「カフェ経営」が難しいと話す友人。「ランチセット」で「1000円」を超えるお店もありますし、原価が上がっているのが原因でしょうか…?

配信日: 2024.10.06 更新日: 2024.10.10

この記事は約 4 分で読めます。
「カフェ経営」が難しいと話す友人。「ランチセット」で「1000円」を超えるお店もありますし、原価が上がっているのが原因でしょうか…?
2023年、カフェの倒産が過去最多を記録したというニュースが話題となりました。ランチセットが1000円を超える店も珍しくない中、なぜこのような事態になったのでしょうか。
 
友人がカフェを経営していたら、心配になるかもしれません。ここでは、カフェの経営が難しい理由として考えられるものを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

2023年のカフェ倒産状況

帝国データバンクの調査によれば、2023年度(2023年4月〜2024年3月)の飲食店の倒産件数は802件となり、前年度比で56.0%の増加を記録しました。この件数は2019年度の784件を上回り、過去最多となっています。
 
また、カフェの倒産は過去最多を記録しており、厳しい経営環境が浮き彫りとなっています。
 
カフェ業界を取り巻く厳しい現状の要因として考えられるのが、コーヒー豆の価格高騰や大手チェーンおよびコンビニコーヒーとの激しい競争です。それに加え、コロナ禍による外出自粛や在宅勤務の進展が影響し、客足が遠のいてしまったことも要因と考えられています。
 

カフェが閉店してしまう理由

カフェが閉店してしまう理由には、いくつかの経営上の課題が影響しています。開業から数年で閉店するカフェには、次のような問題が考えられます。
 

・売上の伸び悩み

カフェ業態では、主にドリンクや軽食を提供するため、客単価を高くするのが難しいようです。また、カフェはリラックスした空間を提供することも役割の一部であり、客の回転率を上げにくいでしょう。ランチタイムやカフェタイムには賑わっても、ディナータイムの集客が難しいことが売上を伸ばせない要因となっています。
 

・出店計画の甘さ

出店計画が不十分だったり、経営の知識が不足していたりすると、早期の閉店につながることがあります。また、カフェは独自性やこだわりが強いため、初期費用が増大し資金計画が崩れることがあります。
 

カフェのランチ価格上昇の理由

世界的なエネルギー価格の上昇や円安の影響で、原材料価格が急騰しています。加えて、新型コロナウイルスのパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻が原料不足や生産性の低下を引き起こし、備品などの価格も上昇を続けています。
 
さらに、人件費も増加しており、令和5年度(2023年度)の全国加重平均最低賃金は1004円で、前年比43円の増加となっています。
 

ランチで高いと感じ始める金額は1000円~

ランチで高いと感じ始める金額は表1の通りでした。
 
表1

ランチの金額 高いと思う人の比率
1000〜1200円 28.7%
900〜1000円 21.9%
700〜900円 20.5%
1200〜1500円 14.7%
500〜700円 7.2%
1500〜2000円 5.2%
2000円以上 1.8%

出典:Prtimes「ランチで高いと感じ始める金額」より筆者作成
 
1000〜1200円の範囲でランチが「高い」と感じる人が最も多いことから、この価格帯がランチにおける価格のボーダーラインとして意識されていることが伺えます。
 

多くの人が値上がりを感じているが理解を示している

株式会社ぐるなびが行った調査によれば、20代から60代のぐるなび会員1000人のうち、約7割が外食の値上がりを感じていると答えました。それでも、外食の値上がりについて理解を示している人は7割以上にのぼっています。
 
調査結果によると、「外食が好き」と答えた人が多く、外食の「価値」や「体験」を価格よりも重視する傾向が見られます。今後、飲食店に対しては「ポイント」や「クーポン」といったサービスの充実を求める声が最も多く、値上げを受け入れつつも「お得感」を求める人が多いことが分かりました。
 
また、値上げに関しては、「値上げしても質や量を維持してほしい」とする意見が37%に対し、「値上げせずに質や量で調整してほしい」とする意見は10%にとどまり、価格の引き上げよりも質や量の保持を求める声が目立っています。
 

2023年のカフェ倒産が過去最多を記録したという報道は事実

2023年はカフェ業界にとって非常に厳しい年となり、多くのカフェが倒産に追い込まれました。原因としては、原材料費の上昇、大手チェーンとの競争、客足の減少、人件費の増加などが挙げられます。
 
ランチセットの価格が1000円を超えることが一般的になりつつありますが、これは原価の上昇を反映したものであり、経営者にとっては避けられない対応策となっています。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
Prtimes ランチ代の平均金額はいくら?サラリーマンの昼食代
帝国データバンク 2023年度「飲食店」の倒産動向調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集