更新日: 2021.11.04 年収

年収1000万円と世帯年収1000万円。税負担の差はどれくらい?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

年収1000万円と世帯年収1000万円。税負担の差はどれくらい?
同じ1000万円でも、年収1000万円か世帯年収1000万円なのかでは、税金の負担が大きく変わってくるのをご存じですか。
 
本記事では、年収と世帯年収ではどちらが税負担が大きいのか、所得税の仕組みや税金対策などを解説していきます。税金の仕組みを正しく理解して、しっかりと節税対策をとりましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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年収1000万円と世帯年収1000万円ではどちらが所得税がかかる?

独身の人や生計を支える人など、1人が年収1000万円を稼ぐのと、共働き夫婦で夫と妻の年収の合計が1000万円なのでは、かかる税金が変わってきます。まず、年収と世帯年収では、同じ1000万円でもどれくらい所得税の額が変わるのかを見ていきましょう。
 

夫が年収1000万円の場合の所得税

まず、下記の条件で夫が年収1000万円を稼いだ場合、いくらぐらい税金がかかるのかを計算してみましょう。
 

【条件】

●妻は専業主婦であり、15歳と12歳の子どもがいる
●社会保険料控除:150万円(年収の15%)
●基礎控除:48万円
●給与所得控除:195万円
●配偶者控除:38万円

 
まず、年収から各所得控除額を引きます。
 
・1000万円(年収)-431万円(条件にある4つの控除合計額)=569万円
 
次に、所得税の額を計算します。所得が569万円の場合、所得税は課税される所得金額の20%で、控除額は42万7500円となるため、以下のようになります。
 
・569万円(課税される所得金額)×20%-42万7500円=71万500円
 
したがって、夫一人の年収が1000万円の場合にかかる所得税は、71万500円になることが分かります。
 

夫と妻の年収が合わせて1000万円の場合の所得税

次に、夫と妻の年収が合わせて1000万円の場合の税金について見ていきましょう。こちらも、家族構成については同じ条件で算出します。
 

【条件】

●15歳と12歳の子どもがいる
●夫の年収:500万円
●妻の年収:500万円
●社会保険料控除:75万円(年収の15%)
●基礎控除:48万円
●給与所得控除:144万円
●配偶者控除:0万円

 
※控除額は一人当たりの額を記載
 
まず、夫の年収にかかる税金を見ていきましょう。1で年収から各所得控除額を引き、2で所得が233万円の場合の所得税額(課税される所得金額の10%で控除額は9万7500円)を計算します。
 

(1)500万円(年収)-267万円(条件にある4つの控除合計額)=233万円
(2)233万円(課税される所得金額)×10%-9万7500円=13万5500円

 
したがって、夫一人にかかる所得税額は13万5500円となります。
そして、妻も同じ年収のため、世帯年収1000万円の場合にかかる所得税は、27万1000円です。
 

(3)13万5500円×2=27万1000円

 
以上のことから、年収1000万円と世帯年収1000万円では、おなじ1000万円でも税負担が43万9500円も差が出ることが分かります。
 
夫が年収1000万円の場合は、妻は「専業主婦」という条件ですが、世帯年収1000万円の場合は夫と妻が働いています。そのため、妻にも住民税や社会保険料がかかり、実際の税負担はこれよりもかかることが想定できるでしょう。
 

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所得税の仕組み

所得税は、個人の所得に対して課される税金です。1年間で稼いだ所得から、所得控除を差し引いた課税所得金額に税率を適用して計算します。
 
所得控除にはさまざまな種類があり、代表的なものには基礎控除・医療費控除・扶養控除・配偶者控除・給与所得控除などが挙げられます。
 
また、日本の所得税の税率は超過累進課税方式で決められており、年収が高ければ税率も高くなります。年収1000万円の場合、課せられる税率が20%と控除額が42万7500円ですが、年収500万円だと税率が10%、控除額が9万7500円と大きく違います。
 

年収1000万円の人におすすめする税金対策

同じ家族構成で同じ額を稼いでいても、それが年収か世帯年収かで、かかる税金が大きく異なります。そこで、年収1000万円の人が、少しでも税負担を軽くするための対策を3つ紹介します。
 
もちろん、年収1000万円の人以外でも役立つ節税対策なので、ぜひ参考にしてください。
 

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、自分で運用して年金を用意する制度です。掛け金・運用益・給付を受け取るときに税制上の優遇措置が講じられているのが特徴です。
 
ただし、私的年金になるため、60歳未満ではお金を引き出せません。ご自分の公的年金の状況を確認し、老後のための資金を増やしたい方におすすめの制度です。
 

つみたてNISA

つみたてNISAは、少額から始められる長期的な積立・分散投資を支援するための制度です。最長20年間利用できて、毎年新規の投資額で40万円までが非課税となるのが特徴です。
 
投資対象が公募株式投資信託と、上場株式投資信託に限定されていることから、投資初心者の方でも始めやすい制度として人気があります。
 

ふるさと納税

ふるさと納税は、都道府県・市区町村へ「寄付」を行うと、寄付金の一部が控除される制度です。「ふるさと」とありますが、ご自分の出身地以外の都道府県でも寄付できるのが特徴です。
 
ただし、ふるさと納税をしたら原則として「確定申告」または「ワンストップ特例制度」による申請手続きが必要です。
 

年収と世帯年収では税負担が大きく変わってくる

同じ1000万円を稼いだとしても、1人で年収1000万円を稼いでいるのか、夫婦で世帯年収1000万円を稼いでいるのかでは税負担が大きく変わります。少しでも税負担を軽くしたい人は、今回紹介した節税対策を参考にしてみてください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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