更新日: 2021.02.16 家計の見直し

前向きに楽しくできる家計管理のコツとは?

執筆者 : 波多間純子

前向きに楽しくできる家計管理のコツとは?
春めいてきて薄着になるにつれて、急に二の腕やおなかのたるみが気になり、「理想体重まで○○キロ!」と必死でダイエットをがんばるように、家計に関しても理想の目標額を掲げたことによりあなたの生活を縛っている、なんてことはないでしょうか。
 
前向きに楽しくできる家計管理のコツについて考えてみましょう。
波多間純子

執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)

㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント
 
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「お金しだい」の人生から「自分しだい」の人生への選択をサポート。家計相談28年、相談件数4,000件超。家計相談と合わせて、その方の才能や適職を診断し潜在能力を高める「咲かせようじぶん資産」をテーマに個人セッションとワークショップを開催。
 
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前向きになれる「プラス一歩」を重ねよう

自分のお金について考えるとき、ダイエットでの理想体重のごとく、理想の年収や貯蓄残高に縛られていませんか? 最も健やかでいられる適正体重が人によって違うように、家計も人それぞれです。
 
支出の水準も違えば、都市部と地方でも異なります。さらに同じ家計においても、お金が貯まりやすい時期やピンチのときで可能な貯蓄額も変わってきます。現実を無視した硬直的な理想金額に意味はありません。
 
家計は、家族が無理せず心地よく生きるために必要なお金が回っている状態こそが理想。そのために提案したいのが「プラス一歩」を重ねる家計管理です。できることからはじめ、続けていくことで、お金に対して肯定的な意識を育てる効果があります。
 

今の自分の「大丈夫」を積み重ねる

最初のステップは無理のない貯蓄額を決めることです。例えば、3年後に子どもが進学するにあたり300万円足りないとします。1年あたりの貯蓄目標額は100万円。しかし、現在の家計の状態を考えたとき、年70万円が精一杯であれば、あえて目標金額は70万円にしましょう。
 
足りない目標額を無理やり設定して日々追い詰められてしまうと、節約に必死になってしまい家族が心地よくいられず、結果的にマイナスの家庭環境が生まれてしまうかもしれません。
 
現実的に可能な貯蓄額を知るということは、家計の現実を直視することにほかなりません。この等身大の家計の状態を把握している人は、もしかしたら少ないかもしれません。実際の数字を把握するだけで大きなプラスの一歩です。まずは、去年1年間でいくら貯蓄できたかを通帳等で確認しましょう。
 
ここで大切なのは貯められる金額ではなく、「自分で決めたがんばれる範囲の目標を確実に成し遂げる」ことです。今の自分の「大丈夫」を積み重ねるプラスの家計発想を続けていれば、具体的な次のアクションやアイデアがひらめくかもしれません。
 
前向きに家計と向き合えることが、「楽しい家計管理」の第一歩であると筆者は考えます。
 

必要支出には気持ちよくお金を使う

次のステップは、必要な支出には「気持ちよくお金を使う」ことです。支払った金額ではなく、対価のモノやサービスへの満足感に焦点を当てることで、必要支出をポジティブにとらえ、貯蓄時期に起こりがちな「お金を使った罪悪感」を軽減できれば良いのではないでしょうか。
 
無駄遣いというのは、いらないものを買って後悔することだけではなく、いつの間にか使ってしまった記憶に残らない支出も含みます。本当に必要なものかどうかを熟考し、必要であれば気持ちよく支払うということをして、支出一つひとつに意識を向けながら、無駄遣いを防いでいきましょう。

 

今の自分が未来を支える

今の私たちの家計は、雇用環境の変動や生き方の多様性に伴ってロールモデルがなく先が見通しづらくなっています。
 
だからこそ「〇〇万円あれば安心」という尺度ではなく、「今私はできることをやっている、だから未来の私も何かあったとき、きっと自分に適切な対処ができるはず」という自信を持つことが大切です。
 
前向きに楽しくできる家計管理とは、家計の現状を把握し、無理のない範囲で貯蓄額を設定し、楽しく支出と向き合えることではないかと、筆者は考えます。
 
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント