更新日: 2024.10.17 貯金

子どもの教育費がかかり、夫婦ともに40代ですが貯蓄が「50万円」しかありません。子育て世代はどのくらいお金をためているのでしょうか?

子どもの教育費がかかり、夫婦ともに40代ですが貯蓄が「50万円」しかありません。子育て世代はどのくらいお金をためているのでしょうか?
「子育て中は教育費などがかかるため、思うように貯蓄額が増えない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。例えば夫婦ともに40代で貯蓄が50万円しかない場合、周囲の子育て世代と比較して、どのくらい差があるのか気になるところです。
 
そこで今回は、子育て世代の貯蓄事情について調べました。年代別・収入別の平均貯蓄額や、貯蓄を増やすための方法もご紹介しますので参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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子育て世代の貯蓄事情

厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、児童のいる世帯の貯蓄有無の割合は、「ある」が85.5%で、「ない」が9.2%でした。1世帯あたりの平均貯蓄額は、1029万2000円となっています。貯蓄額ごとの割合は、以下の通りです。


・50万円未満:3.5%
・50万~100万円未満:3.8%
・100万~500万円未満:25.1%
・500万~1000万円未満:20.5%
・1000万~2000万円未満:15.8%
・2000万~3000万円未満:5.7%
・3000万円以上:7.3%
・貯蓄額不詳:3.8%
・貯蓄の有無不詳:5.3%

一方、1世帯あたりの平均借入金額は1185万1000円で、平均貯蓄額を上回っていることも分かりました。そのため、貯蓄額が50万円だとしても借り入れがない場合は、一般的な子育て世帯よりも貯蓄がある方だと考えられるかもしれません。
 

年代別・収入別の平均貯蓄額

金融広報中央委員会「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」から、年代別・収入別の平均貯蓄額を参考にできます。一般的に子育て世代にあてはまる、20代から50代までの年代別平均貯蓄額(カッコ内は中央値)は、以下の通りです。


・20代:214万円(44万円)
・30代:526万円(200万円)
・40代:825万円(250万円)
・50代:1253万円(350万円)

また、40代の世帯を収入額ごとに分類し、平均貯蓄額と中央値を表1にまとめました。
 
表1

収入額 平均貯蓄額 中央値
収入なし 97万円 0円
300万円未満 258万円 5万円
300万~500万円未満 304万円 100万円
500万~750万円未満 756万円 350万円
750万~1000万円未満 1244万円 700万円
1000万~1200万円未満 2247万円 1004万円
1200万円以上 2949万円 850万円

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」を基に筆者作成
 
貯蓄額は、家庭の収入・支出・生活スタイルによって大きく異なるため、平均値や中央値は参考程度にとどめて、無理のないライフプランを立てることが重要です。
 

貯蓄50万円では不安……増やすための方法とは

貯蓄50万円では、何かあった場合に足りなくなる可能性があります。
 
まだまだ子どもの教育費がかかる、というご家庭もあるでしょう。住宅ローンや自動車ローンの返済、病気やけがによる急な出費、老後資金の準備なども考慮に入れる必要があります。
 
しかし、40代でも以下のような方法で貯蓄を増やせるかもしれません。
 

・生活費を節約する

家計を把握することで、節約できるポイントを探せるかもしれません。例えば外食を減らしたり、日用品をまとめ買いしたりといった方法で節約ができるでしょう。
 
利用頻度の低いサブスクリプション、通わなくなったスポーツジムや習い事の支払い状況を確認し、不要なサービスを解約することでも節約が可能です。
 

・通信費や保険を見直す

格安スマホへ切り替えたり、家族割引を活用したりして、通信費を節約できる場合があります。また生命保険では、家族の年齢が上がることで不要になった保障があれば、必要保障額を下げられるかもしれません。
 

・資産運用で増やすことを検討する

預貯金は元本が保証されていても、インフレによって実質的な価値が目減りするといわれています。
 
老後資金など将来的に必要なお金は、資産運用で増やすことも検討しましょう。税制優遇が受けられるNISAやiDeCoは、初心者でも比較的始めやすいといわれています。
 

子育て世代の平均貯蓄額は1029万2000円|年代・収入・借り入れの有無などによって異なる点にも注目

児童がいる世帯で貯蓄があると回答した家庭の割合は85.5%で、1世帯あたりの平均貯蓄額は1029万2000円であることが分かりました。しかし貯蓄額は、年代・収入・生活スタイルなどによっても異なります。
 
また、厚生労働省の調査によると平均借入額が平均貯蓄額を上回っているため、借り入れの有無も考慮する必要があるでしょう。たとえ貯蓄が50万円だとしても、借入金がなければ、一般の子育て世帯の中では貯蓄がある方かもしれません。
 
40代で子育てをしていると、教育費や住宅ローンの返済、病気やけがによる急な出費など、まとまったお金が必要になるケースも考えられます。そろそろ、老後資金の準備を始めたいと思う方もいらっしゃるでしょう。
 
40代からでも、生活費や通信費の節約、保険の保障見直し、資産運用などによって、貯蓄を増やせるかもしれません。
 

出典

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況 5 貯蓄、借入金の状況 表9 各種世帯の貯蓄額階級別・借入金額階級別世帯数の構成割合(12ページ)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和4年) 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 設問間クロス集計(令和4年) 統計表の番号1 金融資産保有額(年令・年収別)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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