更新日: 2022.01.01 年収
年収1000万円でも就学支援が受けられる? いったい、どんな場合?
本記事では、「高等学校等就学支援金制度」とはどんな制度なのか、所得要件や手続き方法などを詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
高等学校等就学支援金制度とは
「高等学校等就学支援金制度」は、高校の授業料に充てるお金を支給することで、教育費の軽減を図ることが目的の制度です。支援を受けるには「在学要件」と「所得要件」の2つを満たさなくてはいけません。
「在学要件」は主に、日本国内に住んでいることと、高校などに在学する人です。「所得要件」は、親が共働きかどうか、父親か母親のみ働いているかどうか、課税所得額はいくらかなど、細かく要件が分かれています。
就学支援は年収1000万円でも受けられる?
「高等学校等就学支援金制度」の所得要件は、家族構成などにより細かく分かれています。この見出しでは、両親共働きのケースと、両親のうち一方が働いている場合のケースに分けて、詳しく要件を見ていきましょう。
なお、家族構成はさまざまなケースがあるため、対象となる年収はあくまでも目安であることを理解しておきましょう。
両親共働きの場合の所得要件
両親共働きの場合の所得要件(両親2人の合計額)は、図表1を参考にしてください。
【図表1】(支援の対象になる世帯の年収目安)
子どもの数 | 年間11万8800円支給の対象 | 年間39万6000円支給の対象 |
---|---|---|
高校生の子ども1人 | ~約1030万円 | ~約660万円 |
高校生の子ども2人 | ~約1070万円 | ~約720万円 |
大学生と高校生の子どもが1人ずつ | ~約1090万円 | ~約740万円 |
所得要件によって、支給額が11万8800円か39万6000円のどちらかに分かれます。判定基準は、下記の計算式により決められるため、参考にしてください。
・市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除額
計算した金額が、いくらかによって支給額が変わります。
・15万4500円より少ない場合:支給額は年額最大39万6000円
・15万4000円以上で、30万4200円より少ない場合:支給額は年額11万8800円
共働きの場合の所得要件を見ると、支給額が11万8800円の場合は、世帯年収1000万円の家庭も対象となることが分かりました。しかし、目安を見る限りでは、世帯年収1100万円を超えると対象外になります。
両親のうち一方が働いている場合の所得要件
次に、両親のうち一方が働いている場合の所得要件について見ていきましょう。
【図表2】(支援の対象になる世帯の年収目安)
子どもの数 | 年間11万8800円支給の対象 | 年間39万6000円支給の対象 |
---|---|---|
高校生の子ども1人 | ~約910万円 | ~約590万円 |
高校生の子ども2人 | ~約950万円 | ~約640万円 |
大学生と高校生の子どもが1人ずつ | ~約960万円 | ~約650万円 |
年収1000万円の家庭の場合、どちらの支給も対象外になることが分かりました。
高等学校等就学支援金制度の手続き方法
高等学校等就学支援金制度を受けるには、原則として新入生(1年生)の場合必要書類を学校に提出しなくてはいけません。
また、手続きの際には「受給資格認定申請書」と「マイナンバーカードの写し」などが必要です。学校から案内がありますので、必ず確認しましょう。
所得要件はしっかりと確認しよう
所得要件は、両親共働きか両親のうち一方が働いている場合か、そして家族構成によって目安となる年収が変わります。
両親共働きの場合、家族構成によって年額11万8800円支給の対象であれば、目安となる年収が約1090万円まで対象となります。このことから、世帯年収1000万円でも対象になる可能性があるようです。
しかし、両親のうち一方が働いている場合は目安となる年収が約960万円までのため、年収1000万円だと対象外です。
所得要件は細かく決められているため、分かりにくいと感じる人もいるかもしれません。計算方法などで分からないことがあれば、一度学校や文科省が示す相談先に確認してみるのもおすすめです。
出典
文部科学省 高校生等奨学給付金のお問合せ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー