「令和の米騒動」も落ち着き“お米”が買えるようになったけど、価格が「5キロ3000円」から下がらない! 家計にはどれだけ影響がある? 2023年のデータと比較

配信日: 2024.12.27

この記事は約 3 分で読めます。
「令和の米騒動」も落ち着き“お米”が買えるようになったけど、価格が「5キロ3000円」から下がらない! 家計にはどれだけ影響がある? 2023年のデータと比較
2024年の夏は「令和の米騒動」と言われるくらいお米の供給が不足し、スーパーなどで手に入りにくくなるほどの品薄となりました。
 
ようやく新米が出回るシーズンとなり、お米が手に入るようになり一安心している人も多いのではないでしょうか。一方、お米の価格は下がっておらず、食費の面ではまだまだ安心できないのが現状です。
 
本記事では、お米の小売価格の推移と価格が下がらない理由、お米の価格の高止まりが2023年に比べて食費にどれくらい影響があるかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

お米の値段は令和の米騒動が落ち着いても高止まりしている

総務省が実施した2024年11月の小売物価統計調査結果によると、お米の価格は品薄となった夏から下がっておらず、むしろ月を追うごとに上昇している状況です。
 
代表的な品種としてコシヒカリの5キログラムあたりの価格は図表1の通りです。
 
図表1

年月 価格
2023年11月 2422円
2023年12月 2386円
2024年1月 2440円
2024年2月 2441円
2024年3月 2470円
2024年4月 2384円
2024年5月 2490円
2024年6月 2561円
2024年7月 2683円
2024年8月 2871円
2024年9月 3285円
2024年10月 3787円
2024年11月 3985円

総務省 小売物価統計調査2024年11月より筆者作成
 

お米の値段が下がらない理由は在庫量と生産コスト

お米の供給は回復してきているにもかかわらず、なぜ価格が下がらないのでしょうか? 考えられる主な理由は次の2つです。
 

在庫が少なくお米の取り合いになっている

農林水産省が公表した2024年10月末の民間在庫量は245万トンでした。この在庫量は一定規模以上の集荷および卸売業者の在庫量を集計しており全体の約75%を占めますが、少なくとも2008年以降、最も少ない在庫量です。
 
この調査に含まれない業者との間で米の取り合いになっていることで、価格が高騰していることが考えられます。
 

生産するためのコストの高騰

JAなどの集荷業者が農家から米を買い取るときに概算金というお金を支払いますが、この概算金が前年に比べて約40~50%引き上げられています。
 
この背景としては、お米を生産するために使用する機械の動力燃料費や、肥料価格が上がっていることなどがあげられます。実際に2020年に比べ、動力燃料費は約1.3倍、肥料価格は約1.4倍高騰しています。
 

2023年と比べてどのくらい食費に影響している

2023年と2024年の同じ月を比べて、お米の値上がりは食費にどのくらい影響しているのでしょうか。総務省が実施した家計調査の2024年10月結果における1ヶ月あたりのお米の消費量を参考に、影響額を計算してみましょう。


前提条件

・1ヶ月あたりのお米の消費量(2人以上の世帯):約7.7キログラム
・2023年11月のお米の単価:484.4円/キログラム
・2024年11月のお米の単価:797.0円/キログラム

(797.0円-484.4円)×7.7キログラム≒2407円

2023年に比べてお米の価格が上がったことで、食費が約2407円上がっていることになります。
 

食費だけでなく家計全体で支出をコントロールしよう

お米の供給は回復してきましたが、集荷業者や卸売業者による米の取り合いや、生産コストの上昇によって、価格はむしろ夏よりも上昇してきています。2023年と比較すると、お米の価格上昇による食費への影響は約2407円です。
 
さまざまな物の値段が上がり、家計が苦しいと感じる人も多いと思いますが、食費だけでなく家計全体の支出をコントロールして、収支のバランスを整えましょう。
 

出典

総務省 小売物価統計調査 2024年11月
農林水産省 令和6年10月末民間在庫量のポイント
農林水産省 米に関するマンスリーレポート(2024年11月号)
総務省 家計調査 2024年10月
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集