更新日: 2024.11.12 貯金

シニア世代(65歳以上)の平均所得額はいくら?100歳まで生きるとして必要な「貯蓄額」とは?

シニア世代(65歳以上)の平均所得額はいくら?100歳まで生きるとして必要な「貯蓄額」とは?
老後に不安を感じることとして「公的年金だけで足りるか」「生活費はどのくらいかかるか」など、お金の問題が挙げられるでしょう。年金だけで足りない場合は貯蓄を崩すなど何らかの対策が必要です。
 
そこで今回は、シニア世代における平均所得と平均支出を調べてみました。老後を安心して暮らすためにいくら貯蓄があるとよいかを、老後資金を用意する際のポイントとともにご紹介しますので、参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

シニア世代の平均所得と平均支出

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職世帯における可処分所得と消費支出の1ヶ月の平均額は以下の通りです。なお、可処分所得とは、収入から税金や社会保険料などを差し引いた、個人が自由に使える金額を指します。

【夫婦のみの無職世帯】

●可処分所得:21万3042円
●消費支出:25万959円

【単身無職世帯】

●可処分所得:11万4663円
●消費支出:14万5430円

同調査から老後の家計収支では、夫婦のみの世帯では3万7917円、単身世帯では3万767円の不足が生じることが分かります。これはあくまでも平均値で、家庭によっては「公的年金が平均よりも低い」「余裕のある生活をするにはもっと生活費が必要」といったケースも考えられ、家計収支の不足分はさらに大きな金額になる可能性もあるでしょう。
 

老後を安心して暮らすためにいくら貯蓄があるとよい?

老後生活で生じる収支の不足分は、貯蓄を崩して賄うことも検討できます。「人生100年時代」と呼ばれる昨今、65歳で仕事を辞めたと仮定して、前述の平均額を参考に、何歳まで生きるかに応じて老後に必要な貯蓄額をまとめると以下の通りです。

●75歳まで:369万2040円~455万40円
●80歳まで:553万8060円~682万5060円
●85歳まで:738万4080円~910万80円
●90歳まで:923万100円~1137万5100円
●95歳まで:1107万6120円~1365万120円
●100歳まで:1292万2140円~1592万5140円

これはシニア世代の平均的な収支を基に算出した金額ですから、自身の所得や生活費をシミュレーションして必要な貯蓄額を計算してみるとよいでしょう。また60歳で定年退職を迎える人の場合は、年金受給資格が生じる65歳までの5年間分の生活費をどうするかも考えておく必要があります。
 

老後資金を用意する際のポイント

老後資金を用意する際は、自身の所得や生活費を基に目標額を決めることだけでなく、できるだけ増やすことも考える必要があります。そうすることで、物価高などによる生活費の高騰や、予想外の大きな出費などに備えることができるでしょう。老後資金を用意する際のポイントには以下のようなものがあります。
 

生活費を見直す

定年後は収入が減少することを考慮に入れて、支出が多くならないように節約を意識することも大切です。現役時代と同じ生活レベルを保とうとすると、毎月の赤字が家計の負担になるでしょう。家賃・通信費・保険料などの固定費や、趣味・旅行・外食にかける出費を見直して、支出を減らせるかもしれません。
 

働いて収入を得る

定年退職後も、働いて収入を得ることを検討できるでしょう。現役時代のように働くことはできなくても、時間や日にちに余裕を持たせて、無理のない範囲で働くことで、老後資金を増やしていけます。定年後に仕事をすることには、収入を得ることだけでなく、健康維持や老化を防ぐメリットもあるのです。
 

資産運用を活用する

老後資金の一部は、資産運用によって増やすことも検討できます。少しでも資産を増やせれば、老後資金が尽きるスピードを遅らせられるでしょう。資産運用には元本割れのリスクがあることも理解したうえで、運用商品を慎重に選ぶ必要があります。
 

シニア世代の平均所得額は11万4663円~21万3042円、平均生活費は14万5430円~25万959円

65歳以上のシニア世代の平均所得額は、夫婦のみ無職世帯で21万3042円、単身無職世帯で11万4663円です。平均生活費は夫婦のみ無職世帯で25万959円、単身無職世帯で14万5430円ですから、老後の生活では、3万767円~3万7917円の不足分が生じることが分かります。
 
65歳で定年退職をする場合、100歳まで生きるとすると、1292万2140円~1592万5140円の貯蓄が必要になる計算です。
 
老後資金を用意する際は、物価高による生活費高騰や予想外の大きな出費などに備えることも大切です。定年後は収入が減る傾向にあるため、生活費を見直して節約に努める必要があるでしょう。無理のない範囲で働いて収入を得たり、リスクをおさえながら資産運用を活用したりすることもポイントです。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集