人事院の資料をもとに、年収800万円を超えるのはどのような公務員なのか、また、学歴や年齢、職種や階級によって、公務員の年収がどのように変化するのかを解説します。
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年収800万円を達成する公務員とは?
国家公務員の年収については、人事院の「令和3年国家公務員給与等実態調査の結果」で調べることができます。公務員であっても、株や不動産の投資による副業は認められていますが、ここでは、公務員としての給与や賞与、俸給について調べ、年収800万円を達成する公務員がどのくらいいるのかを解説します。
まず、2021年4月1日時点における国家公務員の諸手当を含めた平均給与月額は、41万4729円であり、平均年間給与は、497万6748円です。 賞与の平均支給額は、冬のボーナスが60万7600円、夏のボーナスが66万1100円であるので、給与と賞与を合わせた平均年収は、624万5448円となります。
この調査における国家公務員の平均年齢は、42.7歳です。つまり、少なくとも国家公務員であっても年収800万円は平均的な年収ではないことがわかります。
人事院の「令和3年国家公務員給与等実態調査の結果」では、国家公務員に適用した、諸手当や賞与を除いた俸給を経験年齢、学歴、職種、階級別に記載しています。
ここでは、諸手当の平均支給額が94万752円であることや平均の賞与が約136万円であることを考慮して、余裕をもって年収800万円を超すのは年間俸給が560万円以上であるときとします。
では、経験年数別の平均年間俸給を見てみましょう。平均年間俸給は、経験年数が5年未満では244万3910円、5年以上10年未満では293万443円、10年以上15年未満では350万2116円、20年以上25年未満では441万792円、25年以上30年未満では469万5096円、30年以上35年未満では493万5708円です。
次に、学歴別の平均年間俸給を見ていきましょう。中学卒では379万3668円、高校卒では417万2796円、短大卒では385万8660円、大学卒では397万9536円、修士課程修了等では308万1924円です。
一見、高校卒の平均年間俸給が一番高く見えますが、経験年数20年以上では、高校卒は466万3980円で、大学卒では490万2913円となり、高校卒と大学卒の平均年間俸給は逆転します。しかし、どちらも諸手当や賞与を含めた平均年収が、800万円には届かないでしょう。
これらのことから、経験年数が増えるほどに、また学歴が上がるほどに平均年間俸給は増えることがわかります。しかし、経験年数や学歴だけで、年収800万円を達成できるわけではないようです。

