更新日: 2021.12.02 年収

ひとり親家庭の平均年収ってどれくらい?

ひとり親家庭の平均年収ってどれくらい?
死別や離婚などの事情で、ひとり親家庭になった人の多くが、経済的に苦しいと言われています。子を養うのが母親か父親かで、雇用形態や収入にどれくらいの違いがあるのか、知りたい人も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、ひとり親家庭の平均年収はどれくらいなのか、貧困層が多い理由などを詳しく解説します。ひとり親家庭で多い雇用形態や支援・助成金制度も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

ひとり親家庭の平均年収

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、平成27年の母子家庭の母自身の平均年収は243万円、父子家庭の父自身の平均年収は420万円です。
 
同じひとり親世帯でも、母子家庭か父子家庭かでは、177万円もの収入差があることが分かりました。ここでは、ひとり親家庭に多い雇用形態は何か、詳しく解説します。
 

ひとり親家庭の雇用形態

現在就労している母親と父親の、雇用形態を見てみましょう。
 
まず、母親ですが正規雇用の総数が544に対して、パートやアルバイトなどの非正規雇用の総数が552と、わずかながらも非正規雇用者が多いことが分かりました。正規雇用の場合、平均年収が305万円に対して、非正規雇用だと133万円と、母親の間でも172万円の差があります。
 
ところが父親の場合は、正規雇用の総数が176、非正規雇用の総数が14と、非正規雇用者が全体の約1割と少ないです。正規雇用の平均年収は428万円、非正規雇用だと190万円であり、平均年収の差は238万円でした。
 
ひとり親家庭でも、特にシングルマザーで非正規雇用の場合は、平均年収が133万円と少ないことが分かりました。
 

ひとり親家庭に貧困層が多い理由

ひとり親家庭でも、特に母親と父親が非正規雇用の場合、平均年収が200万円以下であることから貧困層であると言えます。
 
では、一体なぜ正規雇用で働くことが難しいのでしょうか。ここでは、大きく分けて3つのポイントを解説します。
 

就労時間が限られる

ひとり親家庭の母親と父親は、基本的に子育て・家事・仕事をすべてひとりでこなす必要があります。限られた時間のなかで仕事をして、収入を得なくてはいけないため、収入が少ないケースが多いです。
 
また、子どもが小さければ急に熱を出したり、体調を悪くしたりすることも多いでしょう。仕事中に保育園や幼稚園から呼び出しがかかったら、仕事を早退しなくてはいけなくなります。
 
パートやアルバイトは正社員よりは責任が軽く、シフト制などで休みが取りやすいことも多いため、ひとり親家庭の母親と父親が働きやすい雇用形態とも言えるでしょう。
 

正規雇用されにくい現状がある

父子家庭の場合は、もともと父親が正規雇用として勤めているケースが多いですが、母子家庭の場合はどうでしょうか。出産をきっかけに退職し、パートやアルバイト、専業主婦をしていた人も多くいます。
 
そのため、シングルマザーは正規雇用されにくい現状があり、雇用側も積極的にシングルマザーを採用しないところが多いと言われています。
 
正規雇用はフルタイム勤務が前提であり、残業や休日出勤をしなくてはいけないケースも少なくありません。子どもが小さければ、シングルマザーであるだけで採用を見送られることも多いため、正規雇用を目指している女性にとって大きな壁です。
 

親と同居しない家庭が多い

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、ひとり親家庭の母親のうち、親と同居している家庭はわずか27.7%です。父親の場合は、親と同居している家庭が44.2%と、約2~3人に1人の父親が親と同居していることが分かります。
 
母親はこれまでの結婚生活で、子育てと家事を両立してきた経験から、あまり親に頼らずに生活していこうと考える傾向があるようです。
 

ひとり親家庭の支援・助成金制度とは

日本では、ひとり親家庭に対する支援・助成金制度をいくつか設けています。

●児童手当
●児童扶養手当
●児童育成手当
●ひとり親家庭等医療費助成制度
●義務教育就学児医療費の助成
●高等学校等就学支援金
●高等学校等奨学給付金

多くの制度がありますのが、申請をしないと受けられないものもありますので、自分が受けられそうな支援や制度がないか、よく確認するようにしてください。
 

生活に余裕がある家庭は少ないのが現状

ひとり親家庭の平均年収は、母親か父親、また正規雇用か非正規雇用かで大きく変わってきます。特に、非正規雇用の場合は、母親と父親ともに平均年収は200万円を下回っていることが分かりました。
 
子どもが小さければ、家事や育児に大きく時間が取られるため、仕事をする時間も限られてしまいます。しかし、ひとり親家庭を支援する制度は多くありますので、利用できるものは積極的に活用しましょう。
 
出典
平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
平成29年度 母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集