年収800万円の人は厚生年金保険料を1年でどれくらい納付している?
配信日: 2021.11.04
本記事では、年収800万円の人は1年間でどれくらい厚生年金保険料を納付しているのか、また、公的年金の仕組みについてなどについても詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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厚生年金保険とは?
厚生年金保険は、厚生年金保険の適用を受けた事業所で勤務する会社員や公務員が加入する公的年金制度です。会社員や公務員は、厚生年金と国民年金の2つに加入しており、将来受け取る年金も2種類あります。
ここでは、公的年金である厚生年金と国民年金の違いについて確認しましょう。
厚生年金と国民年金の違い
国民年金は法律に基づき、日本に住む「20歳以上60歳未満のすべての人」に加入が義務づけられている公的年金です。令和3年度の国民年金第1号被保険者、および任意加入被保険者の1ヶ月あたりの保険料は1万6610円です。
20歳の誕生日からおよそ2週間以内に、日本年金機構から「国民年金加入のお知らせ」と「年金手帳」が届きます。納付書を受け取ったら、自分で納付する必要があります。
一方、厚生年金保険料は、事業主が被保険者分をまとめて納付するため、従業員の給与から天引きされます。また、国民年金とは違い「標準報酬月額」と保険料率により保険料が決まるため、個人によって保険料が異なります。
年収800万円の人の厚生年金保険料
厚生年金保険料は国民年金保険料とは異なり、32の等級に応じて保険料が決められています。「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表」から、例として年収800万円の人の厚生年金保険料を見てみましょう。
厚生年金保険料の計算方法
では、年収800万円の人の厚生年金保険料を計算してみましょう。
年収800万円を12で割ると、1ヶ月の給料は約66万円です。その金額を、厚生年金保険料額表に当てはめると、第32等級にあたります。
第32等級の標準報酬月額に、保険料率をかけて算出してみましょう。
(1)65万円×18.300%(保険料率)=11万8950円
(2)11万8950円÷2=5万9475円
1で算出された保険料は、被保険者と事業主で半分ずつ負担するため、1ヶ月の厚生年金保険料は5万9475円です。年収800万円の人が、1年間に支払う厚生年金保険料は、71万3700円の試算になります。
標準報酬月額とは?
「標準報酬月額」は、被保険者が受け取る毎月の給与などの月額報酬を、区切りの良い幅で区分したものです。標準報酬の対象となる報酬は、基本給以外にも勤務地手当や家族手当、住宅手当など支給されるものも含みます。
・月額報酬が24万5000円の人の場合
報酬月額が23~25万円にあたる「16等級」であり、標準報酬月額は「24万円」になります。
標準報酬月額は、厚生年金保険料以外に、健康保険料の計算でも使われます。厚生年金保険料の標準報酬月額は、第1等級の8万8000円~第32等級の65万円までですが、健康保険料は第1等級の5万8000円~第50級の139万円の50段階まで区分されます。
給与明細をもらったら厚生年金保険料をチェックしてみよう
厚生年金保険料は、公的年金を受給するために、毎月しっかりと支払う必要がある大切なものです。国民年金とは違い、毎月会社から天引きされているため、自分がいくら支払っているのか、あまり気にしていない人も多いかもしれません。
年収800万円の人の場合だと、第32等級にあたるため毎月の厚生年金保険料は5万9475円です。1年間で計算すると、71万3700円支払っていることになります。年収が高ければ保険料の負担も大きくなるため、給与明細をもらったら細かくチェックしてみましょう。
給料からは、厚生年金保険料以外にも健康保険料や雇用保険料なども引かれています。ぜひ、今回の記事をきっかけに、あらためて自分の給料の内訳を確認してみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員