扶養内で働くため「月収8万円」に抑えています。ただ今度、「業績が良かったから」と10万円が支給されるそうです。扶養を抜けることにならないか不安なのですが、受け取らないほうがいいのでしょうか…?

配信日: 2024.09.26 更新日: 2024.10.10

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扶養内で働くため「月収8万円」に抑えています。ただ今度、「業績が良かったから」と10万円が支給されるそうです。扶養を抜けることにならないか不安なのですが、受け取らないほうがいいのでしょうか…?
家事や育児のためにパート勤務をしているけれど、正社員などフルタイムで働く場合と比べて収入が少なく、配偶者の扶養に入りたいと考える人もいるでしょう。扶養内であれば、基本的に税金や社会保険を自身で支払う必要はありません。ただし、パートやアルバイトであっても要件を満たせば、健康保険や厚生年金保険に加入しなければなりません。
 
本記事では、「夫の扶養内で働いている妻が、会社から一時的な賞与として10万円を支給されることが分かったケース」を想定します。
 
このような場合は一時的でも収入が増えるので、社会保険の扶養から外れる可能性はあるのか、それとも影響はないのか解説します。なお、今回妻が働く会社は特定適用事業所であり社会保険に加入しているものとします。
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社会保険の「被扶養者」となる条件

社会保険の扶養は、被扶養者となった人が自身で加入しなくても保険給付などを受けられる仕組みです。例えば、夫や妻が加入する健康保険の被扶養者となると、加入者だけでなく被扶養者も病気やけが、死亡などの際に保険給付が行われます。
 
年金の場合は、厚生年金に加入する会社員の扶養に入ると国民年金の第3号被保険者となり、自身で保険料納付をしなくても加入期間として認められて将来的な受給資格を得られます。
 
このように社会保険の被扶養者にはさまざまなメリットがありますが、誰でもなれるわけではありません。被扶養者の範囲に該当し、主に扶養者の収入によって生計が維持されている必要があります。被扶養者の収入条件は原則「年間収入が130万円未満」とされています。
 
今回は、仮に月額8万円でパートをしているとすると年間96万円の収入となるため、夫の社会保険の被扶養者となることができます。
 

10月から社会保険の適用範囲が拡大

2024年10月からは、法改正により「厚生年金の被保険者数が51名以上の企業」などで働く短時間労働者も、以下の要件を全て満たせば社会保険への加入が義務化されます。
 

・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8万8000円以上
・学生ではないこと
・2ヶ月を超えて雇用を継続する見込みがある

 
今回は所定内賃金が月額8万8000円未満と思われるため、社会保険加入義務の要件は満たしていません。ただし、時給が上がると所定内賃金の要件を超える可能性もあるので、扶養から外れたくない場合は常に自身の労働時間や賃金状況を確認しておきましょう。
 

一時的な現金支給は収入条件に影響するのか

では、今回のように臨時収入が発生すると、社会保険の被扶養者認定に影響は出るのでしょうか? 結論からいえば、一時的に支払われる賃金や賞与などは平均月収の計算からは除外されるため、受け取っても問題ありません。
 
日本年金機構では、除外される項目として以下の3点を挙げています。
 

・臨時および1ヶ月を超える期間ごとに支払われるもの:結婚手当や賞与など
・時間外労働、休日労働、深夜労働に対して支払われるもの:割増賃金など
・最低賃金法で算入しないことを定めるもの:通勤手当や家族手当など

 
今回は業績好調による従業員への「臨時ボーナス」のようなものであり、次回給料日以降も定期的に支払われるものではないと考えられるため、被扶養者の収入条件にも影響しないでしょう。
 

まとめ

本記事では、会社から支給される「臨時ボーナス」を受け取ったら、金額次第で配偶者の扶養から外されるおそれはあるのか解説しました。
 
残業代や賞与などは平均月収に含まれないため、一時的なプレゼントとして会社から「10万円」をもらっても扶養への影響はないと考えられます。気になる場合は人事や総務関係の部署に質問してみてください。
 

出典

厚生労働省 法律改正によりパート・アルバイトの社会保険の加入条件が変わります。
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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