更新日: 2019.06.28 家計の見直し

家計簿アプリを使うメリットとリスク

執筆者 : 植田英三郎

家計簿アプリを使うメリットとリスク
家計簿アプリが着実に浸透し、利用者が増えています。ネットで見かけるアプリで約25種。その中で人気なのが、「Zaim」「マネーフォワード」「マネーツリー」などです。ここでは、家計簿アプリのメリットと、利用する際の留意事項についてご説明します。
 
植田英三郎

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

家計簿アプリで何ができる

・支出入力が簡単
家計簿の毎日記入で挫折する人が多いのは、皆さんご承知の通りです。記入する時間がない、集計するのが面倒、などが挫折の理由ですが、スマホ操作での記録はレシートをカメラで読み取ったり、指先でさっと入力したり、いつでも、どこでも簡単にできることが最大のポイントです。 
 
・予算と実績の対比がすぐ見える
月単位で項目ごとに予算を設定したり、リアルタイムで予算対比ができます。ちょっとしたすきま時間に入力しておけば、「何に使ったのか」と考え悩む必要がありません。移動時間などに支出をチェックするだけで、無駄づかいの防止になりそうです。
 
・銀行口座・カードとの連携で残高がすぐ分かる
キャッシュレス化は日本全体の課題となってきました。一方で、クレジットカードやデビッドカードでの支払いは使いすぎにも注意が必要です。
 
銀行口座やクレジットカードを家計簿アプリと連携すると、正式請求の前に使用明細が表示されます。使いすぎが防止されるだけでなく、ネットバンキングやATMを使わずに預金残高を確認できるので、大変便利です。
 
銀行・カード会社との連携のリスクについては後ほど説明します。
 
・分析上手で計画的な家計支出になる
家計簿を付ける目的は、計画的にお金を使うこと、無駄な支出を見つけて、より前向きな生活設計をすることです。家計簿アプリは支出項目があらかじめ設定されていますので、予算の設定が簡単にできます。
 
設定後は毎日、予算対比やお財布残、予算残が表示されますので、計画を実現するための便利なツールになります。また、支出項目別にグラフ表示などもできるので、視覚的に使いすぎている項目が分かるという利点もあります。
 
・家計とお小遣い管理
家計簿アプリの使い方として、家計全体を管理する場合と、お小遣いの管理のために使用する場合が考えられます。最近は、はたらき方も、家計費の分担の方法も家庭によってさまざまです。アプリを利用すれば、家計全体用の財布とお小遣い用の財布を分けて管理することができます。
 

銀行口座・クレジットカード連携のリスク

お小遣い管理に家計簿アプリを使う場合は、口座やカードとの連携は不要ですが、家計全体を管理する場合は連携が必要になってきます。その際には、口座の銀行名・口座番号・パスワードを入力しなければなりません。また、クレジットカードは、カードアカウント・パスワードの入力が求められます。
 
銀行口座やカードアカウント、パスワードを入力するリスクに、家計簿アプリはどう対応しているのでしょうか。みていきましょう。
 

銀行口座について

ネットバンキングでの出金や送金の際には、アプリに入力するパスワードの他に、乱数表での確認や、ワンタイムパスワードの入力が必ず求められます。したがって、現金の不正引き出しや送金は起きないと考えられます。
 
また、アプリごとに保管データの暗号化には厳重な対策がとられています。家計簿アプリだけで残高がいつでも分かり、入出金の連絡が入るのであれば、利便性を優先して良いのではないでしょうか。
 

クレジットカードについて

クレジットカードの場合、連携時に求められるのはカード利用状況の確認サイトへのログイン情報であり、カードナンバー、暗証番号ではありません。したがってカード会社との連携で不正利用が発生する懸念はないと思われます。
 
仮に、別の理由でカードの不正利用が発生した場合も、利用情報が日々家計簿アプリからフィードバックされますので、早期に対策が可能です。
 

まとめ

家計簿アプリのメリットと、口座・カード連携のリスクについて説明しました。比較的多く使われているアプリについて名前を挙げましたが、内容の違いなどはネットでも調べることができます。
 
また、無料と有料がありますが、無料で使用しても十分機能は試せますので、しばらく使用してから有料版に切り換える、またはずっと無料版という選択も可能です。なお、家計簿アプリごとに、使い勝手や暗号化などの手順の違いがありますので、よく確認してから利用することも必要でしょう。
 
執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)
ファイナンシャルプランナー CFP