更新日: 2021.12.24 年収

年収1000万円の会社員なのに生活が苦しいのはなぜ? 毎月いくら税金が引かれている?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 中村将士

年収1000万円の会社員なのに生活が苦しいのはなぜ? 毎月いくら税金が引かれている?
「年収1000万円をクリアしたのに、思うほど生活に余裕ができない……」と感じる人は多いのではないでしょうか。給与からはさまざまなものが天引きされるため、年収の額面と手取りでは、大きな開きがあるのが一般的です。
 
ここでは、年収と手取りの関係や、年収1000万円の手取り額、同じ年収で生活に余裕を作る方法を解説します。年収に対して手取りが少ないと感じている人は、ぜひチェックしてください。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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中村将士

監修:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

給料からは毎月何が引かれている?

会社員として働く人の給与からは、一般的に次のものが引かれています。
 

●所得税
●住民税
●社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)

 
これらは、個別に計算した金額を給与から天引きするかたちで、会社を通じて徴収されます。残りの金額が従業員が実際に受け取る、いわゆる「手取り」です。
 
計算方法は、それぞれ次のとおりです。
 
■所得税
年収から、給料の額に応じ給与所得控除および基礎控除、配偶者控除などの所得控除を差し引いた金額に、金額に応じた税率を乗じて計算します。計算のもととなる金額が大きくなるほど、税率も高くなる仕組みです。
 
■住民税
一律(令和5年度までは5000円)の「均等割」と、年収から給与所得控除・所得控除を差し引いた額に税率10%を乗じた「所得割」の金額を足して求めます。
 
■健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料
給与などの額をもとに求めた「標準報酬月額」「標準賞与額」に、規定の料率を乗じて計算した金額の半分を従業員が負担します。介護保険料は40歳からの徴収です。
 
■雇用保険料
会社から支給される給与などの額に、業種ごとに設定された料率を乗じて計算します。一般の事業の場合、従業員の負担は3分の1です。

 

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年収1000万円の会社員の手取り月収はいくらになる?

年収が1000万円あっても、生活に余裕がないと感じる人も多いのではないでしょうか。それもそのはずで、年収1000万円の人の場合、手取りとして使える金額は一般的に、年収の7割前後でしかありません。およそ3割もの金額が、税金や社会保険料として天引きされているのです。
 
年収1000万円から天引きされるものの内訳を見てみましょう。
 

《条件》

・50歳会社員、東京都在住
・被扶養者は配偶者(収入なし)のみ
・年収の内訳は月給60万円×12ヶ月、ボーナス140万円×2回
・雇用保険の区分は一般の事業
・控除は給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除、配偶者控除のみ

 
以上の条件のもと計算すると、天引きされる金額のおおよその内訳は、図表1のようになります。
 
【図表1】

所得税 71万円
住民税 58万円
健康保険料+介護保険料 58万円
厚生年金保険料 90万円
雇用保険料 3万円
約280万円

 
したがって手取りは、1000万円-280万円=720万円です。月に換算すると、ボーナスを除く毎月の手取りは、40万円前後となります。一般的に生活に困るような金額ではないものの、住居費や光熱費などの固定費、貯蓄に回す額を除くと、無計画に散財できるような金額は残らないでしょう。

 

年収1000万円の会社員が生活に余裕を作る方法は?

同じ年収1000万円でも所得税や住民税を節税できる次の制度の利用をすると、生活費にゆとりを作れる可能性があります。
 

●iDeCo
●ふるさと納税

 
ただし、これらの制度を利用しても、毎月の手取りが直ちに増えるわけではないことに注意しましょう。また、制度を利用すると投資や寄付をしたお金は一時的に出ていくことになるため、無理のない範囲で活用することが大切です。

 

iDeCo

掛け金を運用し、運用益が出た分を上乗せした老齢給付金を受け取れる私的年金制度です。掛け金は全額所得控除できるため、所得税および住民税の節税になります。また、運用益も非課税になるため、効率よく老後資金を形成できる点もメリットです。
 
ただし、運用損失が出た場合は給付額が掛け金総額を下回る可能性もある点には、注意が必要です。

 

ふるさと納税

選択した自治体に寄附をすると、自己負担額2000円を除いた寄付額が、所得税および住民税から控除される制度です。自治体からは、寄付額に応じた返礼品を受け取れます。寄付先を上手に選択すると、お店で購入するよりもお得に品物を得られるケースもあるため、生活費の節約手段としても活用できます。

 

給料からは多くの税金・保険料が引かれている

年収1000万円の例から分かるように、給料から天引きされる税金や保険料は、イメージよりも多いことがあります。特に高所得者になると、給与所得控除の金額が頭打ちになったり、所得税率が高く設定されていたりすることから、手取りの割合は少なくなる傾向にあります。年収と手取りの関係を理解して、正しく家計を把握しましょう。

出典
全国健康保険協会「令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」
厚生労働省「令和3年度の雇用保険料率について」
No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁
No.1199 基礎控除|国税庁
No.1191 配偶者控除|国税庁
No.1410 給与所得控除|国税庁
個人住民税 | 税金の種類 | 東京都主税局
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー