更新日: 2022.01.28 年収
公務員で年収800万を達成している人はどれくらい?
人事院の資料をもとに、年収800万円を超えるのはどのような公務員なのか、また、学歴や年齢、職種や階級によって、公務員の年収がどのように変化するのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収800万円を達成する公務員とは?
国家公務員の年収については、人事院の「令和3年国家公務員給与等実態調査の結果」で調べることができます。公務員であっても、株や不動産の投資による副業は認められていますが、ここでは、公務員としての給与や賞与、俸給について調べ、年収800万円を達成する公務員がどのくらいいるのかを解説します。
まず、2021年4月1日時点における国家公務員の諸手当を含めた平均給与月額は、41万4729円であり、平均年間給与は、497万6748円です。 賞与の平均支給額は、冬のボーナスが60万7600円、夏のボーナスが66万1100円であるので、給与と賞与を合わせた平均年収は、624万5448円となります。
この調査における国家公務員の平均年齢は、42.7歳です。つまり、少なくとも国家公務員であっても年収800万円は平均的な年収ではないことがわかります。
人事院の「令和3年国家公務員給与等実態調査の結果」では、国家公務員に適用した、諸手当や賞与を除いた俸給を経験年齢、学歴、職種、階級別に記載しています。
ここでは、諸手当の平均支給額が94万752円であることや平均の賞与が約136万円であることを考慮して、余裕をもって年収800万円を超すのは年間俸給が560万円以上であるときとします。
では、経験年数別の平均年間俸給を見てみましょう。平均年間俸給は、経験年数が5年未満では244万3910円、5年以上10年未満では293万443円、10年以上15年未満では350万2116円、20年以上25年未満では441万792円、25年以上30年未満では469万5096円、30年以上35年未満では493万5708円です。
次に、学歴別の平均年間俸給を見ていきましょう。中学卒では379万3668円、高校卒では417万2796円、短大卒では385万8660円、大学卒では397万9536円、修士課程修了等では308万1924円です。
一見、高校卒の平均年間俸給が一番高く見えますが、経験年数20年以上では、高校卒は466万3980円で、大学卒では490万2913円となり、高校卒と大学卒の平均年間俸給は逆転します。しかし、どちらも諸手当や賞与を含めた平均年収が、800万円には届かないでしょう。
これらのことから、経験年数が増えるほどに、また学歴が上がるほどに平均年間俸給は増えることがわかります。しかし、経験年数や学歴だけで、年収800万円を達成できるわけではないようです。
国家公務員の年収を大きく左右する職種と階級について
次に職種や階級別ではどう変わるでしょうか。国家公務員の職種には主に、行政職、専門行政職、税務職、公安職、海事職、教育職、研究職、医療職、福祉職、専門スタッフ職、指定職があります。
これらの中で年間俸給が560万円を超えており、平均年収が800万円を余裕をもって越していると考えられる階級の職は、特定職、2級以上の医療職、3級以上の専門スタッフ職、9級以上の行政職、7級以上の専門行政職、8級以上の公安職、8級以上の税務職、4級以上の教育職、特定任期付き職員です。
指定職とは、事務次官や公的施設の長などの職務と責任の度が高度である職のことです。指定職の平均年間俸給は、1028万6340円です。医療職では、2級の平均年間俸給が584万8560円となっています。
専門スタッフ職とは、特別な専門知識を持ち、特定分野の任務に従事する職のことです。専門スタッフ職では、3級で628万1016円となります。
また、9級の年間俸給が613万2732円である行政職、7級の年間俸給が612万2676円である専門行政職、8級の年間俸給が565万1352円である税務職、8級の年間俸給が565万1352円である公安職、4級の年間俸給が603万7728円である教育職、年間俸給が623万4288円である特定任期付き職員、これらの階級の職は、平均的な諸手当と賞与をもらうことで、年収800万円を超すことができるでしょう。
指定職は952人、2級以上の医療職は282人、3級以上の専門スタッフ職は64人、9級以上の行政職は1598人、7級以上の専門行政職は60人、8級以上の税務職は617人、8級以上の公安職は798人、4級以上の教育職は26人、特定任期付き職員は441人です。
調査された国家公務員は25万3000人であるため、余裕をもって年収800万円を超えているのは、国家公務員の1.9%と考えられます。
年収800万円を達成している公務員は、一握り
公表されている経験年数、学歴、職種、階級別の俸給のデータから、1.9%の限られた国家公務員が、年収800万円を達成できていると考えられます。尚、民間では年間給与額が800万円を超える割合は8.9%であるため、公務員よりも民間の方が年収800万円を達成している割合が高いと言えます。
人事院令和3年国家公務員給与等実態調査の結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部