「令和の米騒動」も落ち着き“お米”が買えるようになったけど、価格が「5キロ3000円」から下がらない! 家計にはどれだけ影響がある? 2023年のデータと比較
配信日: 2024.12.27
ようやく新米が出回るシーズンとなり、お米が手に入るようになり一安心している人も多いのではないでしょうか。一方、お米の価格は下がっておらず、食費の面ではまだまだ安心できないのが現状です。
本記事では、お米の小売価格の推移と価格が下がらない理由、お米の価格の高止まりが2023年に比べて食費にどれくらい影響があるかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
お米の値段は令和の米騒動が落ち着いても高止まりしている
総務省が実施した2024年11月の小売物価統計調査結果によると、お米の価格は品薄となった夏から下がっておらず、むしろ月を追うごとに上昇している状況です。
代表的な品種としてコシヒカリの5キログラムあたりの価格は図表1の通りです。
図表1
年月 | 価格 |
---|---|
2023年11月 | 2422円 |
2023年12月 | 2386円 |
2024年1月 | 2440円 |
2024年2月 | 2441円 |
2024年3月 | 2470円 |
2024年4月 | 2384円 |
2024年5月 | 2490円 |
2024年6月 | 2561円 |
2024年7月 | 2683円 |
2024年8月 | 2871円 |
2024年9月 | 3285円 |
2024年10月 | 3787円 |
2024年11月 | 3985円 |
総務省 小売物価統計調査2024年11月より筆者作成
お米の値段が下がらない理由は在庫量と生産コスト
お米の供給は回復してきているにもかかわらず、なぜ価格が下がらないのでしょうか? 考えられる主な理由は次の2つです。
在庫が少なくお米の取り合いになっている
農林水産省が公表した2024年10月末の民間在庫量は245万トンでした。この在庫量は一定規模以上の集荷および卸売業者の在庫量を集計しており全体の約75%を占めますが、少なくとも2008年以降、最も少ない在庫量です。
この調査に含まれない業者との間で米の取り合いになっていることで、価格が高騰していることが考えられます。
生産するためのコストの高騰
JAなどの集荷業者が農家から米を買い取るときに概算金というお金を支払いますが、この概算金が前年に比べて約40~50%引き上げられています。
この背景としては、お米を生産するために使用する機械の動力燃料費や、肥料価格が上がっていることなどがあげられます。実際に2020年に比べ、動力燃料費は約1.3倍、肥料価格は約1.4倍高騰しています。
2023年と比べてどのくらい食費に影響している
2023年と2024年の同じ月を比べて、お米の値上がりは食費にどのくらい影響しているのでしょうか。総務省が実施した家計調査の2024年10月結果における1ヶ月あたりのお米の消費量を参考に、影響額を計算してみましょう。
前提条件
・1ヶ月あたりのお米の消費量(2人以上の世帯):約7.7キログラム
・2023年11月のお米の単価:484.4円/キログラム
・2024年11月のお米の単価:797.0円/キログラム
(797.0円-484.4円)×7.7キログラム≒2407円
2023年に比べてお米の価格が上がったことで、食費が約2407円上がっていることになります。
食費だけでなく家計全体で支出をコントロールしよう
お米の供給は回復してきましたが、集荷業者や卸売業者による米の取り合いや、生産コストの上昇によって、価格はむしろ夏よりも上昇してきています。2023年と比較すると、お米の価格上昇による食費への影響は約2407円です。
さまざまな物の値段が上がり、家計が苦しいと感じる人も多いと思いますが、食費だけでなく家計全体の支出をコントロールして、収支のバランスを整えましょう。
出典
総務省 小売物価統計調査 2024年11月
農林水産省 令和6年10月末民間在庫量のポイント
農林水産省 米に関するマンスリーレポート(2024年11月号)
総務省 家計調査 2024年10月
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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