キャベツが「1000円」?続く物価高の原因は? 分かりやすく解説
配信日: 2025.03.16

野菜の価格が高騰するのには、さまざまな要因が関係しています。今回は、キャベツを始めとする野菜の1年間の価格上昇率と、野菜の価格が高騰する理由について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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野菜の価格上昇率
具体的に野菜の価格がどの程度上昇しているのかを確認しておきましょう。
農林水産省は定期的に食品の価格を調査し発表する「食品価格動向調査(野菜)」を実施しています。調査品目「キャベツ」「ねぎ」「レタス」「玉ねぎ」「トマト」「人参」「白菜」「大根」の8種の価格を令和7年2月17日の週と1年前とで比較したものが表1です。
表1
価格 (円/キログラム) |
平年比 | 1年前の価格 (令和6年2月19日の週) |
前年比 | |
---|---|---|---|---|
キャベツ | 401円 | 257% | 159円 | 252% |
ねぎ | 974円 | 152% | 695円 | 140% |
レタス | 787円 | 153% | 470円 | 167% |
玉ねぎ | 375円 | 120% | 412円 | 91% |
トマト | 849円 | 127% | 685円 | 124% |
人参 | 509円 | 145% | 380円 | 134% |
白菜 | 388円 | 273% | 153円 | 254% |
大根 | 235円 | 152% | 165円 | 142% |
※筆者作成
表を見ると、軒並み例年比・前年比を上回っており、白菜とキャベツの価格は、1年前の2.5倍以上の価格となっています。
野菜の価格が高騰する理由
野菜の価格が高騰する原因と考えられるのは、異常気象や燃料費、人件費、運搬費の高騰などです。それぞれどのように影響しているのか、考えてみましょう。
異常気象
長雨や高温や少雨などの異常気象は、野菜の生育に大きく影響しています。
これらの異常気象によって野菜の品質は低下し、病害虫の蔓延などが起こります。さらに洪水などにより、農業用地や栽培用ハウス自体が使用できなくなってしまうこともあるようです。
燃料費など必要経費の高騰
燃料費などの必要経費も高騰しています。野菜に燃料費が必要なことに疑問を抱く人もいるかもしれませんが、野菜は収穫時期をずらすために、ハウス栽培が欠かせません。
ハウス内の温度が低くなりすぎないよう、広いハウス内を暖める暖房器具を使用します。ガソリン代同様に燃料価格は高騰しており、野菜の価格に影響を及ぼしているようです。このほかにも、農業関連では飼料費や肥料費などの価格が高騰しています。
運送費の高騰
野菜の価格のうち、およそ2割は運送費などの流通経費となっています。
野菜などの青果物輸送の多くはトラックですが、青果はほかの食品に比べて、手荷役作業の多い食品です。その分ドライバーの拘束時間が長くかかってしまい、流通経費が高騰する理由となっています。また近年のガソリン代の高騰も関係しているでしょう。
野菜の価格は今後どうなる?
現状の野菜の価格高騰は今後数ヶ月で落ち着いてくるのではといった見方もあるようです。
長期的には、産地の分散や地球温暖化に対応した品種改良などにより、安定供給を目指すことが重要になってくると考えられます。また、気候変動に合わせた栽培地域の拡大なども、ポイントになるかもしれません。
キャベツの価格は前年比250%以上!異常気象や必要経費の高騰が野菜の価格を上げている
令和7年2月17日時点で、キャベツの価格は前年比・平年比ともに250%を超え、1キログラム当たり401円となっています。キャベツに限らず、さまざまな野菜の値段が高騰している理由は、高温や長雨などの異常気象、必要経費の高騰、運送費の高騰などが考えられます。
今後は、安定供給を目指すために、気象条件に合った品種の改良など、環境に適応する農作物の栽培も重要になっていくでしょう。
出典
農林水産省 6.調査結果(2月26日更新)令和7年2月17日の週【2月17日~2月19日】
農林水産省 6.調査結果(2月26日更新)令和7年2月17日の週【2月17日~2月19日】価格推移グラフのバックデータ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー