大学生の時の友人が「会社の手取りが時給換算で学生時代のバイトとそこまで変わらない」と嘆いていました。実際の所、どれだけの「給料」があれば「アルバイト」より稼げることになるのでしょうか?

配信日: 2024.12.03

この記事は約 4 分で読めます。
大学生の時の友人が「会社の手取りが時給換算で学生時代のバイトとそこまで変わらない」と嘆いていました。実際の所、どれだけの「給料」があれば「アルバイト」より稼げることになるのでしょうか?
大学生の頃のアルバイト経験は、働く上での基盤を築く重要な時期です。しかし、卒業後に就職しても思ったよりも手取りが増えず、学生時代のアルバイトと大きな差がないと感じる人も少なくありません。では、実際にどれだけの給料を得れば、アルバイトと比較して収入を増やせることになるのでしょうか。
 
本記事では、企業での手取り給料を時給換算してアルバイトの時給と比較し、どの程度の給与水準が求められるのかを考察していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

大学生アルバイトの時給

株式会社マイナビが2024年2月に行ったに「大学生のアルバイトに関する調査」の結果によれば、大学生のアルバイトにおける平均勤務時間は1日あたり4.8時間で、週の平均勤務日数は3日、月の手取りはおよそ5万9900円となっています。この数値を基に大学生のアルバイト時給を計算してみましょう。

1週間の平均勤務時間:4.8時間×3.0日=14.4時間
1ヶ月(約4.3週間)の平均勤務時間:14.4時間×4.3週間=61.92時間
平均的な月の手取りと勤務時間から出す時給:5万9900円÷61.92時間=967円

従って、大学生のアルバイトの平均時給は約967円となります。
 

正社員の平均月給

厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、正社員の平均月給は表1の通りです。
 
表1

年齢 正社員の平均月給
20~24歳 22万8700円
25~29歳 26万3600円
30~34歳 29万4100円
35~39歳 32万7000円
40~44歳 35万4600円
45~49歳 37万4500円
50~54歳 39万4300円
55~59歳 40万4800円

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作
 
この賃金データから、正社員の平均月給が年齢とともに徐々に上昇している傾向が見られます。
 

月給22万正社員の平均時給は

月給が22万円、労働時間が1日8時間、年間労働日数が250日で計算を進めます。月の平均所定労働時間を求めるには、以下の計算を行います。
 
(22万円×12カ月)÷(8時間×250日)=1320円/時間
 
この計算結果より、月給22万円は時給に換算すると1320円となり、大学生アルバイトの推定平均時給の約967円をはるかに上回っています。
 

月給が18万円の場合には大学時代のアルバイト時給と変わらない

2023年度の大学生アルバイトの平均時給が約967円と推定されることを踏まえ、次の条件で月給を時給換算してみます。
 
月給18万円、1日8時間労働、年間250日勤務、残業なしと仮定すると
 
(18万円×12カ月)÷(8時間×250日)=1080円/時間
 
月給18万円の場合、時給換算すると約1080円となり、これは大学生時代のアルバイト時給と100円ほどの差となり、大きな差がないことが分かります。
 

最低賃金の平均額は1055円

令和6年11月以降、全国の最低賃金平均額は1055円となっています。最低賃金とは、国が労働者に保証する最低限の賃金水準で、厚生労働省が定める最低賃金法によって、労働者の生活を支える目的で設定されています。
 
企業は、各地域の最低賃金を下回る給与とならないよう、全国の労働者に対し金額を守る義務を負っているのです。
 
最低賃金の保証が意味する内容や範囲は以下の通りです。

●最低賃金に満たない金額での雇用契約をしても、法の規定により最低賃金額が適用され、労働者は不足分の支払いを求める権利があります。
●最低賃金の対象は、基本給と諸手当で構成されており、その他の手当は含まれません。
●企業が最低賃金を守らない場合、罰則が課されるため、法令を遵守することが求められます。

また、最低賃金額は都道府県ごとに異なり、地域によって差が生じています。たとえば、東京都では比較的高く、沖縄県や岩手県では低めに設定されています。地域差があっても、働いた分の賃金が勤務地域の最低賃金以上であることが保証されているので、給与が基準を満たしているかどうか定期的に確認することが大切です。
 

月給20万円以上であれば大学生時代のアルバイトよりも稼げる

大学時代のアルバイトの時給と正社員の手取りの時給を比べると、それほど差がないと感じる方は少なくありません。この状況を大きく超えるには、一定の給与水準が必要です。
 
月給22万の正社員の時給換算は1320円です。つまり、月給22万円以上であれば、学生アルバイトの時給と比べても明らかな差が出てきます。そのため、アルバイト時給を大きく上回る収入を得るには、月給20万円以上が一つの目安となるのではないでしょうか。
 

出典

株式会社マイナビ 「大学生のアルバイト調査(2024年)」 P8
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 P12第6-1表 雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集