「世帯年収1200万円」の高収入夫婦…「家賃15万円・服はユニクロ」で“余裕のDINKs生活”のはずが、老後「毎月4万円」の赤字に仰天! ムダ遣いしてないのにナゼ!? 高年収だからこその注意点
結論からいえば、高収入のDINKsほど生活水準が知らぬ間に上がり、老後に家計が赤字へ転じるリスクを抱えやすいといえます。本記事では、DINKsの基礎知識から、高年収だからこそ陥りやすいライフスタイル・インフレーションの正体、そして夫婦で取り組むべきマネープランまで解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
DINKsとは?
DINKsとは、共働きで意識的に子どもを持たない選択をした夫婦を指す言葉です。英語の「Double Income No Kids」を略した呼び方で、夫婦それぞれに収入源があり、子育て費用がかからない分だけ経済的な余裕が生まれやすいとされています。
価値観の多様化や女性の社会進出を背景に、子どものいない夫婦のみの世帯は年々増え続けています。2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況によれば、夫婦のみの世帯は1354万4000世帯にのぼり、全世帯の24.7%を占めるまでになりました。
世帯収入が高く、自由に使える時間とお金が多いため、旅行や趣味を存分に満喫できるのも魅力でしょう。しかし、収入のゆとりが油断を生み、家計管理がおろそかになりやすい点にこそ、DINKsならではの落とし穴がひそんでいます。
生活に余裕がある高年収だからこその「ライフスタイル・インフレーション」
高収入のDINKsこそ警戒すべきなのが、ライフスタイル・インフレーションと呼ばれる現象です。なぜなら、収入が増えるほど生活水準も一緒に引き上がり、支出がふくらんでいくからです。
やっかいなのは、本人が浪費している自覚を持ちにくい点にあります。年収が700万円、800万円と上がるにつれて家計に余裕が生まれ、「少しくらいなら」という油断が出費をじわじわ押し上げていくのです。
家賃15万円や普段着のユニクロだけを見れば、堅実そのものに映りますが、外食やデリバリーがかさめば、高収入でも貯蓄が一向に増えない家計ができあがります。
さらに、見過ごせないのが定年後の収支で、総務省の2025年の家計調査によると、65歳以上の無職夫婦世帯では毎月およそ4万2000円もの赤字が生じています。生活水準を上げきった世帯ほど、この不足額はいっそうふくらみます。
DINKsの夫婦が心がけるべきマネープラン
老後に後悔しないためには、現役のうちから貯まる仕組みを家計へ組み込むのが何よりの近道です。老後資金は、公的年金に加えて2000万~3000万円の金融資産を用意するのが1つの目安とされています。
具体的には、次の3つの順番で進めていくのがおすすめです。
1. 家計の見える化:別財布になりがちなDINKsでも、家計簿アプリで世帯全体のお金の流れを共有すれば、浪費にいち早く気づけます。
2. 固定費の見直し:家賃や保険、通信費は一度抑えれば節約効果が長く続くため、生活水準を大きく落とさずに貯蓄余力を生み出せます。
3. 長期の資産形成:当面使わないお金をNISAで運用し、iDeCoを夫婦それぞれで積み立てれば、税制優遇を受けながら老後資金を育てられます。
上記の中でも基本中の基本となるのが、家計の見える化によって月々の収支を正確につかむ習慣です。夫婦で数字を共有しながら、理想のセカンドライフへ向けて計画的に備えていきましょう。
節約した固定費や日々のコーヒー代のような無意識の出費(ラテマネー)を、若い時から積立投資に回すことで、将来の老後資金の原資にすることができます。
例えば、毎月3万円を投資信託で積み立て、平均年利3%を実現すると20年で元本720万円が981万円になる計算です。また、毎月5万円を平均年利5%で運用できれば、25年後には元本1500万円が約2929万円となり、老後資金の大きな柱になるでしょう。
より早くに積立投資を始めて長く投資するほど、リターンが低くても目標金額に達しやすくなります。
まとめ
DINKsは、共働きで子どもを持たない選択をした夫婦を指し、時間とお金に余裕を持ちやすい魅力的な生き方です。
ただし、高収入だからこそ収入の増加とともに生活水準が上がるライフスタイル・インフレーションに陥りやすく、油断すれば定年後に毎月数万円規模の赤字を抱えかねません。まずは家計の見える化で収支を把握し、固定費の見直しや、NISA・iDeCoを活用して老後資金を計画的に育てていくのが堅実な備えになります。
夫婦で現状の数字を共有し、理想のセカンドライフを話し合っておけば、お金の不安はぐっと小さくなるはずです。今の余裕に甘んじず、早めにマネープランを構築して、豊かな人生へとつなげていきましょう。
出典
厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

