憧れの年収1000万。気になる手取り額を調べると、実際の生活はそんなに裕福ではない?

配信日: 2019.09.30 更新日: 2024.10.10

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憧れの年収1000万。気になる手取り額を調べると、実際の生活はそんなに裕福ではない?
サラリーマンであれば、年収1000万円に憧れるでしょう。世間では勝ち組なんていわれていますよね。
 
ちなみに、平成29年分の給与所得者の平均給与は国税庁の調査によれば、前年に比べて2.5%増え、432万円となっているようです。男女別では、男性532万円、女性287万円となっており、男性と女性とで245万円の格差が見られます。
 
また、正規社員は、494万円、非正規社員では175万円となっており、正規社員と非正規社員とでは格差がさらに広がり319万円ほどの差が見られます。
 
この実態を見ても、年間の給与1000万円というのは平均給与の約2.3倍にもなり、世間では勝ち組といわれるのも理解できます。
 
でも、果たして1000万円をもらったらお金持ちになれるのでしょうか?
もちろん、少ないよりたくさんもらった方が良いに決まっていますが、今回は、その憧れの年収1000万円について考えてみたいと思います。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

年収1000万円は、どれくらいの人がもらっているのか?

■年収1000万円以上の男女別割合
平成29年度の1年の給与額が1000万円を超える人の割合は、4.5%でした。平成28年度は4.2%だったので、若干増加しています。男女別で見ると、男性は6.9%、女性は0.9%となっており、ここでも男女の格差が見られます。過去3年間を見てもその傾向は変わりません。
 
■年収1000万円を超える社員が多い会社の事業人数別割合
同じく平成29年度の調査結果を見ると、表1の結果になっています。これを見ると、小規模の事業所よりも社員数の多い、規模の大きな事業所の方が、年収1000万円を超える社員の割合が高く、5000人以上の規模になると、社員の約10人に一人が年収1000万円を超えている結果になっています。年収1000万円を目指すならば、社員数の多い会社に就職した方が確率は高くなります。
 

 
■年収1000万円以上の資本金別割合
企業の資本金別で見てみると、個人事業主で、年収1000万円を超える人は1割に届きません。資本金が10億円未満での年収1000万円の割合はそれほど大きく変わりませんが、10億円を超えると一気に2ケタの割合となっています。やはり、サラリーマンとして年収1000万円を目指すには、資本金でも規模の大きな会社に入った方が良いようです。
 

年収1000万円の手取りはどれくらいか?

■超過累進課税について知ろう
サラリーマンが年収1000万円といっているのは、会社から支給される給与(含む、交通費や各種手当)や賞与の合計、いわゆる額面年収であり、手取りとは異なります。つまり、額面年収から社会保険料や税金を引いたものが手取りになります。
 
日本は、超過累進課税制度を採用しているため、年収が上がれば上がるほど税金を多く取られる(所得税で5%〜45%)ことになります。したがって、年収の差がそのまま手取りの差になるわけではなく、税金分の差分が小さくなるのです。
 
■年収1000万円はお金持ちなのか?
では、サラリーマンの額面年収と手取りについて具体的に見てみましょう。表3は、扶養家族が妻と高校生一人のケースを参考に作成してみました。これを見ると、年収1000万円と800万円は200万円の額面差がありますが、手取りにすると127万円の差に縮まります。
 
また、年収1000万円とはいえ、手取りでは753万円ほどなので、かなり税額負担が大きくなるのがわかると思います。年収で1000万円を超えたからといって外車に乗ったり、海外旅行したり、ぜいたくをしているとあっと言う間に貯金ができなくなるかも知れませんね。
 

  
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
  
出典

『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』深田晶恵、ダイヤモンド社

国税庁「平成29年分 民間給与実態統計調査結果について」

国税庁「平成29年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」

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