更新日: 2022.01.02 年収
うちは世帯年収500万円ですが大学無償化の対象ですか?
本記事では、大学無償化制度とは何か、詳しい仕組みや条件などを詳しく解説します。世帯年収500万円の家庭は、大学無償化の対象となるのかどうか、ぜひ制度が気になる人は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学無償化(高等教育の修学支援新制度)とは
大学無償化(高等教育の修学支援新制度)は、令和2年4月からスタートした新しい制度です。支援対象者は、学ぶ意欲がある学生であることと、世帯収入・資産などの要件を満たしている必要があります。また、満たす要件に応じて支援金額が異なるため、必ず全額無償となるわけではありません。
さらに自宅から通うのか、1人暮らしなのかなどによっても、いくら支援が受けられるかが変わってきます。
授業料等の減免制度と給付型奨学金の2種類がある
大学無償化制度には、下記で挙げる2種類の制度があります。
・授業料・入学金の免除または減額
・給付型奨学金の支給
入学後3ヶ月以内で定められた期日までに申し込みした人であれば、授業料のほかに入学金の免除や減額も受けられます。
また、大学無償化制度は、どの大学でも支援が受けられるわけではありません。一定の要件を満たしている学校が対象です。制度を受けたい人は、まず文部科学省のホームページを確認して、対象となる大学を探しましょう。
大学無償化の条件とは?
大学無償化制度を利用するには、定められた条件を満たさなくてはいけません。条件は主に、所得基準・資産基準・学力基準の3つに分けられます。大学無償化制度の活用を検討している人は、おのおのの基準をしっかりと満たしているかどうか、一度確認してみましょう。
所得基準
大学無償化制度は、「住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生」が受けられるものと定められています。年収の目安は、図表1を参考にしてください。
【図表1】
対象となる世帯 | ※年収の目安 | 支援額 |
---|---|---|
住民税非課税世帯 | ~300万円 | 満額 |
住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生 | ~400万円 | 満額の3分の2 |
~460万円 | 満額の3分の1 |
※両親・学生本人(19~22歳)・高校生の4人家族の場合
年収の目安を見ると、300万円未満~460万円であることから、世帯年収500万円の世帯は対象外であることが分かります。
また、ここで挙げた世帯例はあくまでも参考です。実際にはさまざまな家族構成のパターンがあることでしょう。大まかなシミュレーションにはなりますが、日本学生支援機構のホームページで調べられますので、自分が対象かどうか知りたい人はチェックしてみてください。
資産基準
次に、資産基準について見ていきましょう。基準額は、下記を参考にしてください。
・生計維持者が2人の場合:2000万円未満
・生計維持者が1人の場合:1250万円未満
対象となる資産は、現金およびこれに準ずるもの、預貯金や有価証券などが当てはまります。
学力基準
大学無償化制度に学力基準を設けているのは、支援を受けた学生が社会で自立し、活躍できるようになることを目的としているからです。
入学前後は高校時代の評定平均値や入学試験の成績、大学在学中は平均成績や単位の取得状況などが見られます。また、学修計画書を提出し、学修の目的や意欲、将来の人生設計などを確認して決まることもあります。
なお、高校時代の評定平均値に達していなくても支給が即座に拒否されることはありません。たとえ評定平均値が3.5未満でも、レポートや面談により学習意欲が確認できればよいからです。
しかし、単に「所得や資産状況が基準内であるから制度を活用して大学に進学する」というように学習意欲が低い場合は、支給が見送られる可能性もあります。
世帯年収500万円は大学無償化制度の対象外となる可能性がある
大学無償化制度は、所得基準・資産基準・学力基準の3つの基準を満たさなくては制度が受けられません。そのうちの1つの所得基準は、家族構成などによって目安となる年収が変わりますが、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生が対象です。
また、世帯年収が500万円でも、扶養親族の人数や障害の有無などによって、対象となる場合もあります。そのため、一概に全ての500万円世帯が対象外とはいえません。
支援の対象となるかどうかは、日本学生支援機構のホームページで調べられます。制度活用を検討している人はチェックしてみてください。
出典
文部科学省「支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧」
独立行政法人日本学生支援機構「進学資金シミュレーター」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー