更新日: 2024.10.11 その他家計
けがで仕事ができず、一時的に「生活保護」を受給しています。先日「NHK受信料」の請求が来ましたが、支払えないならテレビは手放すべきですか? 外出できず、テレビが唯一の楽しみです…
特に「生活保護」を受給中である場合のように、日常の生活費がままならない人にとっては、受信料の支払いは非常に困難であると思われます。このように経済的な事情で受信料を支払うことができない人は、支払いを免れるためにテレビを手放すしかないのでしょうか。
本記事では、生活保護受給者やその他の事情でNHKの受信料を支払うことが難しい人は、どうしたらいいのかについて解説していきます。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
条件によっては受信料支払いが免除になる
NHKでは、公共放送としての公平性の確保のため、経済的に受信料を支払うことが困難と思われる人に受信料を免除する配慮をしています。
全額免除になる人
NHKの受信料が全額免除される人や世帯は次の通りです。
・公的扶助受給者
・市町村民税非課税の身体障害者
・市町村民税非課税の知的障害者
・市町村民税非課税の精神障害者
・社会福祉施設等入所者
・年間収入が一定額以下等の別住居の学生
このうち生活保護受給者は、生活保護法に規定する扶助を受けている「公的扶助受給者」に該当するため、受信料が全額免除されます。なお「市町村民税非課税」の世帯は世帯構成員全員が市町村民税非課税の対象者であることが条件です。
半額免除になる人
NHKの受信料が半額免除される人や世帯は次の通りです。
視覚・聴覚障害者
重度の身体障害者
重度の知的障害者
重度の精神障害者
重度の戦傷病者
いずれも世帯主が指定の級に該当する障害者手帳を所持している場合が対象となっています。
その他免除になる人
災害を受けた人も受信料支払い免除になることがあります。基本的には災害救助法による救助が行われた区域内が対象となり、具体的にどの災害での被災者が受信料免除の対象になるかはNHKのホームページで確認することができます。
受信料免除の申請の方法
生活保護の受給が決まった、市町村民税の非課税世帯となったからといって、ただちにNHKの受信料の支払いが免除されるわけではありません。免除されるためには、自身で申請する必要があります。自治体で免除事由に該当することの証明を受ける、またはNHKに必要な証明書類を提出する2通りの方法があります。
自治体での申請の場合は、窓口にある申請書に必要事項を記入、提出し、免除事由に該当することの証明を受けます。その申請書をNHKに郵送または窓口に提出すれば申請は完了です。
NHKで直接申請をする場合は、印鑑を持参し、住民票、市町村民税非課税証明書、手帳所持証明書または障害者手帳の写しといった免除事由に該当することを確認できる証明書類を提出します。また半額免除の申請手続きはマイナンバーカードを持っていれば、マイナポータルからインターネットで手続きをすることもできます。
「生活が苦しい」だけでは免除にならない
「全額免除」「半額免除」の条件に当てはまらないけれど、受信料を支払うのが難しい場合はどうしたらいいのでしょうか。放送法によると「協会は、あらかじめ、総務大臣の認可を受けた受信料の免除の基準によるのでなければ、受信料を免除してはならない」と規定されています。
つまり総務大臣認可を受けた「放送受信料免除基準」に該当しない人に対しては個別事情に応じて免除を適用することができないのです。「NHKの受信料を支払えないほど生活が苦しい」場合は、まず近くの自治体に公的な経済支援制度を受けることができないか、相談するところから始めましょう。
生活保護受給者は受信料の全額免除の対象者。手続きはお早めに
NHKの受信料は、一定の条件を満たした人や世帯に対して、全額免除、半額免除などの措置が取られる場合があります。今回の「生活保護受給者」であれば、全額免除の対象になります。
NHKが定める受信料の免除については、その項目に該当していても自動的に適用されるわけでなく、必ず申請が必要です。また申請が受理されると受信料免除が開始され、過去にさかのぼって受信料が返還されることもありません。
申請が遅れると、その分受信料を支払うことになってしまうので、できるだけ早めに手続きをしましょう。
出典
e-Gov 法令検索 放送法
NHK 受信料免除の対象となる方について
NHK よくある質問集 生活が苦しいので受信料を免除してもらいたい
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級