更新日: 2024.10.10 ライフプラン
年代別、お金がかかるものとは? 将来のために、知っておきたいこと
執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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家計支出が一番多い年代は? そしてその用途は?
1.家計支出の最も多い年代は50歳代
2人以上の世帯における月平均の家計支出額は、下図のとおりです(※1)。
支出合計額で最も多いのは50歳代で月額約35万4000円、次が40歳代の約33万3000円となっています。
2.用途別に支出割合を見てみると
次に、年代ごとに月平均の支出割合を見てみると下図のとおりとなります(※1)。
全年代を通じて、食費が22.9~28.9%、交通・通信費が10.9~17.6%、その他の支出が14.3~21.9%となっており、この3科目で全体の半分を占めています。年代別に支出割合の特徴を見てみると以下のとおりです。
30歳未満:食費に次いで住居費が16.5%と大きな割合を占めています。
30歳代 :交通・通信費が17.6%、教養娯楽費が10.7%と高くなっています。
40歳代 :教育費が8.3%と他の年代に比して高くなっています。
50歳代 :交通・通信費が16.9%、その他の支出が21.5%と高くなっています。
60歳代 :食費が26.8%、その他の支出が21.6%と高くなっています。
70歳以上:交通・通信費が10.9%と低くなる一方、食費の割合が28.9%と高くなっています。
年代ごとに違いが大きい用途は
ここでは、年代ごとに支出額の差に特徴のある住居費、教育費および交通・通信費について年間の用途別支出内訳の数値を詳しく見てみることにしましょう(※2)。
1.住居費の内訳を見てみると
年代ごとに1年間で支出する住居費の内訳は、下図のとおりです。
住居費に関しては、30歳未満が最も多く支出しています。そして、賃貸住宅に居住する割合が高いため、その支出額の98.5%が家賃地代に充てられています。
一方、年代が高くなるにつれて持ち家率が高まるため、家賃地代の割合が減り、施設修繕・維持費の割合が高くなっています。なお、この住居費には住宅ローンの返済は含まれていません。
2.教育費の内訳を見てみると
年代ごとに1年間で支出する教育費の内訳は、下図のとおりです。
教育費の支出額が一番多い年代は50歳代で、その総額は約50万5000円になっており、仕送り金が高い割合を占めています。これは、子どもが大学に進学する時期に当たるからです。一方、40歳代の世帯は、中学・高等学校に進学する子どもが居る世帯が多いため、補習教育の費用が高い割合になっています。
注1:国内遊学仕送り金を計上しています。
注2:給食費、制服代、通学定期代、学習用机・文房具・通学用かばん等購入費を計上しています。
3.交通・通信費の内訳を見てみると
年代ごとに1年間で支出する交通・通信費の内訳は、下図のとおりです。
全世帯を通じて、交通・通信費の5割以上を自動車の購入費や維持費の自動車等関係費に充てていることが分かります。そして、次に多いのが郵便料や電話代などの通信費となっており、鉄道運賃やバス代に充てる交通費は低い割合となっています。
なお、交通・通信費の支出が一番多い世代は50歳代で約72万円になっています。
まとめ
このように、家計の消費支出は年代別に用途が変わります。そして、この資料から、年代ごとに準備すべき資金の用途が分かりますので、先行的・計画的に必要な資金を準備することをお勧めします。
出典
(※)e-Stat 政府統計の総合窓口 2019年家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表
(※1)第3-2表 1世帯当たり1か月間の収入と支出(世帯主の年齢階級別)
(※2)第4-6表 1世帯当たり年間の支出金額、購入数量及び平均価格(世帯主の年齢階級別)
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士