「エコキュート」は給湯光熱費が「約60%」も安くなると聞きました。「ガス給湯器」より本体価格は高いようですが、「トータルコスト」ではどちらがお得ですか?

配信日: 2025.01.16

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「エコキュート」は給湯光熱費が「約60%」も安くなると聞きました。「ガス給湯器」より本体価格は高いようですが、「トータルコスト」ではどちらがお得ですか?
給湯器には従来のガス給湯器だけでなく、エコキュートという選択肢もあります。エコキュートはガス給湯器よりも給湯光熱費を大幅に節約できるという理由で注目している方もいるかもしれません。
 
それでは、エコキュートとガス給湯器をイニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(維持費用)で比較した際、トータルコストではどちらが有利なのでしょうか。
 
本記事ではエコキュートの概要や、ガス給湯器とコストを比較した結果について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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エコキュートとは?

エコキュートはヒートポンプ技術で空気の熱を活用して、お湯を沸かす給湯システムのことです。エコキュートはヒーターでは加熱せずに、大気の熱をヒートポンプで圧縮して少ない電力でお湯を作り出せます。
 
また、主に夜間の安い電力を使用してお湯を沸かすので、給湯にかかる電気料金を節約することが可能です。そのため、ガス給湯器と比較するとランニングコストを抑えられるなどの理由からエコキュートへの買い替えを検討する方が増えているようです。
 

イニシャルコストはガス給湯器が安い

まずは、エコキュートとガス給湯器のイニシャルコストを表1にまとめました。
 
表1

エコキュート ガス給湯器
本体価格 約20万円~30万円 約4万円~10万円
工事費用 約20万円~30万円 約6万円
合計 約40万円~60万円 約10万円~16万円

※筆者作成
 
標準的な製品の相場価格で比較した結果、ガス給湯器の方がイニシャルコストは大幅に安い傾向があります。加えて、エコキュートは本体価格が高いだけでなく、必要となる工事もガス給湯器よりも大掛かりです。
 
基礎工事・水道工事・電気工事などが必要となる可能性があり、本体価格と同程度の金額の工事費用が発生してしまうケースもあります。ただし、商品によってイニシャルコストには大きな開きがあるので、あくまでも目安として参考にしてください。
 

ランニングコストはエコキュートが有利

次に、エコキュートとガス給湯器のランニングコストにはどの程度の差があるのでしょうか。パナソニック株式会社の試算によると、東京電力エナジーパートナーエリアの場合、年間のランニングコストは表2のような結果になるようです。
 
表2

家庭用ヒートポンプ給湯器 ガス給湯器(都市ガス)
給湯光熱費(年間) 約3万7200円 約7万6800円

出典:パナソニック株式会社「低ランニングコスト|年間のランニングコストを比較しても割安感がはっきり。」を基に筆者作成
 
エコキュートの方がガス給湯器より50%ほど給湯光熱費が安い結果が出ています。エコキュートの少ない電力でお湯を作れる特徴が、ランニングコストにも顕著に表れる結果となりました。ただし、使用する製品や条件によって給湯光熱費は変動するのでご注意ください。
 

トータルコストはイニシャルコストによって異なる

続いて、トータルコストではエコキュートとガス給湯器はどちらが有利なのでしょうか。一般家庭用給湯機器の寿命は10年が目安といわれているため、ランニングコストの期間を10年間として、トータルコストの目安を以下の表3に整理しました。
 
表3

エコキュート ガス給湯器
イニシャルコスト 約40万円~60万円 約10万円~16万円
ランニングコスト(10年) 約37万2000円 約76万8000円
合計 約77万2000円〜97万2000円 約86万8000円~92万8000円

※筆者作成
 
結果としてはイニシャルコストを抑えられれば、エコキュートの方がトータルコストでは有利であることが分かりました。エコキュートは設置する場所によっても工事費が大きく異なるため、イニシャルコストがかさんでしまった場合はガス給湯器の方が有利になります。
 
ただし、製品の種類・光熱費の契約プラン・故障の有無などの影響によってトータルコストは変動するので、一つの参考としていただければ幸いです。
 

まとめ

エコキュートは高額になりやすいイニシャルコストがネックですが、ランニングコストで大幅な節約が可能です。エコキュートの利用期間が長くなれば、それに比例して節約効果も増大します。少ない電力でお湯を作り出せるエコキュートを導入して、電気代を賢く節約してみてはいかがでしょうか。
 

出典

パナソニック株式会社 住まいの設備と建材 低ランニングコスト 年間のランニングコストを比較しても割安感がはっきり。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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