更新日: 2024.11.29 その他家計
40代「年収500万円」の男性の生活が一変!? 介護と育児の「ダブルパンチ」に備えるために、知っておきたい制度を紹介
晩婚化は出生率にも影響しており、1995年時点よりも20代の出生率は大きく低下しているのに対し、40代前半の出生率は増加しています。そのため、40代や50代でも小さい子どもがいる家庭は珍しくない時代となっていますが、それに伴い、介護と育児が同時に到来する可能性も高まっています。
本記事では、40代年収500万円の男性が、介護と育児が同時期に到来して金銭的にも生活面でも負担が大きくなる「介護と育児のダブルパンチ」に備えるために、知っておきたい制度について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子ども1人にかかる教育費は?
文部科学省が実施した「令和3年度子供の学習費調査」によると、1年間の学習費として公立幼稚園で約17万円(私立は約31万円)、公立小学校は約35万円(私立は約167万円)、公立中学校は約54万円(私立は約144万円)となっています。
教育費だけで、中学卒業までに全て公立の場合でも約420万円、全て私立だと約1530万円が必要になりますが、この金額に加えて食費や衣服代などの生活費が必要となります。
育児と介護にかかる費用は?
生命保険文化センターが行った調査では介護にかかる費用(公的介護保険サービスの自己負担分含む)として住宅改造や介護用ベッドの購入費など一時的な費用の合計は平均74万円、月々の費用が平均8万3000円(在宅介護は平均4万8000円、施設介護では平均12万2000円)となっています。
また、介護の平均年数は5年1ヶ月となっており、一時的な費用と月々の介護費用を合わせると約580万円が必要となり、介護期間が延びたり、施設に入所する期間が長くなったりすると負担はさらに大きくなります。
仮に、私立小・私立中学校の教育費と介護の金銭的な負担が同時期に到来すると、年間約240万円以上の負担となります。介護が5年間継続する場合は合計1200万円以上となり、育児と介護が同時期に到来すると金銭的に非常に大きな負担となります。
40代~50代の転職理由で「介護・看護」が倍増している
育児と介護は金銭面での負担が大きいですが、生活面での負担も大きくなります。厚生労働省が実施した雇用動向調査によると、介護が理由で離職した人は令和4年は約6万9000人、令和5年は約7万2000人となっています。
また、転職入職者が前職を辞めた理由として「介護・看護」と回答した割合が40代男性では令和4年は0.4~0.6%だったのに対し、令和5年の調査では1.0~1.3%と倍増しています。
40代男性だけでなく、40代女性の転職理由が「介護・看護」であると回答した割合も大きく上昇しており、夫婦で介護や看護と両立するために、介護離職ではなく転職する40代が増えているかもしれません。
介護休業は介護するためではなく、介護体制を整える期間
育児については、保育園の利用や小学校入学後には学童保育の利用などで、働き方を変えずに子どもを育てられる環境があります。
ただ、介護が育児と同時期に到来し生活面での負担が大きく、すぐに退職したりするのを避けるために、介護についての対策も知っておく必要があると考えます。まずは介護休業を取得して、介護と仕事の両立を図れるようにすることが大切です。
介護休業とは、労働者が、要介護状態(負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するための休業のことで、対象家族1人につき3回まで、通算93日まで休業できます。
雇用保険の被保険者で、一定の要件を満たす人は、介護休業期間中に休業開始時賃金日額の67%相当額の介護休業給付金が支給されます。
まとめ
育児・介護休業法の改正により、2025年4月1日から、介護離職防止のための個別の周知・意向確認、雇用環境整備の措置が、事業主に義務化され、制度についても知る機会が増えます。
今後は、介護に直面したらまずは勤務先に報告し、必要に応じて仕事と介護の両立支援制度を利用しましょう。そして、介護保険サービスを利用して、夫婦などの家族だけで「介護をしすぎない」ようにしましょう。
育児についても同様ですが、信頼できる人(ケアマネジャー、保育園・幼稚園、近所の人など)と良好な関係を築き、育児と介護のダブルパンチに備えておきましょう。
出典
厚生労働省 令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況 結果の概要
厚生労働省 令和5年雇用動向調査結果の概況
厚生労働省 介護休業制度
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 調査結果の概要
公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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