカーを利用するという方法もあります。維持費や保険料等が大きな負担になっていることがあります。
■住宅費用の見直し
家賃が高すぎる場合や無理な住宅ローンを抱えている場合は、引っ越しや借り換えを検討しましょう。
■カードローンやリボルビング払いの見直し
カードローンやリボルビング払いは、15%程度の高額な利息となっています。もし利用している場合はすぐにやめましょう。
また、一時的な支出についても無駄なものがないか確認しましょう。
■衝動買いをやめる
衝動買いを避ける1つの方法として、特定の店舗専用のクレジットカードは持ち歩かないようにするのも効果的です。それが本当に必要なのか、時間を置いて冷静に考えるように工夫しましょう。
■飲食代や交際費の見直し
外食などが多い方は、お店での飲食の回数を減らすことも必要かもしれません。
■高額な買い物の見直し
ブランド品など必要以上に高額な買い物を控えることが重要です。
貯蓄口座を分ける
支出の見直し結果から、以下の計算式で毎月の目標の貯蓄額を決定します。
月収 - 見直し後の予定支出額 = 毎月の貯蓄額
お金を貯めるには、貯蓄用と生活用の口座を分けることが重要です。給料が振り込まれたら、まず目標貯蓄額を貯蓄用の口座に移し、残ったお金で生活するように習慣を変えましょう。これにより、無理なくお金を貯めることができます。
まとめ
現状の支出をうまく見直せば、趣味のアウトドアレジャーを楽しみながら、無理なく貯蓄できる生活が実現できるかもしれません。
生活が安定してきたら、貯蓄の目的や目標額を明確にしたライフプランを作成することをおすすめします。目標を持つことで、無理のない範囲で日々の生活を楽しみながら貯蓄を続けることができるでしょう。
出典
(※1)厚生労働省 依存についてもっと知りたい方へ
(※2)横浜市 依存症対策〜やめたくてもやめられない方々へ〜
執筆者:植田周司
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、円満相続遺言支援士(R)