更新日: 2024.10.10 家計の見直し
共働き世帯の家計管理、みんなどうしてる? 夫婦のこまめな話し合いで浪費を防ごう
家計管理が多様化する一方、共働き家計ならではの落とし穴も出てきています。そこで今回は、共働き家計がピンチに陥らないためのコツをご紹介します。
執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント
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共働き家計に見られる「共同型」と「分離型」
複数の方に聞いてみると、家計の管理方法は従来型のほかに、大きく2つのパターンがあるようです。ひとつは、夫婦の収入の一定額を1つの生活費口座に入れ、残ったお金はそれぞれが管理する「生活費共同型」。もうひとつは、家賃は夫、水道光熱費は妻など、生活費を割り振り、おのおのの口座で管理する「完全分離型」です。
「共同型」「分離型」のメリットは、夫婦双方が生活費を負担することで、働き手としての自覚が生まれることです。それが、収入の維持や就労意欲の向上に結びつきます。
一方、デメリットはお金の抜け穴が多いこと。結果的に、貯蓄不足になる可能性があります。
「従来型」では、妻など片方がしっかり家計を管理していれば、大きな問題は起こりづらいものでした。しかし、夫婦それぞれが管理をする場合、共働きで高収入にもかかわらず、思ったより貯蓄が少ないというケースをよく目にします。フローの収入が多く、日々の生活レベルが上がってしまったせいです。
そしてそれは、子どもの教育費を双方準備していなかったとか、老後資金が思ったより少なかったといったように、その段になって突然危機として現れるのでおそろしいのです。
お金を貯めるためのキーワード
共働き家庭が貯め体質になるためのキーワードは、「家計情報の共有」です。お金を計画的に貯めるには、毎月のやりくりといった短期の視点だけでなく、将来必要なお金という長期の視点が大切です。
「生活費共同型」と「完全分離型」では、おのおのの毎月の収支のみに関心が向きやすいのが落とし穴。これを防ぐためには、生活費だけでなく、あらかじめ貯蓄の分担も割り振ることがポイントです。
特にマイホームの頭金、教育費、老後資金といった、多額の支出が予想されるお金については、お互いが何をいくら準備するか話し合いましょう。さらに、車や家電等の大型消費財、税金や帰省費用など年間の支出等も割り振っておけば盤石です。
情報の共有でいえば、互いの収入の額を知らない、ということも割とあります。結婚当初に聞きそびれ、そのままになっていたりする場合もあります。収入を把握していないと、わが家の可能な貯蓄額を設定できません。ここは勇気を出して聞いてみるべきでしょう。
おこづかいをブラックボックス化しない
必要な生活費を負担した残りは、夫婦それぞれの自由なお金=おこづかいとなります。しかしこれは、何にいくら使っているかわからないブラックボックス化しがちです。自分が働いて得たお金を何に使おうが自由とはいえ、浪費タイプはあるだけ使ってしまう結果に。
「従来型」では往々にして、しっかりしている側が相手に定額を渡すことで、家計を締めてきました(妻が夫に渡すおこづかい、夫が妻に渡す生活費)。
そこで、おこづかいだけでも家計アプリを使って記録する、クレジットカードで毎月使う金額の上限を決める、明細を確認して予算を守るなど、工夫しましょう。
大切なのは話し合い
また、育児休業中や転職後といった、夫婦の収入が変化した時は、柔軟に負担割合を見直しましょう。結婚当初に決めた家計管理の方法を、ずっと継続しがちです。お互いの働き方や、将来必要な資金額に変化が生じた場合、その都度話し合って、最適な管理方法に変えていくのが、家計運営を円滑にするコツです。
実は、お金の管理以上に大切なのは、「夫婦でお金の話ができる」ことです。お金について話し合いができないご夫婦は、案外多いものです。急にお金の話を切り出すのも気まずいですから、これから家族でやりたいことや希望などを語るところから始めてみませんか。
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント