更新日: 2022.01.16 年収
子どもを留学させたい……。世帯収入はどのくらいあると安心?
留学にはまとまった費用がかかりますので、事前に把握しておくことが大切です。ここでは、海外留学にかかる費用相場や平均世帯年収などについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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海外留学にかかる費用相場
留学情報の総合サイト「留学ワールド」によると、1年間の語学留学の費用相場は300〜450万円程度です。日本で人気の留学先の国ごとの年間費用相場は図表1のとおりです。
【図表1】
国 | 語学留学 年間費用 |
---|---|
アメリカ | 450万円 |
カナダ | 330万円 |
オーストラリア | 330万円 |
ニュージーランド | 300万円 |
イギリス | 460万円 |
※「留学ワールド」より
※学費や滞在費、生活費、留学準備費などを含みます。
また、大学留学の場合の年間費用相場は、図表2のとおりです。
【図表2】
国 | 大学留学 年間費用 |
---|---|
アメリカ | 380〜600万円 |
カナダ | 320〜660万円 |
オーストラリア | 350〜550万円 |
ニュージーランド | 340〜410万円 |
イギリス | 390〜800万円 |
※「留学ワールド」より
※学費や滞在費、生活費、留学準備費などを含みます。
上記のとおり、アメリカとイギリスの留学費用は他の国より高い傾向にあります。語学留学でもまとまった費用がかかりますが、大学留学となるとさらに費用は高額です。また、上記の金額は1年間の費用相場となりますので、複数年留学する場合はさらに多くの費用がかかります。
一方、比較的費用が安く、本格的な英語が学べるフィリピンの留学費用相場は、図表3のとおりです。
【図表3】
留学期間 | 費用 |
---|---|
半年間 | 130万円 |
1年間 | 200万円 |
※「留学ワールド」より
※学費や滞在費、生活費、留学準備費などを含みます。
ただ、それでも年間200万円程度の費用がかかります。
世帯年収の全国平均
子どもを留学させるためには世帯収入はどれくらいあるとよいでしょうか。まず、全国の世帯年収の平均を見てみましょう。厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、2018年における1世帯あたりの平均世帯年収は552万3000円で、中央値は437万円でした。
全世帯の平均世帯年収の推移は、図表4のとおりです。
【図表4】
年 | 世帯平均年収 |
---|---|
2018年 | 552万3000円 |
2017年 | 551万6000円 |
2016年 | 560万2000円 |
2015年 | 545万4000円 |
2014年 | 541万9000円 |
2013年 | 528万9000円 |
2012年 | 537万2000円 |
2011年 | 548万2000円 |
2010年 | 538万円 |
2009年 | 549万6000円 |
※「2019年 国民生活基礎調査の概況」の「各種世帯の所得等の状況」より
年によって変動はありますが、おおむね540〜550万円前後になります。なお、高齢者世帯の平均世帯年収は312万6000円で、高齢者世帯以外の世帯は659万3000円、児童のいる世帯は745万9000円となります。
大学や専門学校生のいる親の世帯年収は平均862万円
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「平成30年度学生生活調査」によると、学生の家庭の平均世帯年収は図表5のとおりです。
【図表5】
区分 | 大学 (昼間部) |
短期大学 (昼間部) |
修士課程 | 博士課程 | 専門職 学位課程 |
---|---|---|---|---|---|
国立 | 854万円 | – | 870万円 | 733万円 | 861万円 |
公立 | 750万円 | 601万円 | 755万円 | 756万円 | 699万円 |
私立 | 871万円 | 642万円 | 889万円 | 970万円 | 834万円 |
平均 | 862万円 | 640万円 | 869万円 | 794万円 | 842万円 |
※「平成30年度学生生活調査」の「家庭の年間平均収入額」より
上記のとおり、大学の昼間部に通う学生の親の平均世帯年収は862万円で、短大の場合は640万円です。いずれも全国の平均世帯年収552万3000円より高い水準です。
この中には、子どもが留学する家庭もあると考えられることから、同程度の年収は必要ではないでしょうか。ただし、留学費用は国内大学などの学費よりも高額であるため、さらに資金を用意する必要が出てくることも考えられるでしょう。
子どもを留学させるには相当な世帯収入が必要と考えられる
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、平均世帯年収は552万3000円です。また、日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」によると、大学の昼間部に通う学生の親の平均世帯年収は862万円でした。
留学費用はアメリカやイギリスなど人気のエリアであれば、語学留学の1年間で450万円前後、大学留学だと年間で600万円以上かかる可能性もあります。
子どもを留学させるには、相当な世帯年収が必要であることが分かります。ただし、早くから資金計画を立てて準備していれば、一般的な世帯年収でも子どもの留学を実現させることは可能です。留学計画や資金計画を立て、少しずつ準備を始めていきましょう。
出典
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「平成30年度学生生活調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部